トイレの壁紙の汚れが目立ってきた。特に便器の背後にある給水タンクの手洗い管の跳ね跡の汚損が気になっていた。絵を飾って隠すという手もあったが、趣味と実益を兼ねてDIYで壁クロスを張り替えることにした。
トイレのDIYリフォームにチャレンジするにあたり、ネット情報・動画に大変お世話になった。
「よし、私もチャレンジしてみよう」という方のために、筆者が苦労した点やネットでは分からなかった点などを書き残しておくことにした。
1.壁紙の選定
選定条件として、最も重視したのは柄
なるべく無地に近くて、それでいて品のあるデザインであること。
花柄とかレンガ柄など、なんらかの柄があると、壁紙のつなぎ目の処理の難度が高くなる。柄どうしがうまくつながらないと、ド素人丸出しの悲惨な仕上がりになるからである。
そのほかに重視したのは、防カビ性能と撥水性能。あと、F☆☆☆☆取得品(ホルムアルデヒドの放散量が最も少ない最上級規格)であること。
最終的に選んだのは、壁紙屋本舗の「初心者セット15m」のブロック柄のなかにあった石目調(防カビ、タフタイプ、撥水、抗菌、軽量、耐クラック、F☆☆☆☆取得)。
同セットのスゴイところは、約200種類の柄から自分の気に入った柄が選べることと、施工道具7点(なでバケ、竹べら、NTカッター、NTカッター替刃、地ベラ、ジョイントローラー、スポンジ)とマニュアルがセットになっていること。
あと、万が一壁紙が足りなくなった場合には、1m単位でも購入できること。
楽天で6,990円(税込み、送料無料)で購入した。
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壁紙の量は、長さ15m×幅90cmで足りるのか?
ネット上で壁紙の必要な数量を自動的に計算してくれるサイトがあるので利用するといいだろう(次図)。
初心者セット以外に購入したもの
「初心者セット15m」以外に購入したのは、以下の4点(すべて税込み価格)。
- ヤヨイ化学 ホシューパテ 500g(楽天)1,326円
巾木と壁紙の隙間埋め処理などに利用。必須ではないが、あったほうが美しく仕上げられる。 - キューブ型やすり(ダイソー)110円
既存壁紙を剥がしたあとの平滑化に利用。 - 戸当たりクッション(アマゾン)640円
収納扉の戸が壁紙とぶつかる部分に張り付ける。 - コンセント用石膏ボードはさみ金具(モノタロウ)616円
※後述
2.既存の壁紙を剥がす
ネット動画を見ていると、いかにも簡単に剥がしているように見えるが、少なくとも筆者の場合はそうではなかった。
実際に体験して分かったことなのだが、じつは壁紙は張ること以上に、既存の壁紙を剥がすことが難しい。
最も悩んだのは、既存の壁紙をどの厚さまで剥がせばいいのかということである(このことを解説したネット情報は見当たらなかった!)。
剥がし過ぎて、下地の石膏ボードの化粧膜まで剥がしてしまうと中の石膏ボードがむき出しになってしまう。かといって少ししか剥がさないと既存壁紙の裏紙が残ってしまう。既存壁紙の裏紙を残したままその上に壁紙を張ると、既存壁紙の裏紙が石膏ボードから剥離し、新たに張った壁紙の一部が浮き上がってしまうことがあるのだ(この事象は、後日別の壁の張り替えをやっているときに気づいた)。
既存の壁紙をどの厚さまで剥がせばいいのか?
既存壁紙の裏紙まで剥がすのが正解。でも、どこまでが裏紙なのかは判断が難しい。剥がせるだけはがして構わないというのが筆者の結論。万が一剥がし過ぎて段差が生じたら、パテを塗って平滑に処理すればいい。そのために、上述の「ヤヨイ化学 ホシューパテ 500g」を楽天で買っておいたのである(税込み1,326円)。
壁紙を剥がし終えたら、下地のめくれやささくれを紙やすりで除去する。そのために上述のキューブ型やすり(税込み110円)をダイソーで調達しておいたのである。
壁紙を剥がし過ぎた部分の凸凹か所のパテ処理が済んだら、いよいよ壁紙を張るプロセスに入る。
3.壁紙を張る
DIY|生のり付き壁紙の貼り方(スリット壁紙・チャレンジセット編) RESTA
上記動画(6分54秒)を視聴すれば、コンセント部分の処理の仕方を含め、壁紙を張るコツはほとんど分かる。ただ、1点だけ悩んだことがある。
配管貫通部をどう処理すればいいのか?
壁から突き出した配管周辺の壁紙をどのように張っていけばいいのか。ネットをググったのだが、参考になりそうな情報は得られなかった。
筆者が最終的に取った作戦は次のとおりだ。床から配管の位置あたりまで、あらかじめ壁紙に切り込みを入れておく作戦である(次図)。
万が一、張り終わった壁紙に切り込みの跡が目立ったとしても、その部分を凝視する人はほとんどいないだろうから問題にはなり得ないと判断した。
4.コンセントに関するちょっとした失敗
コンセント周りの壁紙を張るために、コンセントの化粧プレートを外す。
コンセントカバーにある細い溝にマイナスドライバーなどを差込みゆっくりと手前に引けば簡単に外すことができる。外し方はネットでググればYouTube動画がたくさん出てくるので、誰でもできる。
そこまではよかった。問題は、壁紙交換の邪魔にならないようにコンセント本体を壁から取り外そうと、石膏ボードに固定してあるネジを外したこと。
なんとコンセントを石膏ボードに固定していた金具が壁の内側に落ちてしまったのである(図)。回収を試みたけれど手が届かない。
前述したように、モノタロウでPanasonic製のコンセント用石膏ボードはさみ金具1組(2個入り)を買って、コンセントを取り付けた次第。販売単価は税込み66円と安いのだが、配送費が税込み550円なので、合計616円。
モノタロウ、ありがとう!
5.反省・気づきなど
トイレなら面積が少ないし、多少上手くいかなくても問題なかろうと、年末に実施した壁紙の張り替え。実践して分かったことは、トイレの壁紙の張り替えは、居間や洋室なんかよりよほど難しいということだ。その理由は狭いことと、狭いところに配管が貫通していること。
筆者は1級建築士である。職人が壁紙を施工する場面は腐るほど見ている。ただ、当然のことながら、見るとやるとでは大違い。頭で理解できることと、実際にうまくできるかどうかは別問題なのである。
実際にやってみて、自分の手の器用さにあらためて感心するのか、あるいは不器用さにガッカリするのか。仮に、想像していたよりも上手く仕上がらなくても落胆することはない。しょせんはトイレの壁紙である。家族からの評価はともかく、自分がいかに努力したのか(あるいはそれほど努力しなかったのか)は自分が一番よく分かっている。不出来な部分にこそ愛着が湧いてこないだろうか。
壁の張り替えに費やしたのは延べにして数時間だが、完成までに数日掛けている。総額7,947円(筆者の人件費を除く)。
これからトイレの壁紙の張り替えにDIYでチャレンジする人に伝えたいことは、「トイレの壁紙の張り替えは難しい。でも意外と楽しい」ということ。
壁紙の張り替えで分からないことがあれば、DIYショップRESTAの「壁紙教室」にアクセスするといいだろう。写真や動画で丁寧に説明されているので、ほとんどのことは解決できる。このブログに記したこと以外は。
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