不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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元大手不動産トップ営業マンの「不動産芸人」だけが知っている『住宅購入で成功する人、大失敗する人』Gakken

元大手不動産トップ営業マンの「不動産芸人」、ぺんとはうす 世良光治 氏の著書『住宅購入で成功する人、大失敗する人』Gakken(2023/6/1) を読了。

ツッコミ担当のお笑い芸人が書いただけあって、サクサク読める。

「今、家を買うべき!」が著者の基本スタンスだから、マンションを買うか否か逡巡している人にとって、確実に背中を押してくれる1冊。

朱書きは、私のメモ。


もくじ

70歳を超えるとほぼ借りられなくなる

よっぽどの正義感や使命感がないと、「住宅セーフティネット制度には登録する意味がない」という不動産賃貸の現場のムードを伝える筆者。

70歳を超えるとほぼ借りられなくなる

(前略)概ね、60歳くらいからの新規賃貸住宅契約は、ハードルが上がりそうです。ただ僕の経験でいえば実際のところは、70歳以上から断られるケースが多いです。60歳から徐々にハードルが上がり、70代で一気にほとんどの物件が借りられなくなる、というイメージになります。

(中略)
この事態を重く見た国は「住宅セーフティネット制度」を立ち上げ、入居困難者の解消に予算をつけています。「住宅セーフティネット制度」を推進するために「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」が存在します。低所得者や被災者、高齢者など、住宅確保に配慮を要する方に住宅を供給するための支援の指針を定めた法律です。


ザックリ解説すると、家を借りにくい人を受け入れる賃貸住宅には、国から改修費用の補助か受けられたり、家賃滞納などのリスクがあっても、国と地方公共団体から補助金が交付されたりします。


社会的意義としては、弱者救済の素晴らしい取り組みではあるのです。しかし、不動産賃貸の現場では、よっぽどの正義感や使命感がないと、「住宅セーフティネット制度には登録する意味がない」というムードです。(以下略)

(P89-90/第2章 そもそも家は買うほうが得か?借りるほうが得か?)

※住宅セーフティネット制度が2017年10月にスタートして6年が経過。
東京都の登録件数5,476棟・50,923戸(23年10月26日現在)を多いとみるか、少ないとみるか……。

芸能人、スポーツ選手の物件購入事情

審査が優しい金融機関でローンを組んで数年間ちゃんと返済し確定申告をして実績を作ってから、金利が低いなどで自分がローンを組みたかった金融機関に借り換えるという裏技。

芸能人、スポーツ選手の物件購入事情

(前略)一般の方に参考になりそうな「住宅ローン審査が通りづらい対策」の堅実な例をご紹介します。芸人で多いのが、まずは審査が優しい金融機関でローンを組んで、数年間ちゃんと返済し確定申告をして実績を作るという方法。その後、金利が低いなどで自分がローンを組みたかった金融機関に借り換えるわけです。


既に住宅ローンを返済した実績があるので、審査に通りやすくなります。先輩方の堅実な作戦に、頭が下がる思いです。


今なら、「フラット35」が最初の実績づくりにピッタリ。借入額の上限が8000万円になりますが、それくらい高額な物件を買われる方は、他のローンでも審査に通るくらいの稼ぎはあるでしょうから、そこはあまり心配しなくていいです。(以下略)

(P151-152/第4章 どんなにお金に余裕がなくても家は必ず買える!)

※金融機関が以前よりも重視するようになってきた審査項目は、「雇用形態」と「国籍」。

住宅ローン審査の厳格化、銀行はどこを見ている?
住宅ローン審査の厳格化、銀行はどこを見ている?」より

1LDKの物件を探している時点で、あなたは大損している

そもそも1LDKを買おうと思って探している人は少ない、という著者の肌感覚。

1LDKの物件を探している時点で、あなたは大損している

(前略)売ることを考えれば、そもそも3LDKや2LDKに変更もできないほどの面積の1LDK自体、損をします。これも前の項でお伝えした通りで、3LDKのほうが売りやすいのは、もう業界的にも常識です。


さらにいえば、狭ければ狭いほど賃貸のほうに人気が集中するのです。マイホームを購入して、1Kで住む人はほとんど聞いたことがないでしょう。逆に賃貸で1Kに住む人はたくさんいます。一方で広くなって部屋数が増えるにつれて、借りる人よりも買う人のほうが増えてきます。


さらに3LDKとなると、買う人がぐっと増えます。人気の間取りです。不動産の価値は、需要と供給のバランスで成り立ちますが、需要の部分でそもそも1LDKを買おうと思って探している人は少ないのです。

(P1167/第5章 絶対に損をしないための不動産購入術)

※不動産経済研究所が毎月発表しているデータをひも解くと、ワンルームや1LDKなどの単身向けタイプの住戸の供給戸数の割合は、コロナ後は減少している(次図)。

間取りタイプ別供給割合の推移
新築マンションの間取りタイプ別戸数・割合の推移(首都圏・23区)」より

本書の構成

6章構成。全215頁。

  • 第1章 元大手不動産1位の営業担当だから知っている…。不動産の知られざる真実
  • 第2章 そもそも家は買うほうが得か?借りるほうが得か?
  • 第3章 家を買える人と買えない人の「決定的な違い」とは
  • 第4章 どんなにお金に余裕がなくても家は必ず買える!
  • 第5章 絶対に損をしないための不動産購入術
  • 第6章 家の購入は、人生を戦略的に考えることでより大きな幸せを引き寄せる!

住宅購入で成功する人、大失敗する人

あわせて読みたい(本の紹介)

(本日、マンション広告1枚)

2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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