不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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『人が集まる街、逃げる街』角川新書

不動産プロデューサー牧野知弘著『人が集まる街、逃げる街』角川新書(2020/7/10)を読了。

アフターコロナは、街同士の優勝劣敗の時代だという。人が集まる街を選びたい。

朱書きは、筆者コメント。


もくじ

武蔵小杉、空に向かって伸びる現代版ニュータウン

武蔵小杉は空に向かって立ち上がった現代版ニュータウンであるという著者の見立て。

武蔵小杉 ―空に向かって伸びる現代版ニュータウンの未来は?

(前略)武蔵小杉は、今後も「住みたい街」として君臨し続けることが可能だろうか。良いはずの交通利便性も、現在では駅への入場にすら不便をかこっている。街としての社会インフラの整備も、住民の激増のあとを追いかける形になっている。大都市圏のニュータウンの多くがオールドタウンと化したように、短期間で林立したタワマンも一斉に老朽化し、住民も高齢化を迎える。大規模修繕や建て替えが問題となり、高齢者施設の需要が高まる頃、この街はどのような姿に変貌しているのだろうか。


 高層マンション街にひとたび大震災が生じたときに、本当に建物に損傷はなく、非常用発電設備は機能し、全ての住民の安全・安心を確保できるのだろうか。とりわけ2019年秋に関東地方を襲った巨大台風の影響でタワマン2棟が浸水被害を受けたことは、タワマンの安全神話を揺るがす大きな事件として連日報道された。


 武蔵小杉は、空に向かって立ち上がった現代版ニュータウンである。街としての「持続可能性」を今後どのように実現していくのか。壮大な実験が、今スタートしているのだ。

(P56-57/第二章 「タワマン」街の明暗)

※川崎市で共同住宅に住んでいるのは485,429世帯。そのうち武蔵小杉のある中原区が93,842世帯と最も多い(2015年国勢調査)。「51階以上」の共同住宅(マンション)に住んでいるのは中原区のみで、84世帯(0.1%)。

川崎市の共同住宅の階数別世帯数
51 階以上は中原区のみ!『川崎市の人口』」より

北千住、「穴場だと思う街ランキング」3年連続1位

リクルート社が発表する「住みたい街ランキング」関東版のうち、「穴場だと思う街ランキング」において、北千住は3年連続で1位を獲得している。

北千住 大学誘致に成功し大幅イメージチェンジ

(前略)これまでこの街は、どちらかといえば、足立区という、23区内でも人気のない区の、「ちょっとヤンチャな街」というイメージが強く、サラリーマンや若い女性には、あまり縁のない街といえた。


 そんな北千住に変化が訪れたのが、2005年2月に足立区が定めた、「足立区文化産業・芸術新都心構想」だ。区では、人口の減少に伴って、学校の統廃合を進める一方で、跡地の活用として、文化や芸術、新しい産業の誘致に力を入れる戦略構想をぶち上げた。


 この構想をもとに、区は東京電機大学・東京藝術大学・放送大学・帝京科学大学・東京未来大学の招致に成功、2020年にはさらに、文教大学の進出も決定している。こうした教育機関の相次ぐ進出は、街に大きな変化を引き起こしている
(中略)
交通の利便性が向上し、さらに、この街を若い人たちが闊歩するようになって、街に対するイメージは、がらりと変わった。もともと都心へのアクセスが良いことが見直され、また、街中に若い人向けの飲食店や物販店が増えるに従い、この街に住みたい人も増えてきたのだ。リクルート社が発表する「住みたい街ランキング」関東版では、22位。その中の「穴場だと思う街ランキング」では、なんと3年連続で1位を獲得している。(以下略)

(P158-160/第八章 今注目の成長する街)

※2020年の「穴場だと思う街(駅)ランキング関東版」は、3年連続で、1位「北千住」、2位「赤羽」。1位の北千住(103点)は2位の赤羽(89点)を大きく引き離している。

清澄白河、ミレニアル世代を惹きつける新たな下町

清澄白河にはミレニアル世代が好む多くのアイテムが、詰まっているという見立て。

清澄白河 ミレニアル世代を惹きつける、新たな下町

(前略)都心への交通アクセスの向上により、街の中には高層マンションも分譲され、タワーマンションは、坪単価400万円以上の価格付けがなされるようになるほど、人気の街へと変貌を遂げている。


 しかし、清澄白河の人気の原因は、単に都心へのアクセスだけではなさそうだ。この街は現代の30代、40代のミレニアル世代を惹きつける、多くの魅力を持った街なのだ。2015年12月、米国の人気カフエ「ブルーボトルコーヒー」が、日本上陸第1号店として店舗を拐えたのが、この街である。
(中略)
 清澄白河を語るとき、そこには、ただデベロッパーやゼネコンが、交通利便性を掲げて高層マンションを売りまくるだけの構図にはなく、ミレニアル世代が好む多くのアイテムが、この街に詰まっているのだ。清澄白河に新しい下町の像が見える。

(P167-168/第八章 今注目の成長する街)

※本書は「週刊東洋経済」の連載記事をまとめた内容となっているため、コロナ第2波懸念の20年7月10日に発刊されたにも係わらずコロナへの言及は「はじめに」に触れられているだけ。ただ、提言内容は、前著「不動産で知る日本のこれから」同様、アフターコロナ時代を先取りしている。

本書の構成

14章構成。全283頁。

第一章 ニュータウンの課題と挑戦
第二章 「タワマン」街の明暗
第三章 変貌してゆく大都市の中の街
第四章 模索が続く大都市郊外
第五章 新陳代謝を仕掛ける街
第六章 「街おこし」に挑む街
第七章 盛衰の分岐点に立つ街
第八章 今注目の成長する街
第九章 奮闘中の地方都市
第十章 コンパクトシティ化を目指す街
第十一章 島の未来
第十二章 リゾート誘致にかける街
第十三章 空港、港を活かす街
第十四章 インバウンドが集まる街

人が集まる街、逃げる街

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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