今月末に投開票日を迎える品川区長選挙では、候補者討論会でマスコミがシャットアウトされるかもしれないという。
4年前の区長選挙のときに開催された、立候補予定者2名による「公開討論会」の様子はどうだったのか。
- 品川区長選挙の候補者討論会はマスコミ・シャットアウト!?
- 2014年の品川区長選挙「公開討論会」を振り返る
- 2014年の浜野健氏の圧勝を予感させた「公開討論会」動画
- 【追記】「2018品川区長選挙 討論会」中止
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品川区長選挙の候補者討論会はマスコミ・シャットアウト!?
今月末に投開票日を迎える品川区長選挙をきっかけに、羽田新ルート問題が世間に周知されることを期待しているのだが、某品川区議から討論会ではマスコミがシャットアウトされる旨のリツイートを頂戴した。
残念ながら、そのまさかだそうです。マスコミシャットアウト。自分たちでマスコミに伝えるしかなさそうです。
もし、マスコミ・シャットアウトが事実だとすれば、そのことを決めた関係者は区民に対して説明する責任があるし、そのことを受け入れた(受け入れざるを得なかった?)側にも区民に対して説明する責任があるだろう。
2014年の品川区長選挙「公開討論会」を振り返る
前回(2014年)の品川区長選挙の候補者討論会は、どのように行われたのか確認してみよう。
公益社団法人東京青年会議所品川区委員会の主催で14年9月20日(土曜日)15時から約40分間、大井町駅の阪急前広場で区民の見守るなか、青空討論会が実施された。
当時の公開討論会の様子は、Ustream(ユーストリーム)の東京青年会議所(東京JC)チャンネルで、「2014品川区長選挙公開討論会」として現在でも視聴できる。
司会進行は、 東京JC品川区委員会の塚田 耕太郎氏。
最初に川崎精人 東京JC品川区委員長の短い挨拶(約1分)。次に司会から、討論会の流れが説明される(約3分)。
続いて、事前に知らされていた項目に沿って、原田氏・濱野氏の順に両者が座ったまま回答していく。
項目は次のとおりだ。
- 自己紹介および立候補予定の動機(各候補2分)
(以下は各候補3分)
- 質問1:優先課題ベスト3、その財源の確保
- 質問2:大規模災害への備え
- 質問3:待機児童問題
- 質問4:2020東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした今後の品川区の街づくり
- 各立候補者から一言ずつ
事前の質問項目は5つあったようだが、時間が押したのか1問割愛された(時間ありきか?)。討論会とはいうものの、両者が意見を闘わせることはなく、一問一答形式で持論を述べているだけ。両者の回答を踏まえた司会からの突っ込みもない。
2014年の浜野健氏の圧勝を予感させた「公開討論会」動画
4年前の区長選挙は現職3期目を目指す浜野健氏と原田やすお氏(共産推薦、74歳)の一騎打ち。結果は浜野健氏51,378票、原田やすお氏17,427票。浜野健氏がトリプルスコアで圧勝。
40分間のUstreamの動画を辛抱強く視聴すれば、浜野健氏が圧勝した理由がよく分かる。
浜野健氏は、顔を上げて聴衆にしっかりアイコンタクトしながら、ほとんど原稿を見ないで立て板に水のように語っていた。しかも、内容は数字を掲げながらとても具体的。自分が過去8年間携わってきたことなので当たり前だが、それが現職の強みだ。
一方の原田氏は、ほとんど顔を上げることなく、原稿棒読み状態。しかも、質問1の回答として優先課題ベスト3のひとつに憲法9条を活かすことを掲げたり、質問4の街づくりの回答に原発反対を持ち出したりでは、区民からの幅広い共感を得るのは難しかったのではないか。
討論会終了後、すぐに席を立ち去った浜野健氏。原田氏は、席で帽子をかぶり、持参した棒読み原稿を茶封筒に詰め込む。なんだかこの時点ですでに敗者感が漂っていると感じたのは筆者だけだろうか。
「2014品川区長選挙公開討論会」のビデオは、羽田新ルートの「撤回」を掲げている野党統一候補(佐藤裕彦氏)関係者のいい教材になるに違いない……。
【追記】「2018品川区長選挙 討論会」中止
東京青年会議所品川区委員会のフェイスブックに9月25日、「品川区長選挙討論会」が中止になった旨のお知らせが掲載された。
不参加の2名は、討論会に参加することが不利と判断したのか……。