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羽田新ルート|渋谷区議会「20年第3回定例会」質疑応答

渋谷区議会の「20年第3回定例会」本会議の代表・一般質問(9月10日、11日)で、羽田新ルートに関して4名の議員から質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約5千800文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

苫孝二 議員(共産)

苫孝二 議員(共産)
苫 孝二議員(共産、区議9期、小樽潮陵高卒、70歳)

苫:飛行中止を求めるべき

次に、羽田空港の都心低空飛行ルートについてです。

私達のアンケートでは3月29日から始まった新ルートについて「とてもうるさいし、怖い」「いつ何が起こるかわからない。不安がある」「人が住む上をなぜ通すのか」「ルートには区立小中学校、大学、日赤などの病院が存在している」など、怒りの声が寄せられ、飛行中止を求める声が圧倒的です。

広尾中学校、猿楽小学校の騒音実測値は、国交省の事前説明を超えています。


この新ルートに対し、町会長の過半数の53人が飛行中止の要望書に賛同し、その代表が区長に飛行中止を国に要請するよう求めたと聞きます。区民が騒音に苦しみ、落下物や万が一の墜落の危険を訴え、飛行の即時中止を求めています。

区長は政府に住民の声に基づき飛行中止を求めるべきです。見解を伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長(無所属、2期、元渋谷区議会議員3期、専修大学商卒、48歳)

区長:飛行中止を求める考えはありません

次に、羽田空港新飛行ルートについてのお尋ねです。

これまで貴会派のご質問にお答えしているとおり、区としては、区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、国の責任において、引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また、騒音対策や安全対策等に対して、さらなる取り組みの強化を図るよう国に対して求めていきます。

こうしたことからご質問にあるような飛行中止を求める考えはありません

苫:国土交通省に中止を求める

次に、羽田空港の新ルートについて再質問します。

町会長の代表が出した都心低空飛行の中止を求める要望書には、「夕方の静かな上空に次から次へと現れる旅客機は異様で落下物への恐怖もあり、区民の健康で安全な生活を大きく破壊するものです」とのお言葉が述べられております。それは私たち区民の実感ではないでしょうか。


もともと羽田空港については、周辺住民が安全と騒音被害を解消するため運動し、「飛行ルートは、海から入り海に出ること」が原則とされ、運用されてきたのです。これを破って新ルートですから、住民は不安に思っており、実際毎日騒音に悩まされているわけです。

区長は、まず住民の思いを受け止めて、国土交通省に中止を求める。それが本来区民の安全を守るべき区長の役割ではないでしょうか。再度見解を伺います。

区長:何度も同じ質問、何度も同じお答えが続いております

羽田については、もう再三お答えして、何度も同じ質問、何度も同じお答えが続いております

皆様の声も、いただいた声は国交省にも伝えておりますし、区長会を通じても発言をしております。これまで同様に、しっかりと取り組んでまいります。

苫:長谷部区長の答弁はそれに真摯に答えようとしない

羽田空港の新ルートの問題ですけれども、区長は伝えればいいっていうような考え方に立ってる。私はそれが不思議でしょうがないです。

区民がもうこれだけ連日、危険にさらされているんではないかというふうに不安に思ってるわけですから、それで中止を求めている町会の会長さんまでが、本当にもうこれは黙っていられないというそういう思いで言ってるわけですから、当然そうした立場に立つべきではないでしょうか


私の質問は、区民から寄せられた命を、そして暮らし・営業を守ってほしいという声に基づくものです。しかし、長谷部区長の答弁はそれに真摯に答えようとしないものでした。私たち日本共産党区議団は一人ひとりの区民が大切にされる区政にしていくため、引き続き奮闘することを表明して、私の代表質問を終わります。

小田浩美 議員(立憲)

小田浩美 議員(立憲)
小田浩美議員(立憲民主党、区議1期、一新塾第14・16期、55歳)

小田:見直し・撤回の要望を強く申し入れていただきたい

最後に、羽田空港新ルートに関してお伺いいたします。8月19日、羽田新ルート撤回に関する要望書が区内町会長の過半数となる53筆の署名のもと、区長および議長に提出されました。


