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羽田新ルート|公聴会の開催時期、公述できる人など(まとめ)

公聴会はいつ開催されるのか?

公聴会には誰が参加できるのか?

公聴会での発言(公述)はどのように扱われるのか?


もくじ

公聴会の開催時期

石井大臣は8月8日、閣議後の記者会見で「地元の理解が得られた」と発言。来年3月29日の羽田新ルート運用開始に向けて、国交省が次に超えるべきハードルは公聴会ということになる。

では公聴会はいつごろ開催されるのか?

じつは、国交省の8月8日の報道発表「2020年3月29日より新飛行経路の運用を開始し羽田空港において国際線を増便します」に添付された「(別紙4)今後のプロセス」に記されている(次図)。

(別紙4)今後のプロセス

「制限表面設定」の上に、「公聴会:2019.10」と朱書きされているのだが、予定告示と決定告示との間に挟まれているので、何を意味しているのか分かりにくい(あえて分かりにくくしている?)。

簡単に補足すると、次のような流れになっている。

  • 19年9月:予定告示
    制限表面に変更を生じる場合には(制限表面については後述)公聴会を開催しなければならない。公聴会開催の10日前までに官報で公示しなければならない(航空法施行規則第81条)
  • 19年10月:公聴会
    羽田新ルートの制限表面設定に係る公聴会
  • 19年11月:決定告示
    公聴会の結果を踏まえ、制限表面設定に係る申請が許可された旨の告示が官報で公示される

公聴会の対象エリア

公聴会の対象エリアはどこなのか?

航空法は、各条文が複雑に絡み合っているので分かりにくい。

結論だけ言えば、延長進入表面(滑走路の延長線15km以内の範囲)が公聴会の対象範囲となる(次図イメージ参照)。

羽田空港についての円錐表面及び外側水平表面の追加
羽田新ルート|教室型説明会の次は公聴会!?」より

【参考メモ】
  • 延長進入表面は、進入区域や進入表面、水平表面や転移表面など、制限表面のひとつ
  • 制限表面とは、航空機の安全な航行を目的として飛行場の周辺空間に設定される面のこと。この面より上の空間に建造物などの物件を設置することは、航空法により原則として禁じられている。

 

滑走路の延長線15km以内に含まれている次の5区が公聴会の対象自治体ということになるのではないか(次図)。

  • 大田区、品川区、目黒区、港区、渋谷区

新宿区や豊島区、中野区は公聴会の対象自治体に含まれていない。

滑走路から15km以内の利害関係
羽田新ルート|騒音影響を受ける区民100万人超」にピンク加筆

公聴会には誰が参加できるのか?

航空法第39条(申請の審査)第2項により、「利害関係を有する者」が参加できることになっている。

(申請の審査)

航空法第39条

  • 1 (省略)
  • 2 国土交通大臣は、空港等の設置の許可に係る前項の審査を行う場合には、公聴会を開き、当該空港等の設置に関し利害関係を有する者に当該空港等の設置に関する意見を述べる機会を与えなければならない。

 

では、「利害関係を有する者」とは誰なのか?

航空法施行規則第80条(利害関係人)により、地方公共団体(=区)だけでなく、地域住民も利害関係を有する者に含まれていることが確認できる。

(利害関係人)

第80条 法第39条第2項(法第43条第2項、法第55条の2第3項及び法第56条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定による利害関係を有する者とは、次に掲げる者をいう。

  • 1 許可の申請者
  • 2 空港等の区域、進入区域又は転移表面、水平表面、延長進入表面、円錐すい表面若しくは外側水平表面の投影面内の区域の土地又は建物について所有権、地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地又は建物に関する権利を有する者
  • 3 前号の区域内に鉱業権、温泉を利用する権利、漁業権、入漁権又は流水、海水その他の水を利用する権利を有する者
  • 4 第2号の区域を管理する地方公共団体
  • 5 空港等を利用する者

公聴会では首長だけでなく、地域住民も発言(公述)できそうだが、必ずしもそうはならない。なぜならば、航空法施行規則第81条の4により、国交大臣に公述人の選定権があり、同類の公述書と見なせば、住民を外すことができるからだ。

