東日本不動産流通機構は10月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(24年9月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で4.5%減少し、3ヶ月連続で前年同月を下回った。
- 成約m2単価は前年比で4.7%上昇し、20年5月から53ヶ月連続で前年同月を上回った。
- 成約価格は同5.3%上昇した。
- 専有面積は前年比プラス0.5%となった。
地域別動向
成約件数は千葉県と神奈川県他以外の地域が前年比で減少し、東京都区部と多摩は2ケタ減となった。
成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は20年5月から53ヶ月連続、横浜・川崎市は15ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏の中古マンション市場動向を可視化した。
首都圏
成約単価
首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。70万円で足踏みしたのち上昇傾向を見せていたが、24年8月に下落、同年9月足踏み(次図)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
成約件数
首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
9月の成約件数は3,047戸(前年同月比▲4.5%減)。
首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲52.6%と大幅に減少したあと、激しくリバウンド。24年9月は▲4.5%減。
在庫件数
首都圏の中古マンションの在庫件数は、21年6月に底打ちし増加傾向にあったが、24年2月をピークに減少に転じたか(次図)。
1都3県
成約単価
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向。コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。22年10月をピークに下降傾向にあったが、23年3月上昇に転じ上昇傾向。ところが、24年8月は下落し101.11万円、同年9月104.64万円に戻す。
成約件数
1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
9月の都内の成約件数は1,545件(前年同月比▲12.3%減)。
都内中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲55.3%と大幅に減少したあと、激しくリバウンド。24年9月は▲12.3%減。
在庫件数
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、19年2月をピークに減少していたが、21年5月に底打ちし増加に転じている。23年5月をピークに減少傾向。24年7月に増加に転じたか……。
23区
成約単価
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向にあった。22年11月をピークに下降し始めたと見られたが、その後高値水準維持からの急上昇。7月に200万円を突破(200.04万円)したが、8月に下落し180.68万円、9月185.27万円に戻す。
3区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
成約件数
23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。
城東地区と都心3区の中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと、激しくリバウンド。その後は一進一退。
在庫件数
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、21年4月前後に底打ちし増加に転じている。23年5月をピークに減少傾向。
★まとめ
成約単価は下降し始めたかと見られたが、その後高値水準を維持している。
- 首都圏
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。70万円で足踏みしたのち上昇傾向を見せていたが、24年8月に下落、同年9月足踏み。
- 成約件数:新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと激しくリバウンド。24年9月は▲4.5%減。
- 在庫件数:24年2月をピークに減少に転じたか。
- 都内
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。22年10月をピークに下降傾向にあったが、23年3月上昇に転じ上昇傾向。ところが、24年8月は下落し101.11万円、同年9月104.64万円に戻す。
- 成約件数:(首都圏と同じ傾向)
- 在庫件数:23年5月をピークに減少傾向。
- 都心3区(千代田、中央、港)
- 成約単価:20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向にあった。22年11月をピークに下降し始めたと見られたが、その後高値水準維持からの上昇。7月に200万円を突破(200.04万円)したが、8月に下落し180.68万円、9月185.27万円に戻す。
- 成約件数:(首都圏と同じ傾向)
- 在庫件数:23年5月をピークに減少傾向。24年7月に増加に転じたか……。
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