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羽田新ルート|目黒区議会「20年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

目黒区議会「20年第3回定例会」決算特別委員会(9月25日)で、羽田新ルートに関して、斉藤優子議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約4千500文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

斉藤優子議員
斉藤優子議員(共産党、区議1期、会社経営、川村短大卒、51歳) 

斉藤:区独自で測定器を設置するべき

残17分を残して質疑終わりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
成果報告書と報告書の310ページの羽田新ルートによる騒音について伺います。

3月29日から本格実施となった羽田新ルートの騒音について、次々と声が寄せられています。

  • 駒場3丁目では、「オープン説明会で聞いたルートと違う」「飛行機が大きくてうるさい」「家の上空を飛ぶルートを撤回してほしい」
  • 青葉台4丁目では、「テレワークで在宅中、新型コロナ対策で換気のために窓を開けているとうるさくて会議にならない」
  • 青葉台3丁目では、「騒音が最悪」「地価の下落も気になる」「新ルートを撤回してほしい」
  • 上目黒1丁目では、「ただでさえ、車の騒音でうるさいのに、飛行機も加わって、さらにうるさい。やめてほしい」といった様々な声を聞きました。


気温が上がる夏は、空気の密度が低下し、航空機のエンジン出力も低下するため、パイロットはスラストレバーを出してエンジンを吹かさなければなりません。

今年7月は雨が多く、それほど気温が上がりませんでした。8月は猛暑が続き、空気の密度が低下するため高度を上げて、さらに急角度から着陸しなければなりません。国交省の職員も降下角度が上がれば騒音が10%上がると認めています


国交省のホームページには田道小学校に設置されている騒音測定器で測った7月の速報値が掲載され、平均71.2dBとなっていますが、8月は猛暑だったため、10%加算すると78 dBを超えます。
※筆者注:国交省8月速報値は、平均71.6dBだった。7月とあまり変わらず。


2018年に改訂されたWHOの「環境騒音ガイドライン」では、科学的知見に基づき、これ以上騒音の中で過ごすと健康に影響がありますよという勧告値を示しました。
道路の騒音は53dB、飛行機騒音は45dB、鉄道騒音は54dBとなっています。
※筆者注:飛行機騒音は45dBとあるのは、最大騒音レベルではなく、Lden(時間帯補正等価騒音レベル)表示。


また、夜間は睡眠障害とも関連するので、さらに低い厳しい基準が示されました。しかし日本ではWHOの「環境騒音ガイドライン」改訂の科学的知見を無視した50年前の知見の数値のままになっています。そのため、日本の環境基準では道路騒音は70dB、飛行機騒音は62から75dBで、夜間の基準が道路騒音しか示されておらず、夜間の飛行機騒音による健康影響はないとなっています。
しかし、誰もが体感として夜間の方が、車も飛行機もうるさく感じるのではないでしょうか。


日本で30年以上騒音について研究を行っている第一任者である北海道大学衛生工学の松井利仁教授は、「騒音による健康への影響が不快を感じるところから始まり、睡眠障害、脳卒中、ガンなど、精神病を引き起こす原因ともなっています。しかし、一番影響を受けるのは子供たちです。子供たちは、睡眠時間が長いため、睡眠障害を受けやすい。赤ちゃんは耳を塞げない。成長ホルモンの分泌が抑えられる子供が騒音が大きい環境で育つと、言語の発達が遅れる可能性があります」とおっしゃっていました。


先日の都市環境委員会では、騒音測定器の設置について、区独自でやるつもりはないと答弁をされましたけれども、子供たちに与える騒音の影響を考えると、田道小学校、追加で大鳥中学校以外にもルートに近い小中学校や保育園、幼稚園はたくさんあります。区民の健康と命を守るために、客観的データの集積は大切です。
さらに国に対し、騒音測定器設置を求めていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。


また、品川では独自に騒音測定器を2台、港区では独自に5台設置しています。設置に時間がかかりそうな場合は飛行ルートによる影響のある区民の命を守るため、子どもたちの成長や健康を守るために先行して、区独自で測定器を設置するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。以上です。

環境保全課長
環境保全課長

課長:新たに設置する必要はない

それでは、只今のご質問にお答え申し上げます。

羽田の新飛行ルートにおける新たな騒音測定器の設置について、ということでございます。羽田空港の新飛行経路につきましては、本年3月29日から運航開始したところでございます。


騒音測定の結果につきましては、都市環境委員会で適宜情報提供させて頂いております。委員のご質疑にありましたとおり、本区においては田道小学校において固定局としての測定を行っておりまして、その結果を申し上げますと、中型機のみ5月で1dB、6月で0.7dBほど、69から71dBの推計平均値を上回っているところでございます。
なお、小型機、大型機は、推計平均値の範囲内ということでございました。


7月でございましたか、国から短期測定局の設置について打診がありまして、教育委員会とも調整を進めた結果、大鳥中学校で短期測定を9月下旬から10月上旬にかけて2週間の期間で実施することとなりました。こちらについては9月10日に開催された都市環境委員会で情報提供を行った上で、区のホームページにもご案内しております。


新たな測定局の設置についてでございますが、田道小学校の屋上は国が騒音測定の可否、また機器設置の可否、両面から様々精査した結果、道路や電車の騒音との関係から適地とされたものと認識をしております。


国土交通省からは、実機飛行確認、及び3月29日以降の運航における騒音測定の結果について情報提供を受けておりますけれども、これまで騒音測定について、田道小学校の測定局に何らかの問題があったという報告はないということから、固定局としての測定は新たに設置する必要はないというふうに認識するとこでございます。以上です。

