2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する羽田新ルート計画。
埼玉県内の羽田新ルート直下の騒音影響については、これまであまり気にしていなかったのだが、よく調べてみると結構影響がありそうだという話。
国交省の資料では分からない
国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」で公開されているFAQ冊子には23区だけでなく、埼玉県内の羽田新ルート図も掲載されている。ただ、これがとっても分かりにくい、というかあえて分からないようにしているとしか思えない(次図)。
飛行ルートと高度は分かるにしても、どのくらいの騒音が降り注ぐのかは、別の表(あるいはグラフ)と付き合わせなければ分からない建て付けになっているからだ。
(FAQ冊子v5.1.1、P104・105)
国交省の騒音データを可視化してみると…
国交省が公開している「11 川口市」と「12 戸田市、さいたま市」の南風時の新経路案(上図)に、騒音レベルを書き込んで簡略に表現したのが次図。
特に、「A滑走路(悪天時)」(水色)の飛行高度は900mなので、大型機(777-300)の場合、さいたま市の一部(浦和区、南区、桜区)、朝霞市の東側、和光市のルート直下では70dBの騒音が降り注ぐ。
南風時(年間4割)15~19時のうち3時間、「A滑走路到着ルート」は1時間当たり14回(4分17秒ごと)、「C滑走路到着ルート」は1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で上空から騒音が降り注ぐ。
70dB(デシベル)といえば、けっこうウルサイ(次図)。
しかも70dBはあくまでも国交省の推計値。「実際の測定値については標準値からズレる場合がある」と国交省が国会答弁で認めているのでたちが悪い(山添議員は参院「国土交通委員会」の質疑で、国交省の推計値に対して6.4倍の実測値がある事例を指摘)。
羽田新ルート問題は他人ごとと思っている埼玉県民は多いのではないだろうか。
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