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羽田新ルート|なぜ品川区長選は盛り上がらない?

沖縄県知事選挙の動向は毎日メディアで報じられているが、同じ日に投票日を迎える品川区長選挙は全くといっていいほど報じられていない。

なぜ、品川区長選挙は盛り上がらないのか?
その理由を3つ考えてみた。



以下、詳しく説明しよう。

区長選挙に対する品川区民の関心は年々低下

過去の品川区長選挙の投票率はどのくらいだったのか?

都選挙管理委員会が公表している「区市町村長選挙投票率(統一分)」と比べてみよう。品川区のHPに掲載されている03年以降の品川区長選挙のデータと比べてみたのが次図。

品川区の区長選挙が統一地方選挙(4月)の時期から外れた06年以降、明らかに投票率が下がってきていることが確認できる。直近2回の区長選挙は事実上の浜野氏に対する信任投票となっていて、特に前回の投票率は過去最低の23.22%にまで下落

※06年以降統一地方選挙の時期から外れたのは、06年8月21日在任中の高橋久二品川区長(5期)の死去による。

投票率の推移 品川区長選挙 vs 区市町村長選挙(統一分)

このように区長選挙に対する品川区民の関心は年々低下しているのである。

対立候補(2名)のネームバリューが高くない

対立候補(2名)のネームバリュー(ニュースバリュー)が高くないから、マスメディアが取り上げない。マスメディアが取り上げないから品川区長選挙は盛り上がらない。

たとえば品川区出身で、長らくNHK『あさイチ』のキャスターを務めたイノッチ(井ノ原快彦)が区長選選挙に立候補していればメディアの扱いはかなり違ったものになっていたに違いない(対立候補に芸能人を担ぎ出せということではなく、ニュースバリューがなければマスコミは報じないということが言いたいのだ)。

対立候補の一人は佐藤裕彦氏。羽田新ルート撤回を掲げ、野党4党からの推薦を受けている。元都議6期(自民)が政界を引退(09年7月)して9年が経過。6期24年の成果として都民の記憶に刻まれているものはあるのか……。

もう一人の対立候補である西本貴子氏(区議4期目、無所属)も羽田新ルート撤回を掲げている。前回区議選挙(4期目)の当選順位が40人中39位というジリ貧傾向のなかでの選出馬は、来年4月の区議選の宣伝活動を兼ねているというようなことはないのか。「撤回」を完遂する覚悟はあるのか(羽田新ルート|品川区議会で不可解な投票行動)。

 

浜野健氏(区長3期目)の羽田新ルート「容認」に対して、佐藤裕彦氏と西本貴子氏の二人が「撤回」を掲げて挑む。マスメディアの報道が少なければ、区民の関心は高まらず、投票率が下がり、「撤回」票が割れるから現職が有利になるという構図

マスメディアは区長選挙を報道したくない!?

マスメディアが品川区長選挙を取り上げないのは、立候補者のネームバリュー(ニュースバリュー)が高くないことだけが理由ではない。
羽田新ルート問題が選挙の争点としてクローズアップされると困る人たちがいるからではないのか

 

これまで羽田新ルート問題が報じられたのは、日テレニュース(17年11月1日)ビートたけしのTVタックル(17年11月26日)噂の!東京マガジン17年12月3日18年5月20日)、NHKニュース9(17年12月7日)くらい。その多くが昨年末に集中している。

その後、羽田新ルート問題が報じられることはほとんどなく、朝日新聞などはあろうことか、羽田増便のPRを買って出ているのである。次図は、朝日新聞の記事であるように見えるが、じつは全面広告なのだ。右上に小さな文字で「広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局」と記されている。

羽田空港の国際線を増やそうとしているのは、なぜ
羽田空港の国際線を増やそうとしているのは、なぜ?|朝日新聞デジタル

朝日に限らず、全国紙各紙は羽田増便の必要性PRを掲載している(羽田新ルート|国交省の広告はマンション広告のごとし…)。


このように朝日をはじめとする全国紙が羽田新ルート問題を報じないで、むしろ羽田新ルートの必要性をPRしているのはなぜか? 全国紙が東京五輪のスポンサーになっていることが影響している可能性を指摘しておきたい。全国紙5紙のうち、朝日・読売・毎日・日経はオフィシャルスポンサー、産経はオフィシャルサポーターなのである(スポンサー一覧|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)。

羽田新ルートは、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて運用が開始される計画である。東京五輪と羽田新ルートとはセットなので、東京五輪のスポンサーである全国紙は羽田新ルート問題を報じることを避けているという見立てだ。

では、なぜテレビまで羽田新ルート問題を報じないのか?

その答えは、本間 龍氏の『ブラックボランティア』(角川新書)に記されている。

それでもまだテレビ局などが適正な報道をすれば良いと思われるかもしれないが、それはむずかしい。わが国の大手メディアは新聞社を中心とするクロスーオーナーシップによって系列化されており、系列の最上位に位置する新聞社がスポンサー・になってしまったら、その系列に属するテレビ局やラジオ局はその意に従わざるを得ない。ちなみにその系列とは、

  • 朝日新聞社-テレビ朝日ホールディングスーテレビ朝日系列局
  • 毎日新聞社-TBSと資本関係は解消しているが、ニュース素材を同社に提供
  • 読売新聞社-日本テレビホールディングスー日本テレビ系列局
  • 日本経済新聞社-テレビ東京ホールディングスーテレビ東京系列局
  • 産経新聞社-フジーメディアーホールディングスーフジテレビ系列局、ニッポン放送

(P139/第5章 なぜやりがい搾取が報道されないのか)

ちなみに、五輪のスポンサーではない東京新聞は17年11月14日、「住民らの安全が第一だ 旅客機の落下物首都圏大丈夫?」という羽田新ルートの問題を提起する記事を掲載している。

 

品川区民は、気がついたら空から騒音が降ってきたという日を迎えるのか?

品川区民は賛成するにせよ、反対にせよ、羽田新ルート問題をキチンと認識したうえで投票行動をとることが望まれる。忖度メディアの不作為によって、区民の知る権利が侵されるべきではないだろう

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2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
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