斉藤:早急に騒音測定の設置を検討するべき

新たに設置する必要はないということですけど、区民の皆さんの声、是非とも聞いていただければと思います。


また、本格運用といっても、コロナの影響で、海外の航空便、航空機は9割も減便している中にあっても、品川区のタワーマンション、また、港区の億ションのタワマンなどからも引っ越しが始まってると聞きました。騒音も歳入が減っていく要因になり得ると感じました。


品川区では10月4日から30日間、羽田新ルートを巡って、「羽田新飛行ルート運用の賛否を問う品川区民投票」が行われます。東京地裁では9月28日、羽田新ルートの撤回を求める住民訴訟の第1回の口頭弁論が始まります。

本区でも、国に対してきちんと申しているとしても、騒音や落下物に対し、不満を抱く区民に目に見える形で対応していかなければ、何もやってないと思われても仕方がないと思います。


区民の健康と命、区内の保育園、幼稚園に通う子供たちを守る立場で早急に騒音測定の設置を検討するべきだと思いますが、もう一度伺います。

課長:現時点でその予定は必要はない

再度のご質問でございますが、国では新飛行経路下の騒音について、よりきめ細かな把握を行うために短期測定局を設置し、その結果を公表するとしております。
少しでも飛行機飛行経路下の住民の方の不安の払拭につなげたいという、そういった思いで実施するというに伺っております。


区としては、11月に予定している騒音測定結果の公表、こちらも注意するとともに、区民の皆様にもお知らせしてまいりたいと考えております。


繰り返しの答弁で恐縮でございますが、区独自の騒音測定局の設置については、現時点でその予定は必要はないというふうに考えております。以上でございます。

斉藤:騒音に対する区民の健康をどのように思っているのか

そうしますと区としては、騒音に対する区民の健康をどのように思っているのか、伺います。

環境清掃部長
環境清掃部長

【部長】:実際にそれで、どんな健康の被害が出てるのか

再々質問ですけれども、当然なんですが、私の方には他の会派の方からも、特に実際の航空機が飛ぶようになってから、同じような形で、心配があるんだと言ったような声は当然聞いてるところではございます。

ただ、私ども区のほうに実際に入ってきているそういった苦情については、最近、本当にほとんどないというぐらいまでも減っているんですね。


それで、これちょっと若干観点を変えて、ちょっとご紹介したいんですが、航空機の音ですけれども、いま先ほど委員も、実際の話になられたように、いま測定している数字、71dBをやや超えるというな数字です。これは、区内の幹線道路、山手通りとか、246(国道246号)といったような、そういう幹線道路ですと70から80というdBの騒音が出ております。それからまた、当然、線路の近くであれば、さらに大きな音が出ているという実態がございます。


それで、これまでも区のほうに、騒音に関する公害の相談ということで、様々な苦情等が来ております。

その様々な公害相談の中でも、騒音・振動というのは非常に多いんです。その中で多いのは解体、建物の解体とか、あと、日常生活の小さな音が響くといったこととか、そういうのが多くて、実際、道路の音、78、80とかって、航空機よりも大きい音が出てるわけですけれども、そういうのに対する交通系っていうんでしょうか、の苦情というのは決して全体の比率の中では多いものではないんですね。


やはり、そうゆう、私は、だからといって道路の騒音があってもいいとかってことを当然申し上げるつもりもございませんし、航空機騒音もだからといって、いいとはいっているわけではございません。


区民の皆さんの平穏な生活を維持するためには当然、騒音は少ない方がいいわけではございますが、実際に今の生活の中でどの程度の騒音がどこでどう発生していて、それを皆さんがどう受け止めているのか

実際にそれで、どんな健康の被害が出てるのか、というようなこともあり、それは十分客観的なものとして捉えていただく必要があるんだろう、というふうに考えています。


そのようには私は申し上げはいたしましたけれども、今後、コロナ禍が治れば、やはり当初予定した通りの形での航空機の便数が増えてくんだろうと、当然のことだと思います。

そうする中で、もしも新たな状況が生まれてくるようなことがあれば、それはこれまでも区長も答弁申し上げている通り、新たな状況が出れば、国に対して、より効果のある積極的な対応を求めていく。そのことはしっかりやってまいりたいというふうに考えてるところでございます。私からは以上です。

★雑感★(部長答弁は炎上レベルなのだが…)

目黒区議会、23区で最も透明性に欠ける区議会のひとつ

目黒区の区議さんから、「私が決算特別委員会で、総括質疑ではありませんが、環境保全課の款で質疑しました」とアピールするツイートを頂戴した。

目黒区議会は一般質問項目に係る事前公開もなければ、事後報告もない、23区で最も透明性に欠ける区議会のひとつ。誰がいつ、どのような質問をしたのかは、録画のページをひも解いて、ようやくわかる建付けとなっている。

せっかく区議さんから情報を頂戴したので、書き起こしをした次第。

部長答弁は炎上レベルなのだが…

それにしても、一般質問でないとはいえ、区議会によってこんなにも違うものなのか。

というのは、新宿区議会の決算特別委員会では、区議と課長が丁々発止のやり取りを見せている一方、目黒区の決算特別委員会では、区議と課長が原稿の棒読み合戦をしているのである。再々質問に対する課長の繰り返し答弁ではマズイと思ったのか、部長が登壇。なんだか子供のケンカに親が登場したみたいな。

それにしても、上手く収めようとした部長が、飛行騒音の苦情は最近ほとんどないし、道路騒音や鉄道騒音に比べて、目黒区の飛行騒音は大したことないでしょ的な答弁はいただけない。本来であれば、この部長答弁は炎上してもおかしくないレベルなのだが、区議会の透明性が低いがゆえに、多くの区民はそのような状況を知るよしもない。

斉藤議員には、反論してほしかった……。

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