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『不動産テック 巨大産業の破壊者たち』(日経BP)

日経不動産マーケット情報(編)『不動産テック 巨大産業の破壊者たち』(日経BP社)を読了。

米国では不動産業界でも創造的破壊(ディスラプション)が進行中……。


もくじ

米国ではMLS情報が一般開放された

それまで業界が独占していたMLS(Multiple Listing Service。日本のレインズに相当)データが一般開放されたことで、ジロー(Zillow)などのリスティングサイトが大きく成長したという話。

MLS情報開示が後押し
 ジローの最大の特徴であり、成長の原動力となったゼスティメート。その複雑な統計分析の基盤となるビッグデータの中心を成すのが、米国独特の不動産情報流通システムであるMLSから得た売買・賃貸取引の情報である。

ジローのようなテック企業が膨大なデータにアクセスできるようになった背景には、米政府と不動産仲介業者との間で争われた、ある裁判があった。(中略)
 これに対して、MLSを統括する全米リアルター協会は、IT化に乗り遅れた圧倒的多数の声を受けて、インター不ツト上にMLSのデータを掲載することを禁止した。一方、司法省は、このテクノロジーの進化に逆行する動きを問題視し、独占禁止法を根拠に、協会に強く是正を求めた。(中略)

08年、協会はすべての情報をネット上に開示可能とする内容で、司法省と合意を結ぶところまで追い込まれた。それまで、物件情報の閲覧は、MLSを閲覧できる各地のブローカーやエージェントに限定されてきたが、これ以降は外部の企業が業務提携やデータの購人を通して広範囲の物件情報を取得することが可能になった。(以下略)

(P52-54/第3章 弱肉強食の住宅ポータル)

※国交省が開発中の「不動産総合データベース」には、REINSの物件情報だけでなく、住宅履歴情報やマンションの管理状況、ハザードマップやインフラ情報など多くの情報が紐づけられている。同データベースの一般開放が待たれる。

デジタル仲介業者は住宅業界のアマゾンを目指す

自ら不動産仲介業社としてビジネスを展開するデジタル仲介。なかでもコンパス社(Compass)は住宅業界のアマゾンを目指すという。

デジタル仲介の勃興

(前略)不動産仲介業では、報酬制度との関係もあり、1人のエージェントが内見から契約までを一貫して担当するのが一般的だ。しかし、デジタル仲介は業務プロセスを内見、申込、契約と細分化し、能力のあるエージェントを現場業務に専念させることで、人件費の配分を最大限に効率化する

チームの営業プロセスを「見える化」するクラウドソフトウェアやモバイルアプリの徹底的な活用も特徴だ。これを各地で大規模に展開することにより、既存業務でのコスト削減を有能なエージェントの確保や仲介手数料の割引に充てている。代々続くフアミリービジネスが中心の既存プレーヤーと異なり、創業者の多くはIT業界出身の若者たちである。(中略)
 現在、コンパスはシカゴ、サンフランシスコなどの都市で高級住宅仲介会社の買収を重ね全米に同社のネットワークを広げるべく邁進している。物件看板などの電子ツールの開発にも積極的だ。
 同社は住宅業界のアマゾンをめざして、売買を入り口とした「プラットフォーマー」化も視野に入れている。(以下略)

(P67-69/第4章 デジタル仲介の勃興)

※米国では不動産業界でも創造的破壊(ディスラプション)が進行中……。

本書の構成

12章+鼎談。全245頁。

第1章 ユニコーンを追って
第2章 大手が先を争うテック展開
第3章 弱肉強食の住宅ポータル
第4章 デジタル仲介の勃興
第5章 生き残りを模索する民泊ビジネス
第6章 ウィーワーク狂騒曲
第7章 クラウドファンディング百花繚乱
第8章 データ・ウォーズの行方
第9章 見果てぬIoT住宅の夢
第10章 ブロックチェーンが変える取引の未来
第11章 テック雇用が生み出す新・企業城下町
第12章 自動運転で二兎を追うグーグル
鼎談 本物の不動産テックを日本に

 

不動産テック 巨大産業の破壊者たち

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2019年6月1日、このブログ開設から15周年を迎えました (^_^)/
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