低金利を背景とした投資需要が旺盛なところに、建設資材の高騰、人手不足による人件費の高騰によって、マンションの建設コストそのものが高騰し続けている。
マンションの工事価格の動向を把握できる代表的な指標のひとつ「建築費指数」の経年変化を可視化する。
※投稿23年7月14日(更新24年9月10日:8月データ反映)
「建築費指数」の経年変化
東京
東京の集合住宅(RC造)の建築費指数の経年変化を次図に示す。
工事原価(ピンク色)は、ロシアによるウクライナ侵攻(22年2月24日)以前の20年12月あたりから急激に上昇。23年に入って一旦落ち着いていたが、6月以降再び上昇し始めた。24年8月は 132.3(暫定値)まで上昇。
大阪
大阪の集合住宅(RC造)の建築費指数の経年変化を次図に示す。
工事原価(ピンク色)は、ロシアによるウクライナ侵攻(22年2月24日)以前の20年12月あたりから急激に上昇。東京とは異なり、更に上昇が続いていた。24年8月は 135.6
(暫定値)まで上昇。
名古屋
名古屋の集合住宅(RC造)の建築費指数の経年変化を次図に示す。
工事原価(ピンク色)は、ロシアによるウクライナ侵攻(22年2月24日)以前の20年12月あたりから急激に上昇。23年に入って一旦落ち着いていたが、6月以降再び上昇し始めた。24年8月は 131.4(暫定値)まで上昇。
主な都市の「都市間格差指数」の経年変化
東京の集合住宅(RC造)の建築費指数(工事原価)を100とした場合の、主な都市の指数の経年変化を次図に示す。
仙台市の指数が2013年から2017年にかけて東京を上回っているのが目立つ(東日本大震災後の復興需要)。
※更新24年6月10日(2023年データ反映)
【参考】建築費指数とは
建築費指数とは、建物を建築する際の⼯事価格の変動を明らかにすることを⽬的に作成された「建築⼯事に関する物価指数」である。 一般財団法人建設物価調査会が「建設物価 建築費指数」として、22年8月2日に商標登録している。
国交省が毎月公表している「建設⼯事費デフレーター」との最大の違いは、「建設⼯事費デフレーター」が全国指数のみであるのに対して、「建設物価 建築費指数」が47 都道府県庁所在都市別に算出されていること(うち全国主要10都市の指数は無償公開)。
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