不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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2017グッドデザイン賞|23区内のマンション21件

公益財団法人日本デザイン振興会は10月4日、2017年度のグッドデザイン賞の受賞結果を発表。

 今年度のグッドデザイン賞は1985年以降で最多となる4,495件の応募に対して、1,403件が受賞。うち東京23区内のマンション21件を整理しておいた。

住まいサーフィンの「ユーザー評価」の点数の高い順に列挙。また、上位10件については、「審査委員の評価」を転載(CC BY-ND 2.1 JP)しておいた。


もくじ

TOP10

ザ・パークハウスグラン南青山


【83.0点】(港区、101戸、2016年8月竣工)

表参道という立地でありながら、建物と町のコーナーを意識的にデザインに取り込むことにより、ランドスケープと一体となった街並みが立ち上がっていくことにこのデザインの価値を見出す。エリアに圧迫感を与えず、凛とした佇まいが印象的であることを評価する。
プラウド千代田淡路町

【79.7点】(千代田区、109戸、2016年11月竣工)

比較的コンパクトな間取りの提案として興味ぶかい。凹凸型のプランによってくびれと太めを住戸間に発生させ、特に太めの部分があることで、小規模の住宅プランでおこりがちな細く限られた空間を、ゆとりを持つ空間デザインに変えたことが秀逸である。
プラウドシティ阿佐ヶ谷

【79.2点】(杉並区、575戸、2016年7月竣工)

緑のネットワークと通り抜け通路のランドスケープによって集合住宅の価値が地域の価値ともなっているデザインが評価された。阿佐ヶ谷の環境に対して、かつて阿佐ヶ谷住宅で大切にされていた地域に開かれた外の拡がりを継承し、新たに提供していることが特徴である。通り抜け通路や、点在している緑の空間が住人たちの居場所になっていることが効果的で、今後どう使われ、経年変化と共にどう変わっていくかに期待が持てる。
ガーデンヒルズ四ツ谷迎賓の森

【78.8点】(新宿区、139戸、2016年11月竣工)

外観のデザインで巨大なボリューム感が軽減されており、L字型に作られた外部のテラスと中庭側に作られたモクルーバのファサードの二面性がすばらしい。住民の生活を配慮して、互いの視線を巧妙に避けられながらも、建物全体としては町に開いていくようなデザインが評価された。
プラウドシティ加賀学園通り

【77.0点】(板橋区、363戸、2016年2月竣工)

分譲集合住宅のデザインが一歩進んだ印象を受ける。一般的に、分譲住宅側のセキュリティを上げれば上げるほど、地域に対しては閉ざされたコミュニティとなり、結果的には居住者が地域社会から孤立する。そのような課題に対し、セキュリティのあり方を見直し、建築・ランドスケープのデザインによって解決しようとする好例である。屋敷跡地という地域資源を集合住宅の供給側が利用するにあたっては、地域社会に対する思想が欠かせない。その地域資源は、地域住民が愛着を持ち続け、あるいは維持管理に協力してきた歴史があるからである。そのような思想に基づいた境界デザインによって、結果的には、新しい住民が地域社会に受け入れられていくことになるだろう。
ベイズタワー&ガーデン

【75.2点】(江東区、550戸、2016年9月竣工)

敷地規模でも、建築のつくりかたにも、「統合」というデザインマインドが染み渡っている印象である。新しい街をつくるというコンセプトのもと、敷地の内部に閉じることなく、外部空間や共有ファシリティを、敷地外の隣接プロジェクトに開いている。建築デザインとしても、構造・設備の高度な統合により、開放的で軽快な住空間が実現されている。長きにわたって住み続けられる良質なストックの形成が評価された。
プレミスト白金台

【74.3点】(港区、32戸、2017年3月竣工)

集合住宅の共有部に伝統的な工法や職人のわざを取り入れ、日常的に触れられる空間における日本を継承するデザインが評価された。今後、次世代の職人を育てる中でも伝統的な素材や工法を積極的に使用していく試みは楽しみでもある。また、管理区域に共有される緑をファサードに生かすことが、さらに街のイメージを高めていくのではないか。今後の展開を期待している。
ブランズシティ久が原

【74.3点】(大田区、278戸、2016年12月竣工)

既存樹の全体移植を行いつつ、まとまりのあるランドスケープが提案されている。マンション住民にとっても地域にとってもこの提案により、昔からの土地の記憶が継承されていく好例。生き生きと使われている様が評価された。
ザ・パークハウス市谷甲良町

【74.0点】(新宿区、49戸、2017年1月竣工)

バルコニーと庇がランダムな水平ラインをつくり、全体の量感を抑えるとともに、建物に表情を与え、また暮らしの表情を程よく周辺ににじませている。その場所の歴史的なコンテクストに呼応しようとしたデザインが、集合住宅というスケールの中で、相応しいデザインとすることが案外に難しい中で、この計画は、そうした歴史的な背景と現在の周辺状況をうまくつないだデザインとして成功していると言えるだろう。
ザ・パークハウス東陽町レジデンス

【71.0点】(江東区、39戸、2017年1月竣工)

プランニングに工夫がなされており、水廻りを片側に寄せ、リビング・ダイニングをホール状の空間とすることで、廊下を削減している。そのことにより、大らかな空間性を獲得しているだけでなく、風通しが向上し、機械力に頼りすぎずに居住性を確保することができている。また、空間のいい意味での冗長性は、長く住み続けることを可能にもするだろう。ホール状の大きな空間から各スペースにアクセスするという空間構成自体は建築デザインにおいては一般的ではある。しかしながら、この構成が分譲マンションに導入されていることは、生活者の環境意識を変革するきっかけになるように思われる。

11位以下

シティテラス品川イースト

【70.6点】(品川区、254戸、2016年3月竣工)

イニシアクラウド渋谷笹塚

【68.5点】(渋谷区、42戸、2017年5月竣工)

シティテラス平井

【68.3点】(江戸川区、357戸、2016年2月竣工)

プラウドシティ大田六郷

【64.9点】(大田区、632戸、2017年1月竣工)

ローレルコート西葛西

【64.0点】(江戸川区、30戸、2016年8月竣工)

クレヴィア田端

【63.8点】(北区、33戸、2017年3月竣工)

ピアース初台センティア

【63.0点】(渋谷区、55戸、2016年10月竣工)

イニシア葛西

【63.0点】(江戸川区、32戸、2017年2月竣工)

パークホームズ赤羽西

【61.3点】(北区、160戸、2016年11月竣工)

ZOOM芝浦

【-点】(港区、54戸、2016年12月竣工)

LUXUDEAR高輪

【-点】(港区、39戸、2017年6月竣工)


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