国交省は11月15日、第6フェーズの住民説明会用の資料を公表した。
これまで説明してきた内容に新たに加えられた内容は、主に次の3点。
- 「実機飛行による確認」の実施内容
- 飛行経路の不動産価格への影響に関する調査の結果
- 羽田空港到着機と小型機等との空域の分離
以下、順番に確認してみよう。
筆者コメント(※)を朱書きしておいた。
v6.0
「実機飛行による確認」の実施内容
20年1月30日~3月11日の期間内に、北風・南風それぞれ7日間程度実施される。
資料P14
※これまで実施されてきた「飛行検査」で使われてきたのは6人乗りのセスナ機。「実機飛行による確認」で使われる旅客機は中型機なのか大型機なのか、どこにも記されていない。9月3日渋谷区議会「交通・公有地問題特別委員会」による国交省ヒアリングによれば、「実機飛行確認」で飛ぶのは小型機と中型機まで。大型機は本番(20年3月29日~)まで飛ばないことになっている。
【追記19年11月18日】第6フェーズ住民説明会(19年11月18日@練馬区)の場で、国交省の担当者に確認したところ、実機による飛行検査(実機飛行確認)では、小型機、中型機だけでなく、大型機も使用するとのこと。
飛行経路の不動産価格への影響に関する調査の結果
飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出せなかったという。
3空港(成田、伊丹、福岡)を対象に調査したところ、飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出すことはできませんでした。(P28)
資料P28
※筆者の独自調査によれば、羽田新ルートの高度が低い品川区や港区では、ルート周辺の一部の中古タワーマンションの価格への影響がすでに出ている可能性がある。
詳しくは、「羽田新ルートが不動産価格に与える影響について」参照。
羽田空港到着機と小型機等との空域の分離
南風時の新飛行経路の運用にあたり、航空機が安全に飛行できるよう、羽田空港到着機と小型航空機、回転翼機の飛行する空域を分離するという。
資料P13
※「特別管理空域」を指定し、空域の分離を図るというのだが、100%安全を確保できるのだろうか。事故が起こらないことを祈るばかりだ。
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