当初、渋谷上空を通過する新ルート便は羽田の離発着数全体の2%程度とされていました。しかし、コロナ感染症の影響で、国際線は97%より各社大幅減便で全体数が激減しているにも関わらず、新ルートでの低空飛行は続いています。国際線増便のための新ルートとは口実で、このルート恒常化させるための飛行ではないかとさえ思ってしまいます。


国による事前説明会での想定と実際の飛行による騒音や上空に迫る圧迫感には相違があり、生活への影響は大きなものです。区は区民の生命・財産を守る責任のもとで、この半年間の現状について、改めて区民の声を聞き取るべきだと考えます。


また、羽田空港新ルートにはこれまでも多くの意見が寄せられています。区議会からも全会一致での意見書を国に提出しております。そして今般、町会長の過半数の署名のもと、要望書が出されました

長谷部区長には渋谷区の首長として民意を見誤ることなく、新ルートの必要性を含め、見直し・撤回の要望を強く申し入れていただきたい。区長のご所見を伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

区長:現時点では見直しや撤回を求める考えはありません

最後に、羽田新ルートについて2点のお尋ねですが、一括してお答えします。

これまでも羽田空港新飛行経路につきましては、国の責任において、引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また、騒音対策や安全対策等に対して、さらなる取り組みの強化を図るよう必要に応じて国に対して求めてまいりました。


議員ご質問の「改めて区民の声を聞き取るべき」とのことですが、これまでも本区は区民の皆様からのご意見・ご要望につきましてお聞きしており、国に対してもしっかりとお伝えしております。また、区といたしましても、これらのご意見・ご要望に対する国の考え方について説明を求めております。国からの情報につきましては、これまで通り、適宜、区のホームページ等でお知らせをしてまいります。


一方で、国においては、新経路の固定化回避に向けた技術的方策に関する議論を行うため、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を設置しました。この検討会では、最近の航空管制や航空機の技術革新を踏まえ、固定化回避に向けて考えられる技術的な選択肢について多角的な検討が行われるとのことです。

区と致しましては、まず、その検討結果を見極めてまいりたいと思いますので、現時点では見直しや撤回を求める考えはありません

堀切稔仁 議員(れいわ渋谷)

堀切稔仁 議員(れいわ渋谷)
堀切稔仁議員(れいわ渋谷、区議3期、東京綜合写真専門学校卒、52歳)

堀切:国土交通省などの関係機関に何か働きかけを行う予定は?

まず第1点目は、羽田空港の都心低飛行問題についてございますけども、令和2年、第2回定例会において、羽田空港増便による都心低空飛行計画の抜本的な見直しを国に求める請願が全会一致で可決されました。

それを受けて、今後、区長または区長会は、国土交通省などの関係機関に何か働きかけを行う予定はあるのかご答弁を求めます。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

区長:必要に応じて国に求めてまいります

まず初めに、羽田空港都心部低空飛行についてのお尋ねです。

昨日の立憲民主党渋谷・小田浩美議員の代表質問でもお答えしましたが、今般、国が羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策について検討を開始したところです。この検討会では固定化回避に向けて考えられる技術的な選択肢について多角的検討が行われるとのことですので、その検討結果を見極めてまいりたいと思います。


本区としては、これまで通り、国の責任において引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また騒音対策や安全対策等に対してさらなる取り組みの強化を図るよう必要に応じて国に求めてまいります

堀切:今まで区長が(国交省に)具体的に言った?

区長に再質問させていただきます。

まず羽田空港ですが、区長は、国に説明とかを求めたりしてるっていうことなんですけど、じゃあこれいつ、どんなようなことが、今まで区長が具体的に言ったんでしょうか

さらにいつどのような返信が区長に対してきたのか、そういう事例をちょっとご説明いただきたいと思います。

区長:ことあるごとに(国交省に)申し上げてます

羽田の件についてですけども、国交省の担当の方とも話しました。これはちょっといつだったか、今、それはすぐにちょっと言えない、わかりませんが、今年に入ってからだと思います。

あとは、いろんな場面で国交省の方と会うことってあるんです。直接、この飛行機の担当じゃない人も含めてですけども。会うたびに申し上げてます。それはどう伝わってるかはそこは、直接のラインじゃないかもしれませんが、ことあるごとに申し上げてます

