不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』社畜を抜け出したい人におススメ

不動産投資コンサルタント長谷川高著『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』廣済堂出版(2018/9/29)を読了。

書名がミスリードしそうなのだが、投資のノウハウが書かれているわけではない。リクルートコスモスを経て「32歳で独立して現在までどうにか生き延びてこられた」という”逆張り的投資術”が開陳されている。社畜状態から抜け出したいと願っている人におススメかも。

著者が失敗を重ねて会得した”逆張り的投資術”については、本書を読んでいただくとして、気になった点を3か所抜粋しておいた。


もくじ

初月契約率には、恥をかかない程度の数字が…

不動産経済研究所が毎月発表している契約率。アンケートベースの回答には、下駄を履かせて恥をかかない程度の数字が入れているという裏話。

 ときどき新聞にマンションの販売時における「初月契約率」という言葉が出てきますが、それも、専門の調査会社が各デベロッパーにアンケート用紙を送付して任意で回答してもらい、返信のあったものの数字を取りまとめたものです。
 しかし販売の現場では、そういったアンケートが届いたら、仮に初月にまったく売れていなくとも「契約率0%」などと書くわけには到底いきません
 私がかつて勤めていた会社でも、営業担当の一番下の人間が、「契約率何%って回答したらいいですかね?」と上司に聞いている光景をよく見かけました。実際には20%程度だったのに、そのときの上司の答えは、「70%くらいで書いておいたら? 売れていないと思われるのは困るからな」でした。
 残念ながら、こういったアンケートベースの回答には、下駄を履かせて恥をかかない程度の数字を入れているのが現状なのです

(P43-44/第2章 投資も逆張り的発想でうまくいく)

※マディアが報じている新築マンションの契約率が、営業現場から鉛筆舐め舐めで上がってきている数字の積み重ねであることは、不動産業界の人にとっては常識なのかもしれない。

では、そもそも「契約率70%が好不調の分かれ」という表現に問題があることはご存じだろうか。詳しくは、好不調の分かれ目!? 新築マンション「契約率70%」参照。

オフィスビルの空室率には、各社横並びの低い空室率が…

オフィスビルの空室率についても、悪い評判が出ることを避けるために、各社横並びの低い空室率が毎回発表されているという。

 オフィスビルの空室率が上がった、下がったというニュースも、実際に現場を調査し、どれだけ空室があるかを、ローラー作戦をしながら記者がカウントしているのではありません。
 結局、いくつかの大手ビル管理会社が発表している、大型ビルのみの空室率を引用し、あたかもすべてのビルの空室率であるかのように記事にしているのです
 当たり前のことですが、ビル管理会社も、自社が管理しているビルの空室率が突出して高かった場合には、「あの管理会社の営業力(リーシング力)が弱いから、空室率が高いのではないか」と思われてしまうわけです。
 こういった悪い評判が出ることを避けるために、各社横並びの(あたかも談合しているような)低い空室率が毎回発表されるのです

(P45/第2章 投資も逆張り的発想でうまくいく)

※たとえば、国交省が5年ごとに公表している「マンション総合調査」の空室率は、マンション管理業協会会員各社を介したアンケート調査に拠っている。この空室率データはどの程度正しいのか(次図)

竣工時期別の空室率(棟数ベース)

マンション総合調査結果報告書」にみるスラム化の兆候」より

厚労省の「毎月勤労統計」不適切事案の発生を知るにつけ、国の統計データの信頼性が揺らいでいる……。

フィーを払わずに本質的情報を得ることはむずかしい

フィーを払わずにバイアスのかかっていない本質的情報を得ることはむずかしいという指摘。

 たとえば、超一流の専門家であったとしても、その語る機会、場自体が、どこかの関係企業がスポンサーになっていた場合には、その専門家もスポンサーを気にして真実を率直に語っていないことが多いのです。
 ですから、その専門家から真実を聞きたいのであれば、お金を払ってでも、その方に一対一で会うべきでしょう。そして、何もバイアスのかかつていない話を直接自分の耳で聞くのが確実です。
 相手が学者だろうが専門家だろうが証券マンだろうが、それなりのフィーを払わずにバイアスのかかっていない本質的情報を得ることはむずかしいと思います。

(P49/第2章 投資も逆張り的発想でうまくいく)

※マンション購入を検討している人は、ネットや書籍、住宅情報誌で情報を入手することになる。そのときに留意しなければならないのは、その情報発信者は誰から利益を得ているのかということだ。

”一生の買い物”なのだから、数万円のフィーを払って専門家に助言を求めるのが合理的振る舞いだと思う。

本書の構成

8章構成。全207頁。

第1章 残念ながら非常に厳しい時代がやってくる
第2章 投資も逆張り的発想でうまくいく
第3章 経済における逆張り的思考
第4章 ビジネスも逆張りで生き残る
第5章 生き残るために直感を磨く
第6章 運と縁をビジネスに生かす
第7章 少しやっかいなお金の話
第8章 長い旅―人生の波を越えていくために

厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術

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