不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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長嶋修『グレートリセット後の世界をどう生きるか』小学館新書

長嶋修(著)『グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場』小学館新書(2024/10/1) を読了。

「来るグレートリセット後の不透明で不確かな社会に、私たちはどう対応していけばいいのか」。不動産コンサルタントの枠を超えて語る、長嶋修氏の渾身の一作。

話半分だとしても、リスク管理の観点から読んでおいて損はない。

朱書きは、私のメモ。


もくじ

グレートリセット後の世界をどう生きるか

空き家はできるだけ早く売却

所有している空き家は、競合が増加する前に、できるだけ早く売却するのが、最も理にかなった選択だという。

空き家の賃貸化は損をする

(前略)さらに、これから空き家が増加することが確実で、同様の賃貸物件や売り物件といったライバルの増加も必至であることを考慮すると、現在の想定賃料を時間の経過とともに下げざるを得ないことも念頭に置く必要があります。だからこそ、競合が増加する前に、できるだけ早く売却するのが、最も理にかなった選択となります。

ただしこのような考え方はあくまで経済合理性のみを優先した場合であり、現実には「相続でもめてしまい処分できない」「思い出が詰まっている」「仏壇がある」など様々な理由で、なんとなく処分が先延ばしになってしまうというケースが現在も、そしてこれからも、かなりの割合で発生せざるを得ないだろうと思います。(以下略)

(P59-60/第2章 激変する不動産の資産価値)

※都内で65歳以上の世帯の約7割・約90万戸が「空き家予備軍」(次図)。

都内の「空き家予備軍」約90万戸
都内の「空き家予備軍」約90万戸」より

新たな仕事のニーズ

将来の不動産取引は、AIによるオンライン取引になるという著者の見立て。

新たな仕事のニーズ

金融リセットが起こり、同時にAIやロボットなどテクノロジーの進展により多くの人が従来型の「お金を稼ぐための労働」から解放され、「ベーシックインカム」といった制度がスタートしても、「仕事」がゼロになるわけではないでしょう。

残る仕事。それは言うまでもなく、AIやロボットなどテクノロジーには代替できない仕事です。

例えば不動産業界の未来。不動産を買いたいと思い立ってオンラインで不動産屋さんに問い合わせると、優秀なAIがあなたにふさわしい物件を即座に紹介してくれるのはもちろん、資金計画や、そもそも「持ち家か賃貸か」とか「どこに住むのがいいのか」といったことまで、あなたにカスタマイズした回答をしてくれます。

物件見学の際には現地のスマートキーを開けて内見。気に入って借りたい・買いたいとなればオンラインで申し込み。契約合意に至れば契約書などのやり取りはオンラインでペーパーレスは当たり前。引き渡し後は鍵が郵送されてくるかスマートキーをセッティングしてもらえば取引完了です。(以下略)

(P138-139/第6章 大変革期の資産戦略)

※米国ではデジタル仲介業者による創造的破壊(ディスラプション)が進行している。米国のいまは、10年後の日本……。
『不動産テック 巨大産業の破壊者たち』(日経BP)

本書の構成

6章構成。全189頁。

  • 第1章 新築神話の終焉
  • 第2章 激変する不動産の資産価値
  • 第3章 専門家は肝心な時に間違える
  • 第4章 現行金融システムの限界
  • 第5章 金融リセット後の新しい世界
  • 第6章 大変革期の資産戦略

Amazon⇒『グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場

あわせて読みたい(本の紹介)

2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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