ベストセラー『23区格差』の著者池田利道氏の新著『23区大逆転』(NHK出版新書)2017/9/9を読了。
「港区バブル」がはじけ、「足立区の時代」がやってくるらしい。
タワーマンションの憂鬱
都心3区や江東区のウォーターフロント部に住む人たちの多くが、将来タワーマンションの建て替え問題に直面することになるという。
(略)高齢化した居住者たちに果たして建て替えのモチベーションが湧くのだろうか。修復については一部規制の緩和も図られているが、タワーマンションの修復となると半端な金額では済まない。建て替えどころか修復も進まなかったとしたら、あとは「持てる人」は去っていき、「持たざる人」は取り残されていくという道しか残されていない。まだしばらく先のことだとはいえ、ゴーストタウンになったタワーマンションの姿を想像すると恐ろしくなる。(P101)
終の住まい選びは50代が理想
体も気持ちも元気な50代、遅くとも60代初めごろまでに行ったほうがいいらしい。
(略)引っ越しの決断をするなら、子どもが巣立ち、仕事の面でも会社一筋人間を卒業し、まだ体も気持ちも元気な50代、遅くとも60代初めごろまでに行ったほうがいい。この歳なら、地域の中で新たなつながりを創り出す意欲も湧いてくる。(P115)
現象を追うな、構造を見ろ
著者が主張したいテーマは「現象を追うな、構造を見ろ」
(略)住宅購入という生涯最大の買い物はもとより、買わないまでも引っ越しという大きなリスクに向き合うには、移り住むまちの構造を見極めることが大切だ。いま住んでいるまちに住み続けるのが良いのかと悩んでいる人や、自分が住むまちをもっとよくしたいと考えている人たちも、やはり構造を見極めてから行動に移してほしい。本書には、そんな筆者の思いが込められている。(P250)
本書の構成
全4章。第3章には、区ごとに「逆転のシナリオ」が記載されている。
- 第1章 いま23区で何が起こっているか
- 第2章 23区の地殻変動をテーマ別に見る
─産む、育てる、住まう、働く、老いる- 第3章 総点検! 23区逆転のシナリオ
- 終 章 オリンピックは23区をどう変えるか
『23区大逆転』(NHK出版新書)2017/9/9
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