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2022品川区長選挙【再選挙】候補らの懐事情(政治資金)を可視化

10月2日に投開票された品川区長選挙では、立候補した6人がいずれも法定得票(有効投票総数の4分の1以上)に届かず再選挙となった(2022品川区長選挙の結果)。

5人で争うと見られていた再選挙に11月20日、6人目として石田慎吾氏が出馬したことで、再々選挙になる可能性が高まった。

広報関係費としてポスターやビラ、ガソリン代などを公費で負担してもらえる候補者は、選挙公報という自己PR手段も税金で負担してもらえるので、仮に落選しても来年4月の区議選で有利な立場を確保できる。

とはいえ、候補者の持ち出しもあるだろうから、再々選挙となると資金的に厳しくなることはないのか。

元都議・区議候補らの懐事情(政治資金)を探ってみた。

※一部、敬称略


もくじ

政治資金

元都議・区議候補らの政治資金は、東京都選挙管理委員会HPに掲載されている「政治資金収支報告書」で知ることができる。

再選挙に出馬予定の6人のうち、山本やすゆき氏と共産党推薦の村川ひろかず氏を除く4人が係っている政治団体は次の通りだ。

※石田秀男氏以外は全て資金管理団体。

  • 森沢きょうこ氏
    森沢きょうこ後援会(設立:17年5月)
  • 石田秀男氏
    石田秀男後援会(設立:98年11月)
    JM品川区議団(設立:03年10月)
  • 西本貴子氏
    西本貴子後援会“ta-koサポターズ(設立:02年12月日)
  • 石田慎吾氏
    石田しんご後援会(設立:06年8月)

東京都選挙管理委員会HPに掲載されている3年分(19~21年)の政治資金を可視化したのが次図。

2022品川区長「再選挙」候補者の政治資金

以下、候補者ごとに解説する。

森沢恭子氏:大部分は本人からの寄付
  • 他の3人と比較して、政治資金が圧倒的に多い。400~500万円で推移している。
  • 政治資金の大半は寄付金で締められていて、その大部分は森澤氏本人による寄付金
  • 21年(都議選の年)は、本人以外の13人からの寄付金が計上されている。13人のなかには、21年10月の衆院選で日本維新の会公認で比例復活当選した金村龍那衆議院議員からの30万円が含まれている。
  • そのほかの特徴としては、19年に「機関紙誌の発行その他の事業による収入」として411,000円(都政報告会381,000円+講演料30,000円)が計上されていること。
石田秀男氏:建設事業を営んでいるので問題ない!?
  • 石田秀男氏が係っている2つの政治団体のうちのひとつ「石田秀男後援会」(資金管理団体ではない)に、政治資金が「前年からの繰り越し額」として28,974円計上され続けている。
  • 建設事業を営んでいる石田秀男氏(自民、区議6期)にとって、選挙資金に苦労はないということなのだろうか。
西本貴子氏:僅かばかりの政治資金27万円
  • 区議選のあった19年に僅かばかりの政治資金275,960円が計上されている。そのほとんどが本人からの寄付金(183,960円)で、残りは区政報告会の92,000円(@2,000×46人)。
石田慎吾氏:国民民主党からの支援
  • 区議選のあった19年の収入の多くを占めているのが政治団体からの寄付金(国民民主党東京都総支部連合会1,463,800円)。あとは「機関紙誌の発行その他の事業による収入」として「石田しんご君を励ます会」の405,000円。

再選挙のための補正予算1.8億円

区長選の供託金100万円は、有効投票総数の10分の1が没収点だから、1回目の区長選で西本氏は没収を免れたが、村川氏(共産)と大西氏(諸派)は没収されたはずだ。

なぜ、西本貴子氏のように少ない政治資金で、区長選や区議選を戦っていけるのだろうか。

考えられる最大の理由は、選挙費用のかなりの部分を品川区が負担していること。広報関係費としてポスターやビラ、ガソリン代などを公費で負担してもらえるのである。

品川区HPに公開されている「予算」「補正予算」をひも解くと、最初の区長選・区議選の予算は約2億円。その後、再選挙で組まれた補正予算は約1.8億円(次図)。

2022品川区長(再選挙)・区議会議員(補欠)選挙執行費の内訳

雑感

なぜ、西本貴子氏のように少ない政治資金で、区長選や区議選を戦っていけるのだろうか。

考えられる最大の理由は、選挙費用のかなりの部分を品川区が負担していること。広報関係費としてポスターやビラ、ガソリン代などを公費で負担してもらえるのである。

再々選挙となると、さらに億単位の税金が飛んでいくことになる。

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