不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、不動産(マンション購入・賃貸)に係る分析記事を提供しているブログメディア


羽田新ルート|目黒区議会「21年第1回定例会」予算特別委員会(質疑応答)

目黒区議会「21年第1回定例会」予算特別委員会(3月18日)で、羽田新ルートに関して、斉藤優子議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約6千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

斉藤優子議員
斉藤優子議員(共産党、区議1期、会社経営、川村短大卒、51歳) 

斉藤:どのような危機感を感じているのか?

それでは羽田低空飛行についてお伺いいたします。
まず、都心上空が現在、どのような状況にあるのか、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。


昨年4月から米軍ヘリが航空違反のような可能性が高い飛行を繰り返しています。駒沢公園脇に飛行している米軍ヘリルートも確認されており、新宿の高層ビル群、代々木NTTドコモビル、東京都庁、東京スカイツリー、渋谷六本木周辺で最も高いビルよりも低い超低空飛行が常態化しています。


日本の航空法が定める最低安全高度は、飛行している位置から半径600m範囲内に周辺で最も高い障害物があった場合、障害物の高さから、さらに上の300m以内は飛行禁止とされています。

日米地位協定には、日本の法令に尊重義務も規定されています。

軍事アナリストのお1人は、米軍ヘリが低空で都心上空を飛び続ける理由は、羽田低空飛行の民間旅客機の着陸ルートが都心上空に新設されたこともあり、旅客機の航空路が交差しないように低く飛べるようにしておかなければならないためではないかと分析しています。

必要なときに、いつでも低く飛行できるようにするには完熟訓練といって、日本に着任したばかりのパイロット訓練には欠かせない飛行だと仰っていました。

米軍ヘリとは別に、米軍基地に配備されたオスプレイは、横田基地、習志野、千葉県の木更津、厚木基地と四角形に移動し、それぞれの基地へ移動するために羽田新ルートと交差し、羽田空港の上空も通過します

そこで問題となるのは1都9県にまたがる横田空域です。横田空域は地上から500m以上となっていて、米軍の訓練であれば、オスプレイが500m以下で飛ぶこともあります。羽田新ルートで飛ぶ旅客機が増えれば、騒音、落下物、事故などの危険性も高まります


都立の広尾病院の救急医療は最重要点医療の一つであり、渋谷、目黒、品川、港など、東京都の区域に加えて、伊豆諸島、小笠原諸島からの重症救急に対応しています。

特に、離島救急については、広尾病院では年間200件を超える航空機搬送を受け入れています。広尾病院に勤務する医療従事者からは羽田新ルートについて、ドクターヘリと衝突する可能性があると指摘もあります。


日本では記憶に新しいのが12月4日の那覇空港を出発した東京行きの日本航空機が離陸してからしばらくして左エンジンを損傷。那覇空港に引き返し、滑走路に緊急着陸をしました。2つあるうちの1つのエンジンで着陸を余儀なくされ、揺れや降下で機内には動揺が広がったと言います。


海外では現地時間2月20日に米国コロラド州のデンバー国際空港発米国ハワイ州ホノルル行きのユナイテッド航空328便ボーイング777型機が着陸直後、右側のエンジンに損傷が発生したために、デンバー国際空港に引き返し、その際、郊外の住宅地に複数の機体の破片が落下するという事故・事案が発生しました。テレビでも大きく取り上げられたので、目にした方は多いと思います。


2月22日には、オランダではボーイング747-400の型の貨物機が離陸直後、エンジン部品が落下しまして、1人怪我をしたほか、車が破損したという報道もありました。


ユナイテッド航空機の事故を受けて、港区は国交省に対し3月1日、原因究明、また再発防止、区民への丁寧な説明、情報提供、落下物対策総合パッケージのより実効性の高い防止策を検討、新ルートの分散化、海上など様々な運用を早急かつ具体的に検討せよ、と要請を行いました。


