南風時にB滑走路から出発する「川崎ルート」では、1時間当たり20回(3分ごと)の頻度で、航空機が川崎区上空を通過することになっている。
神奈川県は、年2~4回、6地点で1週間から2週間の騒音測定を実施し、県のホームページで公表している。
※投稿20年11月13日(更新24年11月30日:24年度第2期分反映)
川崎ルートとは
南風時の15時から19時(うち3時間)、B滑走路から出発する「川崎ルート」では、1時間当たり20回(3分ごと)の頻度で、航空機が川崎区上空を通過することになっている。
川崎ルートで問題になっているのは、騒音もさることながら、コンビナートへの落下物・墜落事故のリスクである。
「FAQ冊子v6.2」の飛行経路図(P107)に、筆者が紫色文字と機影を追記
県民は公表結果にアクセスできる!?
神奈川県は、年4回、6地点で1週間から2週間の騒音測定を実施し、県のホームページで公表している(次図)。
ただ、トップページで周知しているわけでもなければ、広報紙「県のたより」にも掲載されていない。ホームページの階層の奥深いところに埋もれている情報にアクセスできる神奈川県民はどのくらいいるのだろうか。
県公表の航空機騒音データを可視化
測定局6か所
神奈川県が川崎ルート周辺で騒音をモニタリングしている測定局は、次の6か所(次図)。
- 殿町小学校
- 川崎区役所大師分室(~20年度)
- 東門前小学校(21年度~)
- 臨港消防署千鳥町出張所
- 自動車税管理事務所川崎駐在事務所
- 川崎市環境総合研究所
- 川崎生活環境事業所
騒音測定の実績
川崎ルートに係る航空機騒音の測定実績を次表に示す。
測定期間・時期が一定していないし(21年度は第3・4期の測定なし)、風任せとはいえ、測定できた日数もバラバラ(22年度第3・4期はたったの4日!)。たった4日間のデータで騒音発生状況を俯瞰することができるのか。
加えて言うならば、測定完了から公表に至るまでの日数がかかり過ぎ。
最大騒音レベルの経年変化
これまでに公表された騒音データを可視化したのが次図。
川崎ルート直下から約1.2km離れた殿町小学校の最大騒音レベルの最大値は85dBを超えている。
- 羽田空港B滑走路から川崎市方面に離陸する航空機があった日のみ、結果を掲載しています。
- 測定回数及び最大値は、各測定地点において測定された航空機騒音のうち、B滑走路から離陸した航空機に由来すると推定される航空機騒音の測定回数と最大値になります。
(測定結果「備考」より)
騒音発生回数の経年変化
南風運用が増える第1期のデータを元に、騒音発生回数の経年変化を可視化してみた(次図)。
南風運用が実施された日の騒音発生回数は、増加傾向から頭打ちあるいは低下し始めたか……。
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