(公述人の選定)
第81条の4 国土交通大臣は、公述書の内容が、事案の範囲外にあるか又は同類であると認めるときは、公述の申出をした利害関係人のうちから公述人を選定することができる

 

以上をまとめると、公聴会の対象エリアは5区(大田、品川、目黒、港、渋谷)。公述(発言)できるのは5区の首長のほか地域住民など。ただし、公述人(発言者)の選定権は国交大臣にあるので、必ずしも地域住民が選ばれるとは限らない。

成田空港の公聴会(事例)

実際の公聴会をイメージするために、国土交通が開催した直近の公聴会(成田空港のエプロン・誘導路等の整備)の情報を確認しておこう。

まずは、公聴会の開催前、国交省が17年1月11日に公表した公聴会の案内文書

公述希望者は事前に公述書を提出しなければならないこと(締め切りまで1週間しかない!)、公述内容はあくまでも参考扱い(ガス抜きで終わる?)であることが分かる。

成田国際空港に関する公聴会の開催について

現在、国土交通省では首都圏空港の更なる機能強化を進めており、成田空港については、高速離脱誘導路の整備により、まず、1時間あたりの滑走路処理能力(時間値)を現行の68回から72回へ拡大する計画です。

平成28年12月6日、成田国際空港株式会社から、時間値の拡大に伴い必要となるエプロン・誘導路等の整備について、航空法第43条の規定に基づく変更許可申請がなされましたが、本件については、空港の範囲の変更を生じることから、下記のとおり公聴会を開催いたします。

1.内容

  • 成田国際空港について指定した空港の範囲の変更について

2.開催日時

  • 平成29年1月31日(火) 午後2時~

3.場所

  • 芝山文化センター

4.公述申出

  • 本件に関して利害を有し、公述しようとする方は、公述申込書及び公述書各2部に必要事項を記載の上、平成29年1月18日(水)17時までに必着するよう、郵送にてご提出ください。

5.傍聴

  • 傍聴人の人数は、100人以内とさせていただいており、申込順に選定いたします。傍聴を希望する方は、平成29年1月18日(水)17時までに必着するよう、往復はがきにてお申し込みください。

6.留意事項

  • 公聴会で頂いたご意見は、当該事項変更に関する決定の参考とさせていただきます
  • 公聴会で頂いたご意見に対する個別の回答は致しませんので、予めご了承願います。
  • 公述意見を正確に把握するため、電話等によるお申し込みはご遠慮願います。


次に、公聴会の開催後、国交省が公表した文書(発信日は記載されていない)。

公述人4人(4人とも賛成)の公聴会の結果を踏まえ、申請内容が許可された。

成田国際空港の施設変更許可について

(前略)平成28年12月6日、成田国際空港株式会社から、時間値の拡大に伴い必要となるエプロン・誘導路等の整備について、航空法第43条の規定に基づく変更許可申請がなされ、本件については、空港の範囲の変更を生じることから、平成29年1月31日に公聴会を開催するとともに、所定の審査を行いましたその結果、平成29年3月10日、同申請を許可いたしました。

1.施設変更の概要(別図参照)

  • 空港の範囲変更(約20ha拡張)
  • エプロン新設(約180,000m2)、誘導路新設(約1,900m)
  • 供用開始の予定期日 平成34年1月31日

2.公聴会の概要

  • 公述人:4人(賛成4人)
  • 開催場所:芝山文化センター

4人の公述人の属性は不明。

まとめ

  • 羽田新ルート(制限表面設定)に係る公聴会は19年10月に開催される予定になっている。
  • 公聴会の対象エリアは5区(大田、品川、目黒、港、渋谷)。公述(発言)できるのは5区の首長のほか地域住民など。ただし、公述人の(発言者)の選定権は国交大臣にあるので、必ずしも地域住民が選ばれるとは限らない。
  • 公述内容はあくまでも参考扱い。公聴会が単なるガス抜きで終わる可能性もある。

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