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羽田新ルート|騒音影響を受ける区民「100万人超」(補足)

羽田新ルートで騒音の影響を受ける住民はどのくらいいるのか。これまで国交省も東京都も明らかにしたことはない。また、そのことを追求したマスメディアも見かけない。

筆者が算出した「100万人超」をSNSで目にする機会が増えてきた。「100万人超」だけが独り歩きしても何なので、若干補足しておこう。


もくじ

都議会でも共産議員が「約100万人」に言及

いよいよ羽田新ルート20年3月29日運用開始が現実味を帯びてきた。

この先、子や孫の代まで羽田新ルート周辺の地域は騒音まみれになるというのに、その影響を受ける人口さえ示さずに、石井国交大臣は8月8日の記者会見で「地元の理解が得られた」宣言を出してしまった。

羽田新ルートで騒音の影響を受ける住民はどのくらいいるのか。これまで国交省も東京都も明らかにしたことはない。また、そのことを追求したマスメディアも見かけない。

筆者の独自調査によれば、23区だけでも100万人を超える。最近になってこの「100万人超」を引用する人が徐々に出てきた。

たとえば、都議会の19年第1回定例会の都市整備委員会(2月15日開催)において、曽根はじめ議員(共産)が、「不動産関係のサイト」として、騒音影響人口約100万人に言及している。

(前略)ここにですね、これは不動産関係のサイトですけど、町丁目別に全部出ているんですね。非常に手間がかかりましたけど、各町丁目別の人口っていうのは、各区が住民台帳から出していますから、私、この空路の下の70デシベルがかかるぐらいのところの町丁目を全部出して、1個1個人口を積み上げました。手間はかかりましたけど、単純作業です。
 その結果、13の区で、70デシベルかそれ以上にはなるだろうと思われる地域の人口の私の積算は109万人という結果です。これは、実はこのサイトの方にも約100万人の規模というふうに出ていましたので、そんなに計算は狂っていないと思います。(以下略)

曽根議員が引用しているのは、弊ブログの次の記事だ。


「100万人超」だけが独り歩きしても何なので、すでにブログ記事には前提条件を書き散らかしてあるのだが、改めてまとめて補足しておこう。

「100万人超」は夜間人口ベース

100万人超の試算の前提となっているのは、次に示すように常住人口(=夜間人口)ベースなのである。

  • 騒音被害などの影響を受ける住民は、羽田新ルート直下から水平距離500m範囲に常住する人口(夜間人口)を対象としている。
  • 100万人超の算出元となったのは2015年国勢調査の250mメッシュ単位の常住人口。現時点ではさらに増加している可能性が高い

昼間人口ベースでみると「150万人超」

都心上空を通過する南風時の着陸ルートが運用されるのは15時から19時のうちの3時間とされているので、同時間帯に騒音の影響を受ける人口(昼間人口)は、上述の常住人口(=夜間人口)よりも多くなる。

すなわち、夜間人口ベースの100万人超に対して、昼間人口ベースだと150万人超となる(内訳は次表)。

騒音被害などの影響を受ける住民の数・割合

ちなみに、昼間人口には、買い物客や観光客などは含まれていない(総務省統計局)ので、騒音の影響を受ける人口はさらに増える。

新ルート直下から1km範囲まで拡大すれば影響人口は2倍

騒音被害の範囲を羽田新ルート直下から水平距離で1km範囲まで拡大すれば(筆者は1kmくらい離れても騒音影響は免れないとの試算もしている)、影響を受ける人口は2倍。すなわち夜間人口ベースで200万人超、昼間人口ベースで300万人超ということになる。
区民数百万人が騒音影響
羽田新ルート|区民数百万人が騒音影響…絶望的な未来」より

 

区内だけでも、昼間人口ベースで2,3百万人超(買い物客や観光客などは含まない)に騒音影響を与えるのにもかかわらず、「地元の理解が得られた」宣言を出してしまった石井国交大臣の罪は重い……。

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