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羽田新ルートを可視化する

なぜ、羽田新ルート直下のマンションを選ぶ人がいるのか?

誰でも理解できるようなかたちで羽田新ルートが可視化されていないからだ。


もくじ

なぜ、羽田新ルート直下のマンションを選んでしまうのか?

マンション選びは立地がすべて。騒音や振動の影響を受けたくないので、線路沿いの物件は極力避ける。騒音や振動だけでなく、排ガスの影響も受けたくないので、幹線道路沿いも避けるのが一般的。

では、騒音だけでなく、落下物・墜落事故の危険リスクがある羽田新ルート直下の物件は検討対象から外しているのかといえば、そうはなっていない。羽田新ルートが頭上に設定されているのにも関わらず、新築マンションを選ぼうとしている人達がいる。

なぜなのか?

誰でも理解できるようなかたちで羽田新ルートが可視化されていないからだ。

 

マンションの案内図に線路や幹線道路が描かれていれば、懐具合と相談し、ある程度の騒音影響を承知の上で妥協することはよくある話だ。

でも、残念ながらマンションの案内図に羽田新ルートが描かれていることはない。案内図に羽田新ルートが描かれていないので、その存在を認識することはできないし、たとえ認識できたとしても騒音の影響がどのくらいあるのか分からない。

こうして羽田新ルート周辺のマンションを選んだ人は、2020年を迎えることになる。賃貸マンションならばまだしも、新築や中古マンションを購入した人は悲惨だ。

羽田新ルートを可視化する

羽田新ルートが分かるグーグルマップ

羽田新ルートがどこに設定されているのか、国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」にも地図が掲載されているのだが、これがすこぶる分かりにくい。しかも縮尺が大きいから、検討している物件との位置関係を把握することも困難だ。

何とかならないのかとの思いから、羽田新ルートを簡単にチェックできるグーグルマップを作ったのが約1年前(【保存版】羽田新ルート直下の地域かどうか、簡単に知る方法)。すでに9.7万回のアクセスがあるが(4月12日現在)、もっと多くの皆さんに知ってほしいものだ。

(※南北を走る赤い線は、横田空域の東側境界)


南風時飛行ルート案 - Googleマップ

騒音影響を俯瞰する

23区内では、特に、練馬・中野・渋谷・品川区で多くの区民が騒音の影響を受ける可能性が高い(次図)。

南風時(年間4割)15~19時のうち3時間、「A滑走路到着ルート(下図の左側)」は1時間当たり14回(4分17秒ごと)、「C滑走路到着ルート(下図の右側)」は1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で上空から騒音が降り注ぐ。

区民数百万人が騒音影響
羽田新ルート|区民数百万人が騒音影響…絶望的な未来」より

飛行高度(地域)によって違いはあるものの、羽田新ルート直下から1km離れたくらいでは騒音の影響からは逃れないのである(次図)。

飛行ルート直下からの水平距離と騒音レベルの関係 (飛行高度別)
(同上)

羽田新ルートは埼玉県内も通過する(次図)。

特に、「A滑走路(悪天時)」(水色)の飛行高度は900mなので、大型機(777-300)の場合、さいたま市の一部(浦和区、南区、桜区)、朝霞市の東側、和光市のルート直下では70dBの騒音が降り注ぐ

埼玉県民にも騒音が降り注ぐ
羽田新ルート|埼玉県民にも騒音が降り注ぐ」より

※本資料の作成には慎重を期しているが、精度について保証するものではない。本資料をあなたが利用することによって生ずるいかなる損害に対しても一切責任を負うものではない。念のため。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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