都内では路上生活者はどこにいるのか。減っているのか。
東京都は毎年8月と1月、都内の路上生活者数を把握するために、道路・公園・河川敷・駅舎などの「路上生活者概数調査」を実施している。同調査結果データを可視化してみよう。
※ネットカフェやファストフード店、友人宅などに寝泊まりしている人はホームレスではあるが、路上生活者ではないという整理。
※投稿21年11月26日(更新22年4月29日:22年1月データ反映)
都内の路上生活者、年々減少し770人に
管理区分別の都内の路上生活者数の推移を次図に示す。
路上生活者数は年々減少し、21年度の冬期(22年1月)には770人、うち23区は703人で都の9割(91%)を占めている。770人のうち河川は4割(41%)。
都内の路上生活者、河川敷は大きく減少
施設別の都内の路上生活者数の推移を次図に示す。
河川敷の路上生活者は大きく減少する一方で、公園・道路の路上生活者は19年度以降あまり減っていない。
地下鉄の通路などでホームレスを時々見かけるが、都のデータでは僅かだ。都が実施している調査は平日の昼間の時間帯だから、実態を的確に反映していないのかも。
都内の路上生活者、女性40人程度で推移
男女別の都内の路上生活者数の推移を次図に示す。
女性の路上生活者は男性よりも一桁以上少ないとはいえ、40人前後(3~5%)で推移しているのは気になるところ。
1位新宿、2位渋谷、3位墨田
区・市別に路上生活者の概数が表形式で公開されているので、23区を中心にさらに可視化してみよう。
路上生活者数が40人を超えるのは、新宿区、渋谷区、墨田区(次図)。
都が過去に公表したデータもひも解き、路上生活者が多い上位5区の変化を確認してみた(次図)。
新宿区の路上生活者は17年度以降、年々減少している。かつて路上生活者が最も多かった台東区では、大きく減少し、墨田区を下回っている。
あわせて読みたい