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羽田新ルート|港区の騒音測定データを可視化※随時更新

南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの運用が開始されたのは20年4月3日。

港区は羽田新ルート周辺で不定期に、短期間、騒音測定したデータを随時公表している。

※投稿21年9月10日(更新21年9月18日)


もくじ

港区が実施した騒音測定の場所・時期

測定場所は必ずしも同じではない(次表)。

港区が実施した騒音測定の場所・時期

測定の場所も時期もバラバラ。せめて測定場所は同じにしてほしいものだ。なぜならば長期的な騒音環境の変化を追跡しにくいからだ。

 

測定場所を次図に示す。

港区の騒音測定

※南風時に都心上空を通過して羽田空港に到着するルートの運用時間帯は、午後(15時から19時、うち3時間)。国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

全ての測定か所の最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移を1枚のグラフに示す。

横軸を騒音測定の実施時期、縦軸を最大騒音レベルの最大値、円の大きさを騒音発生回数の多さとして描いたバブル図を示す(次図)。

全ての測定か所の最大騒音レベルの最大値は、概ね68から78dBの範囲であることが分かる。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

 

さらに、左軸を最大騒音レベルの最大値、右軸を騒音発生回数として、各測定場所を比較したのが次図。

各測定場所とも騒音発生回数の幅が大きい。その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されているためである。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の比較

西麻布いきいきプラザの騒音発生回数がほかの場所よりも相対的に少ないのは、測定場所が首都高から約100mに位置しており暗騒音が高く、「暗騒音+10dBカウント」ルール(後述)が適用されているためと考えられる。よって過小評価されている可能性がる。同様に、やすらぎ会館の騒音発生回数が少ないのは、近くに環状3号線と都営千代田線の駅があるため。

 

港区が公開している資料によれば、騒音発生回数は次のルールのもとに測定されている。

騒音発生回数は暗騒音+10dBの航空機騒音発生回数となります。


※高陵中学校の最大騒音レベルの最大値の上限と同中央値が高いのは、20年9月28日の最大騒音レベルの最大値が80.4dBと異常に高かったことの影響(後述)。

 

小中学校の騒音環境としてはすこぶる悪い。国交省の資料によれば、街路沿いの住宅街の騒音レベルは65~75dB(次図)。

騒音環境と航空機騒音の程度について
国交省のFAQ冊子v6.2(P56)「騒音環境と航空機騒音の程度について」

 

以下、測定場所ごとに最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移を示す。

やすらぎ会館

最大騒音レベルの最大値は70dB前後。騒音発生回数は7~39回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

青南いきいきプラザ

最大騒音レベルの最大値は70~75dB程度。騒音発生回数は12~62回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

西麻布いきいきプラザ

最大騒音レベルの最大値は71~77dB程度。騒音発生回数は10~48回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

高陵中学校

最大騒音レベルの最大値は75dB前後(21年9月28日の80.4dBを除く)。騒音発生回数は10~59回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

※追記21年9月18日

20年9月28日の最大騒音レベルの最大値が80.4dBと異常に高いことについて9月9日、「みなとコールお問い合わせフォーム」港区に照会したところ、9月18日に下記回答メールが送付されてきた。

担当である、環境課環境指導・環境アセスメント担当より回答がございましたのでご報告いたします。

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先日ご連絡いただきました高陵中学校の最大騒音レベル
(80.4dB)に関する詳細について下記の通り回答いたします。

発生日時:2020年9月28日(月)17時58分01秒
機種:B772(大型)
高度:2,158ft

区が委託している専門業者に確認したところ、当日における騒音計の内部音響校正値は、正常値であり、機器の異常はありませんでした

また、騒音レベルが高い理由としましては、大型機でかつ高度が低かったため、普段より高い騒音が発生していたと考えられます

なお、当日の航空機の飛行高度を比較してみますと、最大騒音レベルを観測した航空機が1番低い高度を飛行していることが確認できました

上記の結果から当該の騒音値は、計測器の異常等ではなく、航空機騒音であると考えられます。

港区の回答では、最大値が80.4dBと異常に高いのは、計測器の異常ではなく、大型機が低い高度を飛行したためとされている。

国交省の計画によれば、羽田新ルートは750m⇒600mで高陵中学校上空を通過することになっている。だから高度2,158ft(≒658m)は低かったとはいえ計画の範囲内。この高さであれば騒音レベルは75dB前後なので、やはり80.4dBは異常に高い。機長がエンジンを吹かしたのだろうか……。

白金小学校

最大騒音レベルの最大値は70~75dB程度。騒音発生回数は12~64回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

本村小学校

最大騒音レベルの最大値は70~77dB程度。騒音発生回数は10~58回とかなりのバラツキが見られる(その原因は、日によって時間あたりの飛行機数にバラツキがあることに加え、南風時の運用時間の長短に影響されるため)。

最大騒音レベルの最大値が減少傾向にある一方で騒音発生回数が増加傾向にあるのは(これらの傾向が他の測定か所よりも顕著なのは、本村小学校がルート直下であることの影響が大きい)、飛行機数が増加する一方で大型機の割合が減少したことによるのではないか。

最大騒音レベルの最大値・騒音発生回数の推移

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