また区長会を通じて、議題になることもありますし、そのたびに区長会の総意として国交省に申し伝えるよう、そういった行動をとっています。

堀切:(国交省に)民意をキチンと言って頂きたい

羽田のことについては、私も(国交省担当者の)ご意見聞きましたけど。国交省まで私(行ってきました)。市長が先日の議会(第2回定例会)で「あなたが(国交省に)言ってみろ」ってんだけど、私ちゃんと6月議会が終わってから(国交省に)行ってきました。

無所属議員が集まって。向こうの担当者、課長級に会って、国会議員の方々に仲介立ってもらって、都内の無所属議員が集まって(国交省担当者の)意見を聞きました。誰がそもそもこのプロジェクトを許可したのかっていうところで、(国交省の説明では)2人の方が関与していると。一人は副知事、一人は区長会の会長。


しかしながら、だったら、そういうふうに国土交通省が捉えているんであれば、意見を言う場合、私はここ(国交省)へ来て「反対だ」ということを(国交省の担当者に)伝えてきましたけども、海から出て海から入ると。ただそういう計画について出来れば、向こう(国交省の担当者)は「区長にキチンと言っていただきた」と言ってましたんで、今後ともここに上がった民意というものをキチンと区長に今後とも言って頂きたいなと要望しておきます。

須田賢 議員(無所属)

須田賢 議員(無所属)

須田賢議員(無所属、区議3期、元IT業界、立教卒、45歳)

須田:区の立場を明確にするべき

次に、羽田空港の経路変更に係る問題について伺います。

先の定例会では、私が説明議員となった「羽田空港増便による都心低空飛行計画の抜本的な見直しを国に求める請願」が全会一致で可決されました。請願書では、住民の理解を得られたとする国の認識自体が誤りであるとし、ここにいる全ての議員の皆様からご賛同いただきました。

区長は今まで国の判断で対応するべき問題だと仰られていますが、その国の判断が間違っている以上、区民の立場に立って区としても対応していくべきだと考えますが、区長の考えを伺います。


一部の報道では、国土交通省は5年かけて検討すると伝えられておりますが、既に飛行機は渋谷区上空を飛んでおり、多くの区民の皆様から私の方に対処して欲しいとの声が届いております。

区としても速やかに抜本的な見直しを実施するよう国に対して公式の文書として要望書を提出し、区のホームページ等にも掲載して、区の立場を明確にするべきだと考えますが、区長の考えを伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

区長:抜本的な見直しを求める考えはありません

羽田空港の経路変更に関して2点のお尋ねですが、一括してお答えします。

昨日も立憲民主党渋谷・太田浩美議員の代表質問でお答えしたとおり、羽田空港新飛行経路につきましては、国の責任において引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また、騒音対策・安全対策等に対して、さらなる取り組みの強化を図るよう必要に応じて国に求めてまいります。


また、国においては、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会のなかで検討を開始しており、区と致しましては、まず、その検討結果を見極めてまいりたいと思いますので、現時点では、抜本的な見直しを求める考えはありません

雑感

苫議員(共産)

共産党渋谷区議団の撤回スタンスが明確で1ミリもブレていないことは評価できるが、質問内容については大いに改善が求められる。 

小田議員(立憲)

衆議院民主党秘書会の事務局長や立憲民主党秘書会の会長などを歴任してきただけあって、区議1期にしては、ドスの効いたとても迫力のある物言いである。ただ、上半身がゆらゆら揺れているのは不安定感を印象付けるので要改善。
あと、羽田新ルート問題へのスタンスを明確にしていない立憲民主党に所属している議員として、見直しや撤回発言の本気度はどうなのか……。

堀切議員(れいわ渋谷)

毎回切り口を変えて質疑に臨む姿勢は、カジュアルな物言いとともに高く評価していたのだが。

今回は切れ味がイマイチ。事前の勉強不足か……。

須田議員(無所属)

「いちおう羽田新ルート問題を質問してみました」みたいな。

長谷部区長

濱野健 品川区長と違って、自らが答弁に立ち、自分の言葉で説明しようとする姿勢だけは評価できる。

国に丸投げロジックを貫く姿勢にブレはない。

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