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「羽田空港の新飛行ルートに関する談話」(都議会立憲)を読み解く

立憲民主党東京都連合会は3月31日、「羽田空港の新飛行ルートに関する談話」を発表。

都議会立憲がこの時期に同談話を発表したのは、今月実施される統一地方選挙に出馬する立憲民主党の区議・市議候補らに、羽田新ルートに対する立憲のスタンスを明確にするよう迫られたということなのだろうか。


もくじ

都議会立憲「羽田空港の新飛行ルートに関する談話」を発表

立憲民主党東京都連合会は3月31日、「羽田空港の新飛行ルートに関する談話」を発表(次図)。

都議会立憲「羽田空港の新飛行ルートに関する談話」

※リンク、朱書きは筆者が加筆した。

2023年3月31日

関係各位

東京都議会立憲民主党 
幹事長 西沢けいた

羽田空港の新飛行ルートに関する談話

私たち東京都議会立憲民主党は、2021年7月の都議選向けの政策「東京政策2021」のなかで、「羽田空港の新飛行ルートについては、固定化を避けるための取り組みを早急かつ具体的に進め、見直しを図るよう国に対して求めていきます」と有権者の皆さまと約束してきました。

都議選後の8月25日には、国の「第4回羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」が開催されたこともあり、第3回都議会定例会において、私が自ら直接、小池知事に対して「羽田空港の都心ルートの見直しを国に強く求めるべき」と訴えてきました。(2021年10月5日本会議代表質問)

その後、私たちは、都議会の決算特別委員会の場などで、羽田新飛行ルートの問題を取り上げる一方、国においては、2022年8月3日に「第5回検討会」が開催されましたが、具体的なルート案は示されず、また、今後1年以上かけて、安全性の評価を行うなどとしたスケジュールが示されるなど、地域の皆さまが期待し、納得できるような検討が進んでいないとの印象を受けています。

このよう中、今年の予算特別委員会において、政調会副会長の中田たかし都議(渋谷区選出)が、都と国の検討会との関わりやゴーアラウンド(北上・逆飛行)の問題、騒音の問題や需要回復による増便の影響などを質問しました。(2023年3月9日予算特別委員会)

とりわけ、最後の質問で「知事として、地域からの声に向き合って、しっかりと行動していくべき」と迫りましたが、小池知事が答弁に立たなかったのは、残念でなりません。

私たちは、引き続き、羽田新飛行ルートの固定化回避、見直しに向けて、地域の皆さまと手を携えながら取り組んでいく所存です。

より一層のご理解・ご支援のほどよろしくお願いします。

以上

談話文書を読み解く

東京都議会立憲民主党がこの時期に同談話を発表したのは、今月実施される統一地方選挙に出馬する立憲民主党の区議・市議候補らに、羽田新ルートに対する立憲のスタンスを明確にするよう迫られたということなのだろうか。

突っ込みどころ満載の談話文書なのだが、結論を先に言えば、がっかりさせられる内容であった。「羽田新飛行ルートの固定化回避、見直し」と締めくくっているが、これまでと同様、中止でもなければ、撤廃でもない。立憲民主党として、羽田新ルートに対して反対なのか容認なのか、曖昧なままなのである

約800字からなる同談話について、朱書き部分を中心に順次読み解いてみよう。

なぜ、最新の「東京政策2023」ではなく、「東京政策2021」なのか

談話では、2年近く前に策定した「東京政策2021」が紹介されているが、今年の2月に策定された最新の「東京政策2023」には触れられていない。「東京政策2023」には羽田新ルートの記載がないので言及していないのか。 西沢けいた幹事長にはその理由を説明する責任があるだろう

※詳しくは、「立憲都連が作成した「東京政策2023」、羽田新ルート記載なし」参照。

西沢幹事長、「推し」が足りない

西沢幹事長は、「私が自ら直接、小池知事に対して『羽田空港の都心ルートの見直しを国に強く求めるべき』と訴えてきました」と自己PR。

西沢幹事長はこのとき、立憲の代表質問者として登壇。取り上げた8項目のうち、羽田新ルートは下から2番目という扱いだった。「推し」が足りない。

※詳しくは、「羽田新ルート|都議会「21年第3回定例会」質疑応答」参照。

中田 政調会副会長、熱意不足

政調会副会長の中田たかし都議が今年の予算特別委員会で羽田新ルート問題を取り上げたことをPR。

今年の予算特別委員会において、政調会副会長の中田たかし都議(渋谷区選出)が、都と国の検討会との関わりやゴーアラウンド(北上・逆飛行)の問題、騒音の問題や需要回復による増便の影響などを質問しました。

都議会定例会本会議の代表・一般質問では19年以降、立憲民主党が羽田新ルート問題を取り上げたのは2回だけ(次図)。そういう意味では、予算特別委員会の総括質疑とはいえ、中田議員が地元の声(渋谷区選出)を受けて羽田新ルート問題を取り上げたことは高く評価したい。惜しむらくは熱意不足。

※詳しくは、「羽田新ルート|都議会「予算特別委員会」中田議員(立憲、渋谷区選出)もっと熱くならなければ」参照。

都議会定例会本会議の代表・一般質問

決算特別委員会の場などで、盛んに取り上げたのか

談話では立憲の都議らが、決算特別委員会の場などで羽田新ルート問題を取り上げてきたことをPRしている。

私たちは、都議会の決算特別委員会の場などで、羽田新飛行ルートの問題を取り上げる一方(略)

前回の改選(17年7月)以降、立憲区議が本会議定例会の代表・一般質問で羽田新ルートを取り上げたのはたったの2回。予算・決算委員会と常任委員会を含めても11回。決して胸を張れるような回数ではないと思うのだが。

羽田新ルートに係る「東京都議会立憲民主党」議員の発言実績(まとめ)

おまけ(談話文書、コピペできない)

都議会立憲がHPで公開した談話文書はpig形式の画像ファイルだから、画面から文章をコピペできない。

偽造防止が目的だとすれば、大した意味はない。OCR処理(画像データのテキスト部分を認識)すれば、いかようにでも加工できるからだ。

簡単にコピペできる形式で情報を公開すれば、Google先生も容易に読み取れるし、都民に広く拡散されるメリットが得られると思うのだが。コピペできない形式でデータを公開するのは国交省の専売特許だと思っていたら、どうもそうでもないようだ。

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