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スーパードライな発想!? 落合陽一『日本再興戦略』

メディアアーティスト落合陽一著『日本再興戦略』幻冬舎(2018/1/31)を読了。
「落合陽一って誰?」という人には、国際ジャーナリスト落合信彦氏(スーパードライのテレビCMの初代キャラクター)の息子といったほうが分かるかもしれない。

「日本にはカーストが向いている」とか、「日本はトークンエコノミーの先進国」だとか、「士農工商を復活させよ」といった、独特な発想で日本再興戦略を語る部分は本書を読んでいただくとして――
住環境に触れた部分もあったので、抜粋しておいた。


もくじ

住宅ローンにより家計のお金の自由を奪う

高度経済成長の正体とは、国民に均一教育を与えたうえで、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメディアによる世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略だという。

高度経済成長の3点セット

(前略)結局、高度経済成長の正体とは、「均一な教育」「住宅ローン」「マスメディアによる消費者購買行動」の3点セットだと僕は考えています。つまり、国民に均一教育を与えたうえで、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメディアによる世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略です。
 物質的には豊かになっていった高度経済成長の時代において、これは別に悪い戦略ではなく、むしろいい戦略でした。ただし、今の状況でこの戦略を続けていくと、日本人一人当たりの生産性はどんどん下がっていきます。機械親和性が低く、代替性の高い人類を生産する仕組みだからです。今のシステムでは、日本でやる必要がないことも日本でやってしまうし、働く必要のない人を高給で雇わないといけなくなるからです。(以下略)

(P15-16/はじめに)

※将来”負動産”になる郊外マンションを買わされて、住宅ローンという”年貢”をせっせと払い続けたのは昭和・平成モデル。ポスト平成時代はどうなるのか……。

コンビニに行かなくなる日

マンションの高層階住戸ではエレベーターでの上下移動が面倒。今後、届けてくれるのがロボットになり、コストのことを気にしなくなれば、コンビニに行く回数は減るという見立て。

コンビニに行かなくなる日

(前略)僕も昔はよくコンビニに行きましたが今はあまり行かなくなりました。僕は高度の高いところに住むのが好きなので、自宅がマンションの高層階にあります。マンションのすぐ近くにはコンビニがあるのですが、最近ではエレベーターでの上下移動が面倒くさいので、アマソンの「Prime Now」で宅配してもらうようになりました。スマホで注文すれば、大体40分ほどで来ます。飲み物とかお菓子とかハイボールをつくるための炭酸水とかをよく頼みます。
 もし僕がマンションの1階まで下りてコンビニに買いに行ったら、家との往復でだいたい15分くらいかかります。それと比べて、アマソンに頼むのは配達コストが大きいように感じるかもしれません。しかし今後、届けてくれるのがロボットになったら、コストのことを気にしなくなるかもしれません。確かに現時点では労力の無駄なのですが、そこに人間が介在しなくなったら、もしくは、集荷と分配のバランスが整えば、コスパはペイするのです。その観点では、コンビニに行く回数は、これから減っていくでしょう。(以下略)

(P100-101/第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか)

※千葉市は、国家戦略特区の枠組みを利用して、ドローンによる宅配の実証試験に取り組んでいる。

サービス付き高齢者住宅を仕組みとして輸出

ロボットだけでなく、日本のサービス付き高齢者住宅も仕組みとして輸出できるという。

アジアにロボットを売りたい放題

(前略)もちろん、中国も日本のロボット技術を真似しようとするでしょうが、そう簡単には真似できません。細かい部品ベースで考えると日本のつくるロボットの品質は長年の積み重ねの結果としてすごく高い。日本製より質の低い模造品は中国でも出回るでしょうが、安全面を考慮するような用途になると目本製のロボットを欲しがるはずです。
 ほかに、日本のサービス付き高齢者住宅も仕組みとして輸出できると思います。また、お金持ちほど日本に住みたがって、お金持ちの不動産投資や移民需要も増えるはずです。つまり、日本は世界の高齢者にとっての楽園になるかもしれません。

(P160-161/第4章 日本再興のグランドデザイン)

※サ付き住宅は様々な問題が出てきているところなので、輸出するには時期尚早(人生100年時代の住宅すごろく|あと何年マンションに住めるのか?)。

本書の構成

7章構成。全254頁。

第1章 欧米とは何か
第2章 日本とは何か
第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか
第4章 日本再興のグランドデザイン
第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
第6章 教育
第7章 会社・仕事・コミュニティ

日本再興戦略

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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