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質問主意書(避難所における新型コロナ対応)

第201回国会(20年1月20日~6月17日)の衆議院の質問主意書210件(5月28日現在)のなかに、199番目として 避難所における新型コロナ対応に係る次の質問主意書が埋もれている。

丸山穂高 衆議院議員(N国党)が5月15日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成しておいた。
※以下長文。時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

丸山穂高 衆議院議員
丸山穂高 衆議院議員(3期、N国党、元経産官僚、東大経済卒、36歳)

新型コロナウイルス感染症が流行している状況において災害が発生し避難所を開設する場合には、感染症対策に万全を期すことが重要である。そこで以下、質問する。

問1:新型コロナ対応、どの程度の災害を想定しているのか?

内閣府が各都道府県等に対し発出した「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について」(令和2年4月1日付け)、「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」(令和2年4月7日付け)及び「新型コロナウイルス感染症対策としての災害時の避難所としてのホテル・旅館等の活用に向けた準備について」(令和2年4月28日付け)(以下、「通知等」という。)における「災害」は、どの程度の災害を想定しているのか

答1:災害対策基本法第2条第1号に規定する災害を想定している

お尋ねについては、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第2条第1号に規定する災害を想定している。

※【以下、筆者注

災害対策基本法第2条(定義)第1号に規定する災害とは以下をいう。

  • 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。

政令で定める原因とは、災害対策基本法施行令第1条により以下とされている。

  • 第2条第1号の政令で定める原因は、放射性物質の大量の放出、多数の者の遭難を伴う船舶の沈没その他の大規模な事故とする。
問2:避難所運営、ガイドライン等の改定を検討?

避難所運営については、「避難所運営ガイドライン」、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」等が策定されているが、今般の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、これらのガイドライン等の改定を検討しているのか。

答2(&3):「避難所における新型コロナ・・・」等を発出

(後述)

問3:各自治体等に、具体的な助言等を行っていくのか?

避難所における「三密」を避けるため、避難所・避難生活学会人と防災未来センター全国ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)等の各団体によって、段ボールベッドやパーテーションの使用、十分なスペースの確保などの具体的な対策案が提示されているが、政府は、自治体等に1人当たりの利用面積や通路の幅等の具体的基準を示すことを検討しているのか


また、各自治体においては、まずは新型コロナウイルス感染症対策を講じた形で指定避難所における収容可能人数を算定し、その結果に基づいて指定避難所以外に開設する必要がある避難所の数、収容人数等を見積もる必要があると考えるが、各自治体等に対してこうした具体的な助言等を行っていくのか

答(2&)3:適切な助言を行う等必要な対応を行ってまいりたい

「避難所運営」及び「避難所における「三密」」に関するお尋ねについては、内閣府において、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、災害が発生した場合の避難所運営等に係る必要な留意事項として、都道府県等に対し、「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について」(令和2年4月1日付け府政防第779号・消防災第62号・健感発0401第1号内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(避難生活担当)、消防庁国民保護・防災部防災課長及び厚生労働省健康局結核感染症課長連名通知)等を発出したところである

引き続き、地方公共団体の意見を伺いながら、関係省庁と連携し、適切な助言を行う等必要な対応を行ってまいりたい

問4:避難所としてホテル・旅館等の活用、政府としてどのような支援?

通知等においては、市町村に避難所としてホテル・旅館等の活用を検討するよう求めているが、市町村において、その検討はどの程度進んでいるのか

これから本格的な出水期を迎えることからも、各市町村においては速やかに検討を終える必要があると考えるが、政府としてどのような支援を行っていくのか


また、ホテル・旅館等の民間施設を地方自治体が借り上げて避難所として開設する場合、各自治体が支払うこととなる借上げ費用、謝金等は、災害救助法による国庫負担の対象となるのか

今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応のため、ホテル・旅館等を借り上げて開設された避難所について、災害救助法による国庫負担の対象となった事例はあるか

答4:災害救助法が適用される場合、費用について定めることができる

お尋ねの「検討」の状況及び「支援」については、本年5月14日から15日にかけて内閣府が避難所における新型コロナウイルス感染症対策について報道がなされた市町村や近年災害を経験した市町村のうち、36市町村を対象として実施した調査によると、12市町村においてホテル・旅館等の活用を検討中であり、6市町村において今後検討する予定であると承知しており、引き続きホテル・旅館等の活用についての地方公共団体の検討状況を把握しつつ、より具体的な助言を行ってまいりたい。


また、「国庫負担」に関するお尋ねについては、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用される場合において、同法第18条第1項の規定により都道府県知事等が支弁した同法第4条の規定による救助に要する費用が、同法第21条第1項の規定に基づき国庫負担の対象となるところ、同法第4条第3項の規定に基づき定められた災害救助法施行令(昭和22年政令第225号)第3条の規定に基づき、都道府県知事等は救助の程度、方法及び期間として、ホテル・旅館等の使用に係る費用について定めることができる


なお、現時点において、御指摘の、各地方公共団体が新型コロナウイルス感染症拡大への対応のためにホテル・旅館等を借り上げて避難所が開設され、同法による国庫負担の対象となった事例はない

問5:国の研修施設等で避難所、提供可能な施設の数?

