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羽田新ルート|VOICES共有情報「着陸装置が下がっていること確認せずに最終フラップを設定」

パイロットが経験した不安全飛行を報告する「航空安全情報自発報告制度(VOICES)」。業務実施者間で共有すべき重要な安全情報が「FEEDBACK」として、年3回(3月、7~8月、11~12月)発行されている。

3月29日に発行された「2022-03号」(全75頁。208件)の中に、62番目として羽田新ルートに係る情報が掲載されていたので整理しておいた。

略語が多用されていて門外漢には読みづらいが、パイロットが騒音低減と燃料効率のために、何やらやらかしたことは理解できる。

※下記、原文では改行は全くないが、WEB上で読みやすくするために筆者にて改行した。薄い色の文字で記した( )内は、筆者の補足。


着陸装置が下がっていること確認せずに最終フラップを設定

着陸装置(ギア)がロックされる前に、フラップが設定され、警告音と「着陸装置が下りていません」というメッセージが表示される事案が発生した。

原因は(1)騒音低減と効率を重視して普段あまり使わない構成を使用したこと、(2)先行機との間隔は十分確保されていると勝手に思っていたために減速指示の予測ができていなかったこと。

62. Gear Down を確認せずに Final Flap を Set

羽田 RNAV RWY16L で進入中、FAF(Final approach fix:航空機が計器進入を開始できる地点) の LAUDA を過ぎて 2,500ft (762m)付近での出来事です。

事前の Landing Briefing (着陸ブリーフィングは、飛行機が着陸に備える際にパイロットや乗組員が行う一連の手順)で、気温が 15℃未満であり、3.25 度 PAPI との整合性から、Tailored RNAV RWY 16L を実施することとした。

騒音低減と燃料効率のため、LAUDA を Gear Up、Flap20 で通過、その後 2,500ft 付近で Gear Down、2,000ft 付近で Final Flap とする計画を PM (Pilot Monitoring:操縦中のパイロットの補佐を務める航空機のパイロットの役割)と共有した。

実際にアプローチを開始してからは、Briefing どおりに Gear Up、Flap 20 の Configuration(主脚格納、フラップ20度の構成)、170kt(時速315km) で LAUDA を通過し、その後すぐ Vref+20kt に減速した。

2,500ftの少し手前で ATC(管制) から“Reduce to Minimum Approach Speed”の指示が入り、すかさず Gear Down、そして 3 Green (フラップが3つすべて展開されている状態)を確認する前に Flap 25 を Order し、Set した。

Gear が Down Lock になる前に Final Flap が Set されたため、Master Warning と EICAS Message「GEAR NOT DOWN」が表示され Beeper Sound が鳴った。ほどなく Gearが Down Lock になったことで Warning は消えて、かつ進入自体も安定していたため、そのまま Approach を継続した。

今回の事例の原因としては、騒音低減と効率を重視して普段あまり使わない Configuration を使用したが、それによる Threat として今回の事象を認識していなかったこと、また先行機との Separation は十分確保されていると勝手に思っていたために減速指示の予測ができていなかったことが考えられます。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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