羽田新ルートに前のめりな慶応大の加藤一誠教授の発言を報じた日経新聞。
羽田新ルートに続き、第5滑走路増設計画を既定路線化させていこうという、国交省の作戦がはやくも展開し始めているのか……。
加藤教授「さらに5本目の滑走路ができればベストだ」
羽田新ルートに前のめりな加藤教授の発言を報じた日経新聞。
五輪で変革 東京を世界最高の都市へ
「新ルートは限られた選択肢の中で最良。さらに5本目の滑走路ができればベストだ」。慶応大の加藤一誠教授(交通経済)は解説する。(以下略)
(日経新聞 10月25日)
羽田新ルートならともかく、この時期に5本目の滑走路増設を持ち出した日経新聞。
5本目の滑走路増設の記事といえば、読売新聞が2か月前(8月22日)に報じている。
羽田滑走路 増設協議へ…都と国 機能強化へ5本目
東京都は、発着枠の不足が課題となっている羽田空港で5本目となる滑走路の増設に向け、国土交通省との本格的な協議に着手する方針を固めた。国際競争力向上のためには首都空港のさらなる機能強化が不可欠だと判断した。都は2040年代までの都政長期計画を20年東京五輪・パラリンピック後に策定する方針で近く公表するたたき台に盛り込む。(以下略)
(読売新聞 8月22日)
読売の記事は、都議会定例会(9月9日)の一般質問で取り上げられ、都は火消しに回っていた。
(佐藤伸朗 東京都技官の答弁)
次に、国との協議についてでございますが、都が滑走路の増設に向けて国と協議に着手する方針であるという事実はございません。
今後の協議につきましては、仮定の質問でございますのでお答えいたしかねます。
※詳しくは、「羽田新ルート|都議会「19年第3回定例会」質疑応答」参照。
羽田新ルートに続き、第5滑走路(E滑走路)増設計画を既定路線化させていこうという、国交省の作戦がはやくも展開し始めているのか……。
加藤教授は国交省の広告塔!?
慶応大の加藤一誠教授(交通経済)とは何者なのか?
じつは、加藤教授は、羽田新ルートの基本的な枠組みを作った「交通政策審議会航空分科会基本政策部会」の委員の1人。
過去には読売新聞(18年2月28日)の全面広告で、杉山愛とともに羽田新ルートをPRしている。
国の試算では、いま計画している羽田空港の増便で、年間約6,503億円の経済波及効果があり、約4.7万人の雇用増加が期待できるとしている。羽田空港の増便か急がれるのは、そのためだ。
加藤一誠教授は国交省の広告塔……。
第5滑走路増設の悪夢
現在進行中の羽田新ルート計画(年間3.9万回増便)はほんの序章に過ぎない。第5滑走路(E滑走路)の増設で国際線の発着枠はさらに年間13万回も増加するからである(次図)。
第5滑走路(E滑走路)着陸ルートが都心上空を通過することになると、騒音被害、落下物・墜落リスクの影響を受けるエリアはさらに拡大する。
↓ 紫色直線が第5滑走路着陸ルート(想定)
拡大図(PDF:383KB)
※詳しくは、「羽田新ルート|次は第5滑走路の増設!?」参照。
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