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羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化

江戸川区は、区独自で清新町コミュニティ会館に騒音測定局を設置し、04年度から常時測定を実施。18年度以降の測定結果を「航空機騒音の測定結果」として年度単位でHPで公表している


もくじ

江戸川区上空の飛行ルートと騒音測定局の位置

江戸川区上空を航空機が飛行するのは、従来の「22ILSルート(南風悪天候時の着陸便)」と、羽田新ルートの「荒川ルート(北風運用時の離陸便)」の2ルート(次図)。

  • 22ILSルート(南風悪天候時の着陸便)※従来からのルート
    • 定期的な運航ルートではなく、南風でかつ悪天候により通常の東京湾上空の飛行経路が利用できない場合に限り、安全な運航を確保するために使用されることになっている。
    • 運用時間は、6時~23時のうち15時~19時の実質3時間を除く1日最大14時間
  • 荒川ルート(北風運用時の離陸便)※羽田新ルート
    • 運用時間:7時~11時30分の4時間30分と、15時~19時の実質3時間の合計7時間30分

江戸川区上空を飛行するルート
航空機騒音|江戸川区

北風時の羽田新ルートの運用時間帯は、7時~11時半・15時~19時。北風時の運用は年間運用の約6割と想定されている。つまり、南風時に都心を通過して羽田に向かう着陸ルート(15時~19時)よりも運用される時間がはるかに長いので、荒川ルートを通過する機数は格段に多くなる(次図、青色線)。

飛行機数の月次変化(風向・ルート別)
羽田新ルート|国交省の「定期運用報告」を可視化」より

 

江戸川区は、区独自で清新町コミュニティ会館に騒音測定局を設置し、04年度から常時測定を実施。18年度以降の測定結果を「航空機騒音の測定結果」として年度単位でHPで公表している(航空機騒音の測定結果|江戸川区)。

江戸川区は21年10月29日、20年度の「航空機騒音の測定結果」を公表したので、可視化してみた。

通過機数・騒音発生回数の経年変化(12~20年度)

江戸川区上空を通過する機数と騒音発生回数の経年変化を可視化したのが次図。

羽田新ルート運用開始前の19年度までは、南風悪天候時の着陸便が不定期に運用されていて、少ない年で年間4,853機(17年度)、多い年で年間8,655機(14年度)だった。ところが、羽田新ルート運用開始後の20年度は22ILSルートと荒川ルートを合わせて23,463機(=3,268機+20,195機)。新ルート運用開始前と比べて2.7倍(14年度)から4.8倍(17年度)に激増している。

また、1日平均騒音発生回数も、新ルート運用開始前は少ない年で13.4回(17年度)、多い年で23.9回(14年度)だったが、運用開始後の20年度は61.2回に激増している。

通過機数・騒音発生回数の経年変化

最大騒音レベルと通過機数・騒音発生回数(20年度)

江戸川区が公開した資料には、月次データと週次データも掲載されている。

月次変化

20年度の最大騒音レベルと通過機数の月次変化を可視化したのが次図。

月間の最大騒音レベルは75~87dB。新ルート(荒川ルート)の通過機数は10月から1月に多く、従来ルート(22ILSルート)は悪天候の多い7月に集中していることが分かる。

月間最大騒音レベルと通過機数(20年度)

 

20年度の最大騒音レベルと騒音発生回数の月次変化を可視化したのが次図。

月間最大騒音レベルと騒音発生回数(20年度)

週次変化

20年度の最大騒音レベルと通過機数の週次変化を可視化したのが次図。

※ルート別の通過機数に係る週次データは計測されていない(区担当者談)。

週間最大騒音レベルと騒音発生回数(20年度)

上図により、月次変化では捉えられなかった最大騒音レベルの変化を週単位で確認することができる。

最大騒音レベルについては、東京都が毎日公表しているように日単位で知りたいところなのだが、江戸川区に電話取材したところ、「日単位のデータを整理するためには、これから委託する必要があり、費用が掛かるため難しい」とのことであった。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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