また、同様に品川区でも3月10日に国交省に要請を行っています。

港区区議会では3月、国宛に全会一致で、羽田空港機能強化に係る安全対策の強化、新ルートの固定化回避を求める意見書が提出されました。


東京上空は羽田新ルートができたことで、羽田低空飛行に加え、米軍ヘリなど危険度が増すという結果になっています。


以上を踏まえて質問します。
目黒区ではこのような東京上空の状況につきましては、どのような危機感を感じているのか、伺います。


2点目。港区、品川区と同様に、区民の暮らしと命を守る立場から、国交省に対して要請すべきではないか、伺います。


3点目、駒場3丁目、青葉台4丁目は山手通りから少し入ったところにありますので、意外と静かな住宅街です。静かな住宅街だからこそ、羽田の新ルートは旅客機が住宅内に非常に音が響きますので、止めてほしいという声が私の所に多く寄せられてきました。


怒りをもって訴える方も増えてきています。
羽田新ルートの撤回を求める住民訴訟にも参加したいという方も出てきています。


駒場3丁目、青葉台4丁目は高齢の方も多く住むエリアです。区民の命と健康を守るために、騒音と健康の因果関係を調べる上でもデータは大変重要です。
音の騒音だけではなく部屋の中にいても、音というより振動で体調を崩す低周波についても測定が必要だと考えています。


コロナで1年間、インバウンド需要がほとんどなくなっているにも関わらず、羽田新ルートを使って羽田空港に着陸する旅客機も減るどころか、強い北風が吹いていない時以外は継続的に飛行している状況です。

これから非常に午後は南風が吹く状況に変わっていく状況を踏まえまして、まず、区が独自で騒音測定器を設置し、データを収集していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。


最後、4点目。
駒場3丁目の区民の方から「第5次オープン説明会で聞いた話と違うルートを飛行している」ということで、「ぜひ説明をしてほしい」という声が何人かから私の所にありました。

区民の声に答え、国交省に住民に対し説明会を開催するように要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。以上です。

環境保全課長
環境保全課長

環境保全課長:1件も懸念の声ですとかは受けていない

4点にわたるお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず、目黒区としての危機感をどう思っているかという点でございますけれども、お尋ねの米軍ヘリによる都心上空の低空飛行については、新聞報道等で承知をしておりますけれども、米軍ヘリの運用については、羽田空港の新飛行経路の運用とは全く別の問題であると承知をしているところでございます。


危機感ってことですけれども、環境保全課、あるいは区民の声課に昨日時点で確認をしておりますけども、1件も懸念の声ですとかは受けていないという状況でございます。


それから要請についてということでございますけど、先ほどご指摘いただいた品川区や港区、こちらについても羽田新飛行経路の運用についての要請というふうに受け止めておりましております。

本区としては、日本時間2月21日にボーイング777型機の件で、国の対応については即時、その同型機、同型のエンジンを積んだ飛行機については運行停止してるですとか、すぐにプレス発表してるという対応については適切であったというふうに考えておりますので、現時点で区として要請するという考えは持っていないというところでございます。


それから3点目(何でしたっけと臨席の部長に確認)、騒音測定局でございます。失礼しました。
田道小学校の屋上にいま固定局を設置をしておりまして、騒音測定をしておりますが、1dBほど上回ることがあるんですけれども、懸念があるというほどの状況ではないことは、毎月の測定結果の公表で確認をしておりますので、新たに区で測定局を設けていくという考えは持っていないということでございます。


説明会につきましては、国と東京都、それから関係区市連絡会・分科会などで、様々な情報を頂いてますので、特に新たに国に対して説明会を求めていくという考えは、いま時点で持っていないということでございます。以上です。

斉藤:もっと危機感をもって独自に判断していくべき

再質問をさせていただきます。
ちょっと先に、ちょっと順番前後してしまうんですけども、先ほど4番の区民に対する説明会なんですけれども、区がいくら情報収集しても、区民に対して説明をしなければ、何か区がホームページで発表しているわけではありませんから、区民がそれを知ることができないわけです。

