「みなとの空を守る会」が主催した羽田新ルートに係る学習会「行政を相手とする訴訟」(11月14日開催)に参加したのでまとめておいた。
学習会の概要
「行政を相手とする訴訟の過去の事例から訴訟と運動の関係をどのように考えるか」
- 日時:11月14日(木)18:30~20:30
- 主催:みなとの空を守る会
- 場所:神明いきいきプラザ(大江戸線大門駅徒歩5分)
- 講師:久保田明人 弁護士(東京合同法律事務所)
- 学習会の狙い:
国は、来年3月末から羽田空港の新ルートでの飛行を開始しようとしています。新たなルートは都心の人口密集地を低空で飛行するもので、騒音、落下物、健康、資産価値の低下等、私たちの生活に大きな影響を与えることになります。今後の運動のために学習会を計画しました。
(「学習会のご案内」より)
久保田弁護士の説明に聞き入る31名
講義の流れは次の通り。
- 訴訟の類型
行政訴訟、民事訴訟 - 過去の裁判例
大阪国際空港訴訟、名古屋新幹線訴訟、基地関連訴訟 - 公共事業に関する訴訟で大切なこと
- 質疑応答・意見交換
学び(訴訟外の住民運動が重要…)
久保田弁護士が何度も繰り返していたのは、「司法消極主義」と「訴訟と訴訟外運動の両輪で進めること」。司法消極主義とは、司法府(裁判所)が立法府や行政府の判断を尊重し、違憲性が明白でない限り違憲審査を行わないこと(Wikipedia)。
国民の声が大きくならないと、裁判所は「受忍限度」や「公共性」を理由に訴えを退ける。だから訴訟だけでなく、訴訟外の運動との両輪で進め、国民の声が大きくなれば、裁判所は国民の声を無視できなくなるという。
国民の声が大きくなった結果、国は勝訴しても、和解に応じた事例が大阪国際空港訴訟と名古屋新幹線訴訟。
訴訟外の住民運動が重要になるというのが久保田弁護士の教え。
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