指定避難所以外の避難所の開設については、5月11日の参議院予算委員会において、武田防災担当大臣が、国の研修施設等で避難所に活用できるものを洗い出して自治体に提供できるような準備をしている旨を答弁しているが、提供可能な施設の数、具体的な施設名、各施設における収用可能人数等の情報を関係自治体に対して既に提供できているのか

まだ提供していない場合、いつまでに提供するのか。

答5:調査しているところ

「提供可能な施設」に関するお尋ねについては、各省庁において、所有する研修所、宿泊施設その他施設の貸出しが可能な施設があるかどうかを調査しているところであり、その上で、そのような施設がある場合には、関係する地方公共団体に対して、その施設の関係する情報を速やかにお示しすることとしている。

問6:プッシュ型での物資等の供給、見直す必要は?

政府は近年の災害においてはプッシュ型での物資等の供給を実施していると承知しているが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を行っている状況において、マスク、消毒液等の物資の確保や、発注から各避難所までの輸送の手順、流通体制等について、見直す必要はないのか

答6:適切に確保、輸送し、必要な支援に努めることとしている

「プッシュ型での物資等の供給」に関するお尋ねについては、大規模災害が発生した場合には、避難所における感染症対策を支援するために必要となるマスクや消毒液等の物資について、適切に確保、輸送し、必要な支援に努めることとしている

問7(前段):各機関・各自治体が備蓄から提供したマスク、消毒液等の数量?

今般の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、政府は、マスクや消毒液等の増産や円滑な供給に努めていると承知しているが、災害用に備蓄していたマスクを住民に配布している自治体もある

高齢者施設、社会福祉施設等へのマスク、消毒用アルコール等の備蓄の放出については、厚生労働省が本年3月12日及び13日に各都道府県等に対して事務連絡(「都道府県等におけるマスク・消毒用アルコール等の備蓄の積極的放出について(依頼)」)を発出したと承知しているが、政府は、国の各機関及び各自治体が備蓄から提供したマスク、消毒液等の数量を把握しているのか

答7(前段):各省庁から約250万枚マスク、都道府県等放出した数量随時把握

国の各機関が備蓄するマスクについては、医療機関等におけるマスクの備蓄が減少したことを受け、「各都道府県の医療機関などに対する各省庁の機関が保有するマスクの送付について」(令和2年3月10日付け厚生労働省医政局経済課事務連絡)により、厚生労働省から各省庁に対して、その備蓄するマスクを提供するよう依頼し、各省庁から提供された約250万枚のマスクを医療機関等に配布した。

なお、国の各機関が備蓄する消毒用アルコールについては、医療機関等に提供していない


また、都道府県等が備蓄するマスクや消毒用アルコールについては、社会福祉施設等において、マスク等の衛生用品の安定的な確保が困難な状況が生じたことから、「都道府県等におけるマスク・消毒用アルコール等の備蓄の積極的放出について(依頼)」(令和2年3月12日付け厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室、老健局高齢者支援課、老健局振興課及び老健局老人保健課事務連絡)及び「都道府県等におけるマスク・消毒用アルコール等の備蓄の積極的放出について(依頼)」(令和2年3月13日付け厚生労働省子ども家庭局総務課少子化総合対策室、子ども家庭局保育課、子ども家庭局家庭福祉課、子ども家庭局子育て支援課、子ども家庭局母子保健課、社会・援護局保護課、社会・援護局福祉基盤課、社会・援護局障害保健福祉部企画課及び社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課事務連絡)により、都道府県等に対して、その保有するマスクや消毒用アルコール等を社会福祉施設等に提供するようお願いするとともに、備蓄を放出した場合には、厚生労働省に随時報告するよう求めており、当該放出した数量については、随時把握している

問7(後段):各自治体における災害用の物資・資材の備蓄の状況を把握?

また、新型コロナウイルス感染症の流行が収束していない状況下で「南海トラフ地震」や「首都直下地震」等の大規模災害が発生した場合に、現在の生産・増産体制でマスクや消毒薬等の物資がどの程度不足すると分析しているのか。

政府として各自治体における災害用の物資・資材の備蓄の状況を把握しているのか。把握していない場合、今後、把握していく考えはあるのか。

各自治体等における物資・資材の備蓄について、具体的な品目、数量等の基準を策定し、周知していく必要はないのか。

答7(後段):把握している

「大規模災害が発生した場合」に「物資がどの程度不足すると分析しているのか」とのお尋ねについては、災害の種類や状況により被害が様々であることから、一概にお答えすることは困難である。


「各自治体における災害用の物資・資材の備蓄の状況」の「把握」に関するお尋ねについては、食料、日用品、防災資機材、燃料等の災害用物資・資材について、毎年4月1日現在の各都道府県及び市町村における備蓄の状況を調査し、把握している


「各自治体等における物資・資材の備蓄」の「基準」に関するお尋ねについては、「防災基本計画」(令和元年5月31日中央防災会議決定)において、「市町村は、指定避難所又はその近傍で地域完結型の備蓄施設を確保し、食料、飲料水、常備薬、炊き出し用具、毛布等避難生活に必要な物資等の備蓄に努める」こととしている。

雑感

豪雨災害や大規模震災の発生時に、避難所のコロナ対策がしっかりできているのか、気になるところだ。丸山議員の質問は、そんな国民の心配を代弁するようなタイムリーな質問である。

ただ、質疑応答の内容が役所の文書などを前提としているため、とっても判読しにくいのが難点だ。

政府答弁を一言でいえば、避難所における新型コロナ対応について政府は自治体関係者などに向けて文書を発信しているし、現状把握はキチンとできているということ。

政府答弁に安心していいのか? その実効性については、これから豪雨災害シーズンを迎え検証されることになる。

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