だから区民が要望しているのであれば、それはするべきではないかという質問です。再度そのことについてお答えいただきたいと思います。


始めの方に戻りますけれども、ボーイング747型機の世界最高の飛行時間を持つ元JALのパイロットの方は、「コロナで大幅な減便を余儀なくされ、月に1、2回の乗務で技量維持が困難になってきてる」という指摘があります。


航空機が空港に近づく際に、機体が不安定にある事例が2020年には急増しました。日本でも直近、今年2月の成田空港で着陸の際、尻餅事故も起きています。直近の数年だけでも、ボーイング737MAXの2件の墜落事故を始め、世界では離着陸の事故が絶えません。新ルートを経験して、これまでの海上ルートに比べ、強い横風と乱気流に悩まされているという事態が浮き彫りになってきてるようです、と仰っています。


いくらフライトシュミレーターで練習すればいいといっても、刻々と変化する横風や乱気流を具現化できないと、フライトシュミレーターでは具現化できないと、元JALのパイロットの方は仰っています。


区としても、区民の命を守る基礎自治体として、もっと危機感をもって独自に判断していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。以上の2点です。

環境清掃部長
環境清掃部長

環境清掃部長:国の立場で区民の皆さんにしっかりと情報提供していただく

第1点目の説明会の要望ということでございますけれども、これは以前からお話ししてますように、全く新たな事情があれば、そういったこともあるかと思いますが、これまでも国のほうではオープンハウス型の説明会等を行ってますし、それから、地元である一定程度以上の方々から声があった場合には、実際に田道のほうでも説明会等を行っております。あっ、(田道ではなく)三田ですね、説明会等も行なっております。


そのようなことから考えますと、それから先日も、区民の皆さんに対して、今回の運行関係についてのビラも配布されております

そのような形で国のほうとしては、様々な説明を尽くしておりますので、今私どものほうから、区のほうから国に対して説明会をしてくれといったような要望出すことまでは考えてはおりません

それから2点目の、たしかに元パイロットの方が様々なご意見を出されているということは当然承知しております。それに対しまして国のほうでは、一つ一つ、それは実はこうなんだといったような形で、今の現在の運行の方法について十分な安全性があるといったようなことについても、国のほうから説明を受けてるところございます。


そんなことを考えますと私どもと致しましては、やはりこれまで通り、今、関係区のほうで設置しております分科会のほうで、十分な意見を述べ、その場で国からも十分な説明を受け、それを国の立場で区民の皆さんにしっかりと情報提供していただくと、そういう形で、今後も対応してまいりたいというふうに考えております。以上です。

斉藤:固定化回避をせよ、と要望すべきではないか

先ほど質問、一つ忘れてしまったんですけれども、区に対して、苦情が区民の声課とかに苦情がないということですけれども、区に声が集まらないのは当然でして、これは国交省とか東京都の方に苦情が行く案件だと思いますので、そういった国とか東京都に対して、どのくらいそういった声が来てるのか、目黒から来てるのかっていうふうなことは把握してるかどうか、1点伺いたいと思います。


もう一つ最後に、これまで私は国交省に対しての、対政府交渉の場に参加してきました。昨日、第3回の「羽田新ルートの固定化回避に係る技術的方策検討会」が開催されました。この検討会の座長を務める東工大の副学長は従来の海上ルートからの増便は可能であるという論文を発表しているにも関わらず、その論文を全く検討せずに技術的方策検討会の議論をしています。


福島の原発事故では、東京電力はいくつもの原発が爆発するという事故を想定していなかったために対応が後手後手となりました。

危機管理というのは、最悪の事態が発生しても対応できるようにしておかなければなりません。私達は過酷事故を起こさないためにも、羽田新ルート撤回・中止を求め続けてきています

