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羽田新ルート|港区議会「第3回定例会」質疑応答全文

港区議会の「平成30年第3回定例会」本会議一般質問(9月12日)で、羽田新ルートに関して、大滝議員(共産)と武井区長との間で質疑応答があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約3千文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

大滝議員の質問

大滝実議員(共産)
大滝実議員(共産、区議3期、春日部工業高卒、69歳)

羽田空港への新飛行経路案についてです。
この問題は議会ごとに質問をしています。
区民からの不安や撤回、見直しを求める声が拡がっており、請願も3度区議会に提出されています。

5月24日に熊本空港を離陸した日本航空の旅客機がエンジンの不具合のため、同空港に引き返した事故では、エンジンが損傷し多くの部品が落下しました。病院の窓ガラス損傷やフロントガラスにヒビ等の車両損傷等、11件の被害が発生しています。回収された金属片は136個です。

港区上空で発生したらどれほどの被害になるか、想像するだけでも恐ろしくなります

その後も8月16日には成田空港に着陸したアメリカン航空機から縦横1メートル、重さ約2キロのパネルが飛行中になくなっており、落下した可能性があります。

6月4日の参議院決算委員会で日本共産党の吉良佳子議員が、全国の主要7空港で昨年11月から今年5月の外国航空会社も含む全航空会社が報告をした部品欠落件数を質問したところ、国交省は219件と答弁しています。

1日に3件も発生していることになります。これには氷の落下は含まれません。

国交省は3月に「落下物対策総合パッケージ」として、落下物対策基準の策定、未然防止策の徹底、補償等の充実などを示しましたが、落下物をゼロにすることはできないことを認めています。万が一の墜落の不安もあります。

国内では33年前の日航ジャンボ機墜落事故以来ありませんが、世界では昨年1月から8月の間だけでも着陸に失敗や離陸直後の墜落など7件の墜落事故が発生し、乗客322人が亡くなっています。

都心の人口密集地域での事故となれば想像を絶する大惨事となります。

7月15日に「港の空を守る会」が主催した青山地域での「羽田低空飛行計画 撤回パレード」
は警備の警察官から水分補給を呼びかけられるほどの猛暑の中でしたが、地元の住民を始め多くの参加者が撤回をアピールしました。

第2回定例会には14の町会長・商店会長から計画見直しを求める請願が提出されました。

私たちは強く採択を主張しました。ところが、他の会派は「多くの区民が本計画に意見、疑念、不安を抱いており反対の声が募っている。請願者の訴えは大変理解できる」などと主張しながらも、事実上棚上げとなる「継続審査」にしてしまいました。
傍聴者からも怒り声とドヨメキが起きました。

私たちは区民の皆さんと力を合わせ、計画撤回まで奮闘いたします。区民の不安は解消されてなく、「中止すべき」が多数です。計画案を区民に知らせると同時に、区民の不安解消に向けた対応を国交省に要請していくことが求められています。議会ごとに質問はしていますが、特に今回は、

質問1:区内全域での教室型説明会の開催を国に要請

第2回定例会で教室型説明会を区内全域で開催すること、参加者の質問に正面から答えること、関係町会への説明開催を求めましたが、答弁の中で「地域からの要望等を踏まえ」として、要望のある地域に限定しかねないものでした。区として全地域、関係町会での説明会計画を立て国交省に要請すること

質問2:計画案を強行しないよう申し入れ

4月の区議会としての学習会の中で、国交省は現時点で住民の理解が得られていないことを認めていますし、「中止すべき」は多数の声です。繰り返し、区民等の合意を得ないまま計画案を強行しないよう申し入れること

質問3:区民等への影響など独自の調査

「広報みなと」での新飛行経路案についての広報は、国交省からのお知らせに限らず、計画内容、区民等への影響など独自の調査も行い、わかりやすく繰り返し広報すること

質問4:新飛行経路案の撤回の意思を明らかに

計画実施予定まで2年を切っており、重要な時期です。区長として撤回の意思を明らかにすべきです
答弁を求めます。

区長の回答

武井区長

武井雅昭 港区長(無所属、4期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、65歳)

次に、羽田空港への新飛行経路案についてのお尋ねです。

回答1:未実施の芝地区で開催すること等について国へ強く要請

まず区内全域での教室型説明会の開催を国に要請することについてです。
羽田空港の新飛行経路案につきましては、区が国に対し教室型説明会の開催を強く求めてきた結果、これまで高輪、赤坂青山、港南、麻布地区の4か所において区民等を対象とした教室型説明会が実現をいたしました。
今後もご要望いただいた地域に限定することなく、すでに実施した地域で再度開催することや、未実施の芝地区で開催すること等について国へ強く要請してまいります。

