国交省は3月31日、川崎市(川崎市立殿町小学校)に測定局を新設し、23年4月1日より騒音測定を開始することを公表した。
殿町小学校は神奈川県が20年度から”なんちゃって騒音測定”を実施している地点でもある。
国交省、騒音測定局の増設(川崎市立殿町小)を公表
国交省は3月31日、川崎市(川崎市立殿町小学校)に測定局を新設し、23年4月1日より騒音測定を開始することを公表した。
新飛行経路につきましては、騒音測定局を設置し、常時騒音状況を測定しておりますが、今般、地域からの要望を踏まえ、住宅地への騒音影響を詳細に把握し、住民の皆様に丁寧な情報提供を行うため、新たに川崎市立殿町小学校に騒音測定局を設置し、令和5年4月1日(土)より騒音測定を開始することといたします。
「地域からの要望」とは、2020年3月26日に川崎市長が大田区長とともに赤羽国土交通大臣あてに提出した要望書のことを指している。
同要望書には次のように記されていた。
3 騒音測定局の増設
新飛行経路の運用に伴い、騒音測定局を殿町小学校から殿町国際戦略特区内の国立医薬品食品衛生研究所に移設することとされているが、住宅地への騒音影響を詳細に把握し、市民への丁寧な情報提供を行うために、これまで騒音測定を行ってきた殿町小学校において、引き続き、騒音測定を実施するとともに、その測定値等を市民に対し、随時情報提供すること。
ちなみに、今回の騒音測定局の増設は、国交省東京航空局による一般競争入札案件。3社の応札に対して、神奈川県内にあるの電気工事業者の株式会社ジェイ・ティー・エヌ(従業員数23名)が22年10月25日、315万円で落札している(落札率88.3%)。詳細は、「航空機騒音測定局1式及びその他機器設置工事」参照。
神奈川県の”なんちゃって騒音測定”を補完!?
国交省が今回騒音測定を開始する殿町小学校は、神奈川県が20年度から年4回・2週間程度、騒音測定を実施している6か所のひとつ。
神奈川県の測定結果は県のホームページで公表されているが、測定時期が不定期かつ不十分。「一応、測定しておきました」みたいな状況である、と筆者は理解している。
たとえば、先月公表された「令和4年度第三期(令和4年10月から11月)」のデータ。「10月から11月」と表示しておきながら、実際には11月の3日分しか測定されていない(次図)。
国交省が4月1日から測定を開始する殿町小学校のデータは、神奈川県が実施している”なんちゃって騒音測定”を補完することが期待される。