都内では、路上生活者はどこにいるのか。そして、彼らは減っているのか。
東京都は毎年8月と1月、「道路」「公園」「河川敷」「駅舎」などを対象に、路上生活者の概数調査を実施している。本稿ではそのデータを可視化し、都内の実態を探る。
※ネットカフェやファストフード店、友人宅などに寝泊まりする人は「ホームレス」ではあるが、「路上生活者」には含まれない。
※初投稿21年11月26日(更新25年11月6日:25年8月データ反映)
都内の路上生活者、年々減少し557人に
まずは都内全体の推移から見てみよう(次図)。
路上生活者数は年々減少傾向にあり、2025年8月(2024年度夏期)には557人。そのうち23区が510人で、全体の約9割(92%)を占めている。

かつて千人を超えていた時期を思えば、数字の落ち方は鮮明である。
だが、「ゼロ」には遠い。この減少の裏に、何があるのか。
河川敷・公園は大きく減少
次に、生活場所の変化を見てみよう(次図)。
河川敷と公園の路上生活者は大幅に減少したものの、それぞれ200人前後でなお存在している。

一見すると「減った」と安心したくなるが、都心の公園や河川敷にテントや荷物が消えたからといって、問題が消えたわけではない。
「見えなくなった」だけの可能性もある。
女性は30人前後で推移
男女別のデータを見ると、女性の路上生活者は男性より一桁少ないものの、30人前後で推移している(次図)。

少数とはいえ、女性が路上にいるという現実は重い。
支援の手が届きにくい、見えにくい層が確実に存在していることを示している。
1位・新宿、2位・渋谷
では、路上生活者はどこに集中しているのか。
区・市別データを可視化すると、50人を超えるのは新宿区と渋谷区である(次図)。

都が過去に公表したデータもひも解き、路上生活者が多い上位5区の変化を確認してみた(次図)。
新宿区の路上生活者は17年度をピークに、年々減少している。かつて路上生活者が最も多かった台東区では、大きく減少している。

夜の繁華街と巨大ターミナルが交わるエリアほど、いまも人が「とどまる」。都市の光と影が最も濃く重なる場所である。
冬の深夜、新宿駅がダントツ
東京都は2021年度から、冬期の深夜帯にターミナル駅周辺での調査を始めた。
対象は1~2月の平日、終電前後それぞれ30分ほど。新宿・渋谷・池袋・上野の各駅で行われている。
結果は明快である。
冬期の深夜、新宿駅がダントツ。およそ90人が確認された(次図)。

電車が止まり、人の流れが途絶える時間。
最後まで残る明かりの下に、人が集まる。
それが、東京という街の現実である。
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