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羽田新ルート|参院「外交防衛委員会」大塚議員(国民)

第204回 国会参議院「外交防衛委員会」(21年3月26日)において、大塚耕平議員(国民)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

会議録をもとに、テキスト化(約3千800文字)しておいた。

※「国会会議録検索システム」を使って「羽田新ルート」で検索してみたところ、大塚耕平議員(国民)の質疑応答の記事が抜けていたので作成した(23年4月29日)。


質疑応答のポイント

大塚耕平議員
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
大塚耕平 参議院議員
(国民民主党、4期、早大卒・博士、元日銀、61歳)

大塚:実際に何便飛んだか?

一昨日の本会議とその前の委員会で羽田新ルートのことをちょっと取り上げさせていただいて、国交大臣も本会議では問題意識共有していただいているという御答弁いただいたので、いいことだと思うんですが、両大臣にも、もう1回ここで取り上げさせていただいて、認識だけ共有させていただきたいと思います。


今日は、国交省においでいただいているんですけれども、この羽田新ルート、去年の3月29日以降、実際に何便飛んだかというのを御回答をお願いします。

鶴田浩久(審議官):(21年)2月末までの間、A滑走路・・・

鶴田浩久(審議官)
国土交通委員会(23年3月9日)より
鶴田浩久 局航空ネットワーク部長(90年運輸省入省、東大法卒)

羽田空港におきましては、御指摘ありました昨年の3月29日から、南風時、北風時、それぞれに新しい飛行経路運用しておりまして、南風時の新飛行経路は、午後の15時から19時のうち3時間程度……(発言する者あり)はい。


今年の2月まで、2月末までの間ですけれども、南風時にA滑走路、C滑走路に空港の北側から着陸する経路で7901便、それから、南風時にB滑走路から空港の南西側に離陸する経路で3629便、それから、北風時にC滑走路から空港の北側に離陸する経路で1万8855便、それぞれ飛行してございます。

大塚:降下率警報とかシンクレートとか?

相当便数が減っている中でもこれだけの便が飛んで、安全に操縦をしていただいているパイロットや航空会社の皆さんには、また空港管制官の皆さんには敬意を表しますが、それだけの数飛んでいるんですよ。


それで、その間に降下率警報とかシンクレートとか異常接近のテレインとかゴーアラウンドとか、そういう事例というのはあったって聞いておられますか、もし今御存じであれば。なければないでいいですし、そういう情報が今手元になければないとお答えいただければ結構なんですが。

鶴田:今、数値手元に持ち合わせてございません

今、数値手元に持ち合わせてございません。

大塚:中野から3.77度で入っているのが大半というふうな理解?

1度調べて、是非そこは確認をさせてください。

その上で、この間、両大臣にお話ししましたが、航空会社の中の、この羽田新ルートを使うに当たってのパイロット等への説明の文書、もう1回読みます。

今度は最初から航空会社の内部用語ではない形で読ませていただくと、最終降下開始地点である中野に3800フィート以上という制限が付されていると。最終降下開始地点から滑走路末端へ直線で結ぶと約3.45度の降下角となることから、最終降下開始地点以降の降下角度が3.45度の広域航法進入となっていると。この間もこれ同じことを申し上げたんです。


これ、実はその頭にもう1節あって、これ読まなかったんですが、何て書いてあるかと。横田空域内のトラフィックと垂直間隔を確保する必要があるためと、もうはっきり書いてあるんですよ。


だから、今日はミサイルの話も出ていますけれども、隣国がああいうふうであるということになると、在日米軍の必要性については多くの国民の皆さんも理解が進んでいると思いますので、可能な範囲でやはり正確な情報を国民の皆さんにお伝えする必要があるということをこの間も申し上げたわけであります。


更に申し上げると、国交省の審議官、鶴田さんにおいでいただいているんですが、実際は、大井町のところから3.0度、つまり通常の降下角で進入して、そこまでは中野から3.77度で入っているのが大半というふうな理解になっていませんか、国交省としては。これも、この時点で御認識がなければちょっとよく分かりませんで全然結構なんですが。

鶴田:3.45度よりも急な角度で降りて、最後3.0度で降りるという方式も可能

降下の角度に関しましては、3.45度で降りてくるものに加えまして、その3.45度よりも急な角度で降りて、最後3.0度で降りるという方式も可能となってございます。

大塚:ILSをちゃんと使っていますか?

