羽田新ルートの手続きがドンドン進んでいる。この勢いにブレーキを掛ける有効策のひとつとして、大規模なクラウドファンディング訴訟が考えられる。
そこで主なクラウドファンディング・サイトをまとめておいた。
10万人クラウド訴訟
石井国交大臣が8月8日に「地元の理解が得られた」宣言を出して以降、日米の航空当局間協議が8月21日に20年夏期(20年3月29日~)の増便枠を決定したり、国交省が8月23日に飛行検査の日程(8月30日~12月下旬)を公表したり、羽田新ルートの手続きがドンドン進んでいる。
この勢いにブレーキを掛けるには、羽田問題解決プロジェクト(代表者:大村究氏)が掲げる3つの代替案か、年末(?)の衆院選までに、差し止め訴訟を起こすくらいしか手がないのではないのか。
筆者の独自調査によれば、22区で羽田新ルートの影響を受ける住民は100万人を超える。このうちの1%、1万人規模の住民が差し止め訴訟を起こせば、さすがに政府もいったん立ち止まざるを得なくなるのではないか。
クラウドファンディングを活用すれば、原告になることを躊躇する人からも資金が集められる。目標は10万人規模のクラウド訴訟である。クラウド訴訟の主眼は、時間をかけて裁判で戦うことではなく、10万人規模の市民が羽田新ルートに反対の声を上げていることを可視化することで、年内(?)の衆院選を控える政権に見直しを迫ること。
主なクラウドファンディング・サイト
米国のCF:Kickstarterとindiegogo
アメリカの2大クラウドファンディング・サイトといえば、Kickstarter(キックスターター)とindiegogo(インディーゴーゴー)。
Kickstarterは審査が厳格であるが、日本でも利用できる(誰がKickstarterを利用できますか? – ヘルプセンタ)。
indiegogoは日本では利用できない(Indiegogo Help Center)。
日本のCF:乱立気味
国内のクラウドファンディング・サイトは下記のように多数あるが、CAMPFIRE、Readyfor、Makuakeがやや先行か……。
※【 】内の数値は手数料率(支援総額に対する割合。決済手数料を含む)
- レディーフォー【12%(シンプルプラン)、17%(フルサポートプラン)】11年3月29日に開始した日本初のクラウドファンディングサービス
- キヤンプフアイヤー【17%】老舗
- マクアケ【20%】サイバーエージェントグループ
- モーシヨンギヤラリー【10%】目標金額に達しなかった場合には20%
- カウントダウン【20%】
- LIFULLソーシャルファンディング【15%】旧シューティングスター
- ファーボ【月額5万円~+成功手数料8%~11%(←不明瞭)】18年4月キヤンプフアイヤーの傘下に
- グリーンファンディング【20%】CCC(TSUTAYA)グループ
- キビダンゴ【10%】
- A-port【20%】朝日新聞社が運営
上記リストは、板越ジョージ 著『日本人のためのクラウドファンディング入門』フォレスト出版(2015/10/8)の「ひと目でわかる!クラウドファンディング・サイト一覧表」(P122-123)に掲載されている国内10社(1社は撤退)につき最新情報で整理した。
訴訟に特化したクラウドファンディング・サイト
Readyfor VOICE
Readyforは、11年3月29日に開始した日本初のクラウドファンディング・サイト。Readyforは19年2月14日、裁判費用クラウドファンディングReadyfor VOICEを開始。
第1号プロジェクトである「日本で同性婚を求める訴訟」は90日間で目標額5百万円に対して、10,578,000円(支援者数1,172人)を達成(次図)。
同プロジェクト以降、新たな訴訟支援プロジェクトは掲載されていない(8月24日現在)。
CAMPFIRE×enjin(円陣)
CAMPFIREは、Readyforとほぼ同時期の2011年に創業した老舗。
CAMPFIREは18年7月20日、日本初の集団訴訟プラットフォームenjinを運営する(株)ClassActionと提携。enjinで立ち上がった集団訴訟プロジェクトに対して、訴訟費用はCAMPFIREを通じて募るという。(株式会社クラスアクションのプレスリリース18年7月20日)
CAMPFIREサイトで「訴訟」で検索すると訴訟支援プロジェクトが数件ヒットする(8月24日現在)。
たとえば、「netgeek」掲載記事についての名誉毀損などの損害賠償訴訟プロジェクトは2か月で、目標額3百万円に対して3,242,104円(支援者数399人)を達成。
その他
上述のクラウドファンディング・サイト一覧には含まれていないが、訴訟に特化したクラウドファンディング・サイトを以下に掲げておく。
- リーガルファンディング
18年10月スタート。支援金を募ることができるのは、すでに担当弁護士がいて、訴訟に向けて動いている案件のみ。プロジェクトは、訴訟を担当する弁護士以外は立ち上げることができない。
1号案件として、16歳で自殺したアイドル大本萌景さん「ご当地アイドルのパワハラ自殺訴訟事案」の寄付を募集中。目標額3百万円に対して、支援総額2,387,576円・支援者数479人(8月24日現在) - Call4
18年12月スタート。Call4の運営は非営利型の一般社団法人Citizen's Platform for Justiceが担っている。また、在日米国大使館の助成金を運営資金の一部として実施されている。 - リーガル119
18年7月スタート。
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