都内にはどのくらいの空き家があるのか。
戸建てとマンションとではどちらが多いのか。
今後どのくらい空き家が増えていくのか。
老朽化した空き家は近所迷惑になるのだが、都はどのような対策を立てているのか。
これらの答えは、東京都が2月14日に公開した、パブコメ募集中の「東京における空き家施策実施方針(案)」に記されている。
住宅政策本部が運営している「東京都 空き家情報サイト」に公開されている「東京における空き家施策実施方針(案)」(A4判35枚)ので、本文と図表をピックアップしておこう。
都内マンション等の空き家19万戸、戸建ての3倍
メディアが報じる空き家は戸建てが多いが、実際には都内の空き家はマンションのほうが多い(次図)。
マンション等の「長期不在等の空き家」は約10万戸で、戸建て約2万戸の2.5倍。
マンション等の「壊れた空き家」は約9万戸で、戸建て約4万戸の3倍。
だから、ザックリ言えば、マンション等の空き家約19万戸は、戸建て約6万戸の約3倍ということになる。
- 「腐朽・破損なし」のうち、「賃貸用の住宅」と「売却用の住宅」は合わせて約55万戸あり、これらについては、市場流通用の空き家であることから、流通の活性化が必要である。
- 「腐朽・破損なし」のうち、相続等を契機に発生することの多い「その他空き家」は約14万戸あり、これらについては、長期不在等の空き家であることから、利活用が求められる。
- 「腐朽・破損あり」の約12万戸とは、壁や柱など建物の主要部分が壊れた空き家であり、その中には空家特措法に基づく特定空家等1が含まれていることから、地域の環境に悪影響を及ぼさないよう、修繕や除却等の適切な管理が求められる。
(P7/第2章 現状と課題)
都内の「空き家予備軍」約90万戸
都内で65歳以上の世帯の約7割・約90万戸(≒単身44万世帯+夫婦のみ43万世帯)が「空き家予備軍」だという。
65歳以上の世帯員のいる世帯の住まいの伏況についてみると、持ち家は約7割、借家は約3割となっている。このうち、65歳以上の世帯員がいる単身又は夫婦のみ世帯の持ち家(約90万戸)は、将来、空き家になるおそれがある、「空き家予備軍」であると考えられる。
(P4/第2章 現状と課題)
空き家施策における3つの視点
今手を打たないと手遅れになるとして、都は「空き家施策における3つの視点」に基づき、地域特性に応じた空き家施策を誘導・展開していくとしている。
本実施方針では、以上の考え方を踏まえ、「既存住宅市場での流通促進」、「地t或資源としての空き家の利活用」、「利活用見込みがない空き家の除却等」の3つの視点に基づき、都内全体として、区市町村との適切な役割分担のもと、地域特性に応じた空き家施策を誘導・展開していく。
(P16/第3章 施策展開に当たっての基本方針)
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