9月に入り、都議会や区議会で平成30年第3回の定例会が開催されている。
羽田新ルート問題につき、本会議での代表質問や一般質問はどのくらい行われているのか整理してみた。
都議会では驚きの事実が……。
- 都議会では羽田新ルートの質問なし!
- なぜ、都議会では誰も羽田新ルートの質問をしないのか?
- 羽田新ルートの質問があるのは4つの区議会
- 羽田新ルートが通過するのに質問がないのは8つの区議会
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都議会では羽田新ルートの質問なし!
都議会では9月26日(水)に代表質問、翌27日(木)に一般質問が予定されている。
さて何人くらい羽田新ルートの質問をしているのかと思って、事前に公表されている「平成30年第3回定例会 質問項目」を見て唖然!
誰も羽田新ルートの質問をしないのである。区民の1割、100万人超が飛行騒音の影響を受ける可能性があるというのに。
なぜ、2日間で18名も議員が立つのに、誰も羽田新ルートについて質問をしないのか?
なぜ、都議会では誰も羽田新ルートの質問をしないのか?
代表質問・一般質問の時間配分を可視化してみると、その理由が見えてくる。
質問者数と質問時間が最も多いのは最大会派の都民ファースト。次いで自民、公明、共産(次図)。
都民ファーストの特別顧問でもある小池都知事は、第1回定例会(18年3月1日)の答弁「2020年までの機能強化の実現に向けて取り組んでまいります」からも分かるように、羽田新ルートの容認派というよりもむしろ推進派。親分が推進派だから、質問に立つ子分の都民ファースト8名は、羽田新ルート問題を取り上げられないのではないのか。
自公はもちろん推進派だから、質問に立つ6名もあえて取り上げようとしないのであろう。
共産党は代表質問1名(38分)、一般質問1名(13分)が予定されているが、質問項目のなかに「羽田」という文字は見当たらない。「猛暑対策」の質問に時間を費やすより、羽田新ルートに時間を割くべきではないのか?
残りの会派、立民1名(14分)と「かがやけ」1名(6分)は、いかんせん持ち時間が少なすぎて、羽田新ルートまで手が回らない。
羽田新ルートの質問があるのは4つの区議会
23区のうち羽田新ルートが通過するのは13の区。ところが羽田新ルートに関連した質問があるのは、未定の品川区を除くと4つの区だけ(次表)。
※品川区では、区長選挙の投票日が9月30日、定例会の一般質問が10月25日・26日に予定されている。
羽田新ルートに関連した質疑応答がある4つの区(予定を含む)の内訳は次のとおりだ。
港区議会(9月12日)
- 大滝実議員(共産):羽田空港への新飛行経路案について
⇒詳しくは、「羽田新ルート|港区議会「第3回定例会」質疑応答全文」参照
大田区議会(9月13日)
- 清水菊美議員(共産):経済最優先の羽田空港機能拡充計画は見直し、区民生活の安全と快適な生活環境を確保することについて
⇒詳しくは、「羽田新ルート|大田区議会「第3回定例会」質疑応答全文」参照
渋谷区議会(9月21日)
- 吉田 佳代子議員(立憲渋谷):羽田空港機能強化に伴う国際線の増便による渋谷区の影響について
- 五十嵐 千代子議員(共産):羽田空港増便に伴う新飛行ルート計画について
江戸川区議会(9月26日)
- 大橋美枝子議員(共産):羽田空港国際線増便新ルート案について
羽田新ルートが通過するのに質問がないのは8つの区議会
羽田新ルートが通過するのに、本会議の代表質問・一般質問で羽田新ルートの問題が取り上げられていないのは8つの区(新宿、江東、目黒、中野、豊島、北、板橋、練馬)。
8つの区議さん仕事してますか?
「委員会で議論しているよ」と反論が聞こえてきそうだが、委員会の議論など区民には届かない。本会議の質疑応答さえなかなか届かないのだから。