不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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2020グッドデザイン賞|分譲マンション(23区)

公益財団法人日本デザイン振興会は10月1日、2020年度のグッドデザイン賞の受賞結果を発表。今年度は4,769件を対象に審査し、1,395件の受賞(受賞企業数974社)を決定。

23区内の分譲マンションで受賞した主な物件は9件。

「審査委員の評価」には苦心の跡が見られる……。


物件名

※総戸数の多い順


プラウドシティ東雲キャナルマークス

プラウドシティ東雲キャナルマークス
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: 野村不動産

物件概要:江東区、15階建て、472戸、20年1月竣工

集合住宅の配置計画は、採光などの条件から、なかなか特徴を出しにくいが、ここでは敷地の広さとのバランスで、奇跡的にオーバルのプランを成立させている。

結果的に生まれた大きな中庭は、この住戸数が集ってこその価値を体現している。

またこの中庭を、1F共用部と連動させて利用するなど、COVID-19の影響によって注目が集まった住近接を先取りした計画も実現しており、暮らしへの新たな価値観の提示という姿勢も素晴らしい。

Brillia Tower 上野池之端

Brillia Tower 上野池之端
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: 東京建物

物件概要:台東区、36階建て、361戸、19年6月竣工

この計画は、不忍池のほとりという唯一無二の敷地にあって、その建ち方には大きな責任と可能性が内在したプロジェクトだったと思われる。

そうした中で、実際の計画ではあえてタワー型を選び、敷地内に空地を確保し、豊かな緑地を生み出す一方、高く目立つボリュームを透明感あるファサードで軽減し、池のもつ反射と呼応するかのような外観を作り上げている設計は、設計者の高い技術力と豊かな感性を感じさせるものである。

プレミスト志村三丁目

プレミスト志村三丁目
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: 大和ハウス工業

物件概要:板橋区、12階建て、284戸、20年3月竣工

住棟から離して、共用棟を独立して配置する計画は新奇なものではないが、暗渠となって敷地内を流れている「蓮根川」を地域に開放する空間とし、そのオープンスペースと一体的に共用棟とその周辺のランドスケープをデザインしており、景観的にも、地域への貢献という意味でも成功している。

地域住民に対して、気持ちのよい歩行者専用の道路がこのような大規模マンションの計画の中に織り込まれる可能性を示している。

住棟が囲む中庭も連動してデザインされればさらに、奥行きのあるランドスケープとなったであろう。

アトラス品川中延

アトラス品川中延
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: 旭化成不動産レジデンス、首都圏不燃建築公社

物件概要:品川区、13階建て、195戸、19年2月竣工

防災は、コミュニティを形成する一つのモチベーションである。災害大国日本においては、その意味するところはさらに深長である。

この計画においては、災害時に避難所になる小学校の敷地と連携し、広場、マンションの集会室が配され、それが日常的にも人が集まりコミュニティを可視化する作りとなっている点が評価できる。

広場と集会所、そして緑化された機械式駐車場の屋根まで、奥行きのあるオープンスペースとして意識することができ、防災目的をとりたてて言わずとも、快適な空間が形成されている。

ZOOM新宿夏目坂

ZOOM新宿夏目坂
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: トーシンパートナーズ

物件概要:新宿区、10階建て、56戸、19年7月竣工

少々扱いづらい敷地形状に対して、むしろそれを活かした外観とユニットプランを実現しており、その設計手腕が素晴らしい。

外観のデザインの中心であるアールのファサード部分は、内部のプランがとても細く、一見すると機能的とは思えないが、吹き抜け付きのメゾネットとすることで、大きな魅力に変えている。

レクシード秋葉原

レクシード秋葉原
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: ジェイレックス・コーポレーション

物件概要:千代田区、13階建て、48戸、20年3月竣工

(前略)共用ラウンジを別棟にした事例は多いが、そのたたずまいは一般的なものとは全く異なっている。

多様な活動を可能にするための余白を残したインテリア、角地に均等に開けられた開口、片流れの勾配屋根、レンガタイル仕上げなどから、ここが地域に根ざした開かれた場所であることが伝わってくる。デザインとは本来そういうもので、それを丁寧に積み上げたデザイナーに敬意を表したい。

また事業主として、単身者住戸にとって重要な地域との関わりを、その場にあった形で模索し、柔軟な運営につなげた点は高く評価された。(以下略)

セントラルレジデンス笹塚

セントラルレジデンス笹塚
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: 住友不動産

物件概要:中野区、11階建て、39戸、20年1月竣工

集合住宅の設計をしていると、最後に困るのがメーターボックスや給湯器、空調の室外機の置き場である。毎回、最初からここを考えておけばよかったと頭を抱えるわけだが、本プロジェクトではまさに最初から設備シャフトを考えていて、むしろ設備機器シャフトのアイデアによって集合住宅が統合されている

住戸から切り離して設備が集約したシャフトを設けることで、廊下が美しくなり、バルコニーから室外機が減り、外観にも面白さや奥行が生まれ、設備機器の更新などのメンテナンス性も増している。(以下略)

ベルシード西綾瀬

ベルシード西綾瀬
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: ベルテックス

物件概要:足立区、3階建て、33戸、20年2月竣工

きちんと地域リサーチをし、そのリサーチから25m2のワンルームマンションをどうやって地域の社会資本にしていけるか、というまっとうな社会課題を核に置いてデザインしている点が評価できる。暮らしの価値観が変容する時代こそ、考え方は本質的であるべきであろう。

本プロジェクトでは2住戸を1ユニットとした構造システムの採用によって将来は50m2まで拡張ができるようにしている構造システム、エントランスポーチを街路に対するポーチとして設計している点、単なる間取りにならないように壁に細長いカウンターを付加するなど、丁寧かつ納得させられる試みを重ねていくことで、普遍的なアイデアにもなっている。

Wellith One Aoyama

Wellith One Aoyama
(C)JDP GOOD DESIGN AWARD

受賞企業: NTT都市開発株式会社

物件概要:港区、7階建て、15戸、19年9月竣工

土地柄から判るように、東京・青山に建つ富裕層向けのマンションである。

7階建てながら、4階以上を順次セットバックさせることで、建物の威圧感を和らげるとともに、バルコニーの植栽により小山をイメージさせる外観となっている。

葛飾北斎による「青山円座松」に触発されたとの事であるが、デザイン監修に海外デザイナーを用い、外国人の購買層を意識しながらも、内外装の素材の選択からもわかるように、華美に過ぎない抑制されたデザインでまとめられているところに好感がもてる。

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