基礎自治体として、この目黒上空で過酷事故が起こった場合、危機管理マニュアルもない中で、誰が責任を取るということなのでしょうか。

また、たった2%の新ルートに関して、たった2%の増便であれば、従来通り、海上ルートは可能というふうなことを区でもしっかりと認識した上で、固定化回避をせよ、と要望すべきではないかと考えますが、もう一度伺いたいと思います。よろしくお願いします。

青木英二 目黒区長
青木英二 目黒区長(5期、慶応経済卒、元区議⇒都議、65歳)

区長:共産党のお考え、いま私も拝聴いたしました

航空行政は第一義的に国としてきちんとやるべき課題だというふうに思います。いま縷々お話しされたのは、共産党のお考え、いま私も拝聴いたしました

必要であれば、課長、部長も申し上げたように、私ども参加している分科会で目黒区としてキチンと申し上げていくということは、言うまでもないことでございます。以上です。

環境清掃部長:区民からの苦情というもの、もうほぼない

1点目の苦情の件数等ですけれども、こちらも分科会の場で毎回、国には何件、都には何件といった情報提供を出されております。

ただ、なかには当然なんですが、どこの誰とかというようなことは名乗らない方も当然いらっしゃいますので、目黒区から何件といったようなことまでは分からない状態です。


それから、以前これも都市環境委員会で、逐次私ども報告しておりますが、目黒区の区のほうに対して、区民からの苦情というもの、もうほぼないくらいの状態にまできております。国に対しても都に対しても、苦情というものは極めて減ってきております。

そういったような形で、数が区に来るわけはないということでは決してなくて、都、国に対してもう、関係する区民、市民の皆さんからの苦情がもう減っているということは確認できてるところでございます。私からは以上です。

★雑感★(ゼロ回答…)

目黒区議会定例会でこれまで、羽田新ルート問題を取り上げているのは斉藤優子議員(共産党)だけ。孤軍奮闘されていることに敬意を表したい。

これまでも、また今回も、役所からはゼロ回答。斉藤議員の意見を最初から全否定しているような環境保全課長と清掃部長の姿勢がとっても気になる

たとえば、米軍ヘリに係る課長の発言。

米軍ヘリの運用については、羽田空港の新飛行経路の運用とは全く別の問題であると承知をしているところでございます。

なぜ、全く別の問題だと言い切れるのか。少なくともその理由を示すべきだろう。

また、騒音に係る課長の発言。

田道小学校の屋上にいま固定局を設置をしておりまして、騒音測定をしておりますが、1dBほど上回ることがあるんですけれども、懸念があるというほどの状況ではないことは、毎月の測定結果の公表で確認をしておりますので、(略)

国交省が定期的に公表している騒音測定結果のうち、南風運用が多かった昨年8月の田道小学校の騒音レベルを見てみよう。

たしかに国交省が「説明会等でお示した推計平均値」のうち中型機71~69dBに対して、実測値の平均値は72.0dBだから(次図)、課長の言うように「1dBほど上回ることがある」という説明は間違っているわけではない。

説明会等でお示した推計平均値


でも、そもそも推計の「平均値」であることさえ説明せずに「1dBほど上回る」という物言いは問題を矮小化している。田道小学校の最大騒音レベルは70dBを軽く超え、最もひどいときは76dBである(次図)。これが小学校にふさわしい騒音環境といえるのだろうか。

田道小学校の騒音


課長も酷ければ、その上司である部長も酷い。

それから先日も、区民の皆さんに対して、今回の運行関係についてのビラも配布されております。

そのような形で国のほうとしては、様々な説明を尽くしておりますので、(略)

部長がいうビラとは、国交省が20年12月~21年2月にかけて羽田新ルートが通過する自治体の住民に配布したチラシのことを指している。国交省として”丁寧な説明”をしたという実績作りのためのチラシである。国交省が言いたいことはたくさん書かれているが、市民が知りたいと思うことや、市民に知らせるべきことが必ずしも書かれていない。

あわせて読みたい

2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.