この議論が始まったときの国交省の作った文書に、3.45度にするけど、もう1つ、3.77度で中野から入って大井町で3.0度にして入るという、こういう解説もしていて、どうも私がお伺いした限りではそういう入り方をしている航空機が多いんじゃないかと。


つまり、最終局面では3.0度で入らないとやっぱりちょっとやばいなと思ってどうも運用しておられるような気がするので。これも、国交省さんにはまたちょっと確認して、1度教えていただきたいと思います。


あと、もう1個だけ。
計器着陸装置ですね、ILS。ILSをちゃんと使っていますか、パイロットもみんな。これも、御存じなければ御存じないで結構です。

鶴田:悪天候時におきましては、ILSで着陸する

お答え申し上げます。
悪天候時におきましては、ILSで着陸するということになってございます。

大塚:万が一のことがあって、結局駐留米軍に対する国民感情を害することにならないようにするべき

少なくとも去年の運用開始時には、ILSは3.0度対応しかしていないんですよ。だから、大井町まで無理に降りてきて、大井町から3.0度のILS、計器着陸で誘導されているんですね。だから、3.45度というふうに国交省決めたけれども、ILSはそれに対応していないんですよ。ここも確認して御報告いただけますか。いいですか。


ということで、本会議では国交大臣が問題意識共有して検討しているというふうにお答えくださったのでいい方向だと思うんですが、騒音対策というお話もありましたが、騒音のテストも、実際計測してみたら余り大して効果はなかったと。それから、追い風の北風のときに検査して、試験していますので、追い風だとエンジン出力下がるんですよ。夏場だと多分もっとぐっと上がるとかですね。


いろんなことがあって、やはり導入した経緯にいろいろ問題点があったと思いますので、やはりここはちょっと一歩立ち止まって検証して、是正すべき点があれば是正をし、これは安全保障上の観点からこの議論をさせていただいているので、万が一のことがあって、結局駐留米軍に対する国民感情を害することにならないようにするべきだということをもう1回申し上げます。


以上申し上げた上で、両大臣にそれぞれ所見をお伺いしたいと思います。どちらからでも結構です。

岸防衛大臣:民航機の運用に係る部分は国交省にお尋ねをいただきたい

岸信夫 防衛大臣
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
岸信夫 防衛大臣
(自民党、衆院3期・参院2期、元住商社員、幼稚舎⇒慶応経済卒、61歳)

民航機の運用についてはやはり国交省が所管だと考えておりますけれども、おっしゃられるように、その運用は住民の安全、安心につながると、こういう部分もあると思います。しっかり検討されるべき課題ではないかなというふうに思います。


新経路については、防衛省としても、これまでも関係省庁とも協力して、また米側とも必要な調整を行って、運用が昨年の3月から開始されたものでございます。


防衛省も関係省庁の1つで、安全保障や日米同盟の抑止力の維持という観点も踏まえつつ、自衛隊の運用との関係といった点を中心にしかるべく協力をしてきたわけでございますけれども、いずれにしても、その進入角度の件については、民航機の運用に係る部分は国交省にお尋ねをいただきたいと、このように考えております。

茂木外務大臣:新経路及び降下角につきましては国交省において所管

茂木外務大臣
Photo by 首相官邸.CC BY 4.0.
茂木敏充 外務大臣
(自民党、10期、元マッキンゼー社員、東大経済卒、65歳)

新経路及び降下角につきましては国交省において所管として適切に対応していただきたいと思っておりますが、いずれにしても、安全対策、これが最優先でありまして、同時に騒音の問題も重要だと考えております。


ちなみに、立ったついでと言うとあれですけど、先ほど来ゲームチェンジャーの話が出ているんですが、ゲームチェンジャーって三つのレベルがありまして、一つが、先ほど言ったような自律型致死兵器であったり、昔でいえば、青銅器から鉄器に代わるとか長篠の戦いで鉄砲が出てくるという、こういったものが一つの狭義のゲームチェンジャーなんですね。


次は、例えば国家主体であったりとか、一つのゲームでいうと、シドニー・オリンピックで、マラソンで高橋尚子の走り方ってまさにゲームチェンジャーと言われたわけですね。

更に大きなゲームチェンジャーというのは環境でありまして、例えば氷河期に入る、それによって闊歩していた恐竜の時代から哺乳類の時代に入る。こういう三つのレベルのゲームチェンジャーというのがあるんだと思います。

大塚:パイロット頼みでは駄目

もうこれで終わりにしますが、香港返還前に、香港啓徳空港でしたかね、私も使ったことありますけど、アパート群の間を降りるやつですね、あれも相当怖かったですけど、あれ3.1度なんですよ、3.1度、降下角。


さっき申し上げたように、中野から3.77度で大井町まで降りてくるというその中で、航空便が減っている中でもトータルで2万回ぐらいですか、安全に操縦してくれているパイロットに本当に返す返す敬意を表しますが、パイロットのせいにしちゃ駄目ですよね。パイロット頼みでは駄目なので、国交省におかれてもしっかり対応していただきたいと思います。
以上です。

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