回答2:引き続き区民等のご意見を十分踏まえながら申し入れ

次に、「区民等の合意を得ないまま計画案を強行しないよう国に申し入れること」についてのお尋ねです。
区はこれまでも羽田空港の新飛行経路案については、区民等へのきめ細かな情報提供を行い、十分に納得得たうえで検討を進めるよう国に強く申し入れてまいりました。

今後も引き続き区民等のご意見を十分踏まえながら申し入れをしてまいります。

回答3:区民等への影響調査などは、国が主体的に行うことである

次に、「『広報みなと』による新飛行経路案等の周知」についてのお尋ねです。
区はこれまでも新飛行経路案など羽田空港の機能強化に関する取り組みや計画内容について、随時「広報みなと」やホームページ等を通じ迅速に周知をしてまいりました。

また、安全対策や騒音対策のほか様々な調査等の実施を国に対して要請をしてまいりました。
区民等への影響調査などについては、国の航空政策として進めていくものであり、国の責任において国が主体的に行うことであると考えております。
区は今後も国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化に関わる情報等をわかりやすく丁寧に周知をしてまいります。

回答4:新飛行経路案の撤回を国に求めることは考えておりません

次に、「新飛行経路案の撤回の意思を明らかにすること」についてのお尋ねです。
新飛行経路案については国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て検討を進めるべきものと考えております。区は新飛行経路案の撤回を国に求めることは考えておりません
今後とも区民の安全と生活環境を守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供を行うことなど、引き続き国へ要請をしてまいります。

大滝議員の再質問:是非とも区長から撤回を

まず羽田空港への飛行経路について、区長としての態度の問題なんですけれども、計画実施予定でいくと2020年になっておりますので、来年中には整備が終わるとこういうふうにならないと2020年の実施はできないと思うんですね。

ですから、国交省はいま、説明会と称してオープンハウスでの展示をやっていますけれども、これで納得が得られたといって進めていくんではないかと、こういう不安というか、心配が大変あって、区民の中に不安がますます高まってきているわけです。

今年第1回定例会で提出された7町会と「港の空を守る会」の請願についても新たに3町会長も加わっておりますし、さらに拡がっているという状況なので、是非とも区長から「今やるべきことは区民の安全第一で、撤回」、これを明らかにしていくと、こういうことが求められていることですので、ぜひ再答弁をお願いします。

区長の再回答:国の責任において区民等からの十分な理解と協力を得て進めるべき

羽田空港の新飛行経路案についてのお尋ねですが、羽田空港の機能強化につきましては、国の航空政策として国の責任において区民等からの十分な理解と協力を得て進めるべきものと考えております。

その観点から国に対しても区民等へのきめ細やかな情報提供を行い十分に納得を得たうえで検討を進めるよう申し入れているところでございます。
今後も区民の求めに応じてきちっと説明を尽くすよう求めてまいります。

雑感(第2回定例会の質疑応答とあまり変わらない)

「第3回定例会」の文字起こしをしていて、なんだか以前にも同じような文章に出会った既視感。

3か月前(6月13日)に開催された港区議会第2回定例会の、いのくま正一議員(共産)の一般質問とあまり変わりがないのである。

同議員の質問は、国交省への要求として次の4項目を掲げていた。

  • 教室型の説明会を、すでに1度開催した地域を含め、区内全地域で開催すること
  • 説明会では、参加者の質問に正面から答えること
  • 関係町会への説明会について、適宜開催すると同時に、質問に正面から答えること
  • 港区民、特に、新ルート案の航路下の町会や住民の合意を得ないまま新ルート案を強行しないこと

さらに、「広報みなと」で新飛行ルート案を再周知すべきと訴えていた。

※詳しくは、「羽田新ルート|港区議会「第2回定例会」質疑全文」参照。

いのくま議員(共産)の質問から今回の大滝議員(共産)の質問では何が変わったのか? あえて違いを掲げるとすれば、(1)区民等への影響など独自の調査を行うことを求めたこと、(2)区長に「撤回」の意志を明らかにすることを迫ったこと、だろう。

一方、区長の答弁は、いのくま議員(共産)への回答からほとんど変わっていない。変わったのは、大滝議員(共産)の質問を受けて、区として撤回を国に求め考えはないことが明確になったことである。

筆者の試算によれば、港区民の3割(7万人)が騒音の影響を受ける可能性があるのだが、該当する区民は上記区長の答弁に納得するのだろうか……。 

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