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羽田新ルート|VOICES共有情報「STAR 上の高度制限の復活」ほか2件

パイロットが経験した不安全飛行を報告する「航空安全情報自発報告制度(VOICES)」。業務実施者間で共有すべき重要な安全情報が「FEEDBACK」として、年3回(3月、7~8月、11~12月)発行されている。

24年3月28日に発行された「No.2023-03号」(全77頁。232件)の中から、羽田新ルートに係る情報3件をピックアップしておいた。

※下記、原文では改行はほとんどないが、WEB上で読みやすくするために筆者にて改行した。薄い色の文字で記した( )内は、筆者による補足。


もくじ

74. STAR 上の高度制限の復活

羽田新ルートC滑走路到着ルート(RNP RWY 16L APCH)における高度制限事案。

羽田空港 RNP RWY 16L APCH (羽田新ルートC滑走路到着ルート)に繋がる、OSHIMA L Arrivalを飛行中、ATC(航空路管制) より“Direct SOPPY, Descend and Maintain 6,000ft”と指示された。

この時点で、Team としては SOPPY の 7,000ft Below の高度制限は無くなったと認識した

しかし、最近の社内 Report に羽田の STAR 飛行中に高度制限が復活するような指示をされる場合があると記載されていたことから、それをコクピットで共有し、念のために SOPPY の制限を守れるように降下することにした

 

しばらくすると、ATC より“Descend via STAR to 4,500ft, Cleared for RNP RWY 16L Approach.”と指示され、SOPPY の 7,000ft Below が復活したが、社内 Report を読んでいたおかげで落ち着いて対応することができた

STAR 上の高度制限の復活

VOICES コメント

社内情報が実運航で活用できた良い事例ですね。
管制官は、新たな指示を受けたパイロットが元の指示との関係をどう理解し運航するのかを考慮した指示の発出が望まれますね。

75. STAR 飛行中の ATC Instruction

羽田新ルートC滑走路到着ルート(RNP RWY 16L APCH)における先行機絡みの事案。

羽田空港へ OSHIMA L ARR にて Approach 中、9,000ft を維持しながら SOPPY への Direct 指示が来ていた、なかなか降下指示がもらえないまま SOPPY の約 8nm 手前で“Descend via STAR 4,500ft, Cleared for RNP RWY16L Approach” (羽田新ルートC滑走路到着ルート)の指示が来た。

先行機には“Descend via STAR 4,500ft, Cleared for RNP RWY 16L Approach, Reduce Speed xxx kt”と減速の指示まで付いていた

速やかに降下を始めないとSOPPY 7,000B の制限を守ることが厳しくなるタイミングで、Readback(復唱すること) も含めると冗長になってしまう ATCを非常に Threat(リスクを増大させる可能性があるもの)と感じた。

個人的な経験で言うとほぼ毎回 SOPPY への降下指示はギリギリになる。ATC への要望として、SOPPY 7,000B に対してもっと余裕を持ったタイミングで Clearance (許可)を発出してほしい。それが無理なら、速やかに降下操作に移せるよう“Descend via STAR 4,500ft“など簡潔な指示にしていただきたい。

STAR 飛行中の ATC Instruction

VOICES コメント

HND OSHIMA L ARR については、他にも高度制限への対応に難しい ATC が指示されるとの投稿があります。当該社では、管制と意見交換の場で要望を伝えているようです。

90. セットした QNH 値の意図しない変化

羽田新ルートのA滑走路到着ルートに進入中の出来事。一定の高度(6,000ft)で飛行していたはずなのに、擬似気圧高度は下降を示していたという、原因不明事案。

羽田空港 RNP RWY 16R Approach(羽田新ルートC滑走路到着ルート) で、VNAV PATH(垂直航路) 6,000ft レベルフライト(一定の高度を維持して飛行すること)、MCP(Mode Control Panel) ALT( Altitude:高度) 6,000 がセットされていた。

左席の PF(Pilot Flying:操縦士 ) が高度が下がり始めたことに気づき、ALT Hold で降下を止めた。

右席の高度計にセットした QNH(Quasi-pressure Height:擬似気圧高度) が 29.84 から 29.96 に変化していることを、PM(Pilot Monitoring:副操縦士) が気付いた。29.84 の 6,000ft へ戻るべく V/S Mode(Vertical Speed Mode :垂直速度モード) でゆっくり上昇し、再度 ALT HOLD とした。

高度逸脱量は 80~100ft と記憶している。QNH セットは Approach Checklist で確認したものの、QNH 値の変化に関しては、原因は不明。

あわせて読みたい(VOICES「FEEDBACK」)

※カッコ内の日付は、「FEEDBACK」が発行された日。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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