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羽田新飛行ルート問題|各区議会の議論を振り返る

羽田新飛行ルート問題について、「問題解決の主体は国にある」というのが東京都の基本スタンス。小池都知事は「都といたしましては、地域への騒音影響の軽減を引き続き国に求めてまいる所存」と3月1日の定例会で答弁している(都議会での議論を振り返る)。

では、23区の各区議会ではそれぞれどのような議論がなされてきたのか?

各区議会のホームページに公開されている議事録に「羽田」で検索をかけて、主な議論を拾ってみた。

※以下かなりの長文。ポイントのみ知りたい方は、文末の「雑感」をご参照。


もくじ

※以下、敬称略。

千代田区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

中央区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

港区議会:教室型説明会の開催を要望

予算特別委員会(17年3月1日)

教室型説明会の開催を国に要望し、録音・録画についても認めるよう国に伝える(区)。

大滝 実(共産党)
(略)昨年10月19日の高輪区民センターでの開催は、情報提供の場として質問に答えず、赤坂区民センターでの説明会は、赤坂、青山の住民に限定し、他を排除するひどいものでした。(略)

オープン型説明会は、説明したという既成事実をつくるだけのものとしか言えないと思いました。(略)
教室型説明会を開くよう、実施まで繰り返し要請すること。(略)
(略)説明会については、公開のものであるので、録音・録画についても認めるよう要請すること。(略)

 

環境課長

(略)これまでも地域の皆さんの要望を踏まえ、教室型説明会の開催を求めてまいりましたが、引き続き、航路下の青山、麻布、白金、高輪、港南地区での教室型説明会の実施を国土交通省に要望してまいります。
 また、説明会の周知に当たっては、羽田空港機能強化に伴う新飛行経路案の説明ということについてよくわかるように案内することや、説明会の録音・録画等を認めることについての要望があることについても、国土交通省に伝えてまいります。

 

第1回定例会(17年2月17日)

区外の住民は追い返された。質問は途中で打ち切り。録音禁止(区議)。

いのくま正一(共産党)
(略)港区内では、国土交通省の教室型説明会が高輪、赤坂・青山地域で行われました。教室型説明会開催は歓迎しますが、問題は進め方や回答姿勢です。高輪地域では、白金高輪地域の方が質問したのに対して、まともな回答をせず、1時間20分程度で打ち切りました。とにかく「きょうは情報提供の場ですから」と、質問に答えようとしませんでした。赤坂・青山地域の説明会では、説明会の案内文に、赤坂・青山地域にお住まいの方を対象にした情報提供の場と、地域を限定しました。(略)

区外の住民も来ましたが、受付で6人ほど追い返されました。余りにもひどい対応です。新飛行経路案に対して、区内在勤・在学の方が港区にいるときに事故が起きたら大変だと、説明会で聞きたいと思うことは当然です。それを認めなかったのです。
質問にもまともに答えようとしませんでした。質問者が、なぜ答えないのか重ねて問うと、司会者が「他の質問の方もいますので、質問は一度にしてください」などと打ち切り、国土交通省の説明者も「きょうは情報提供の場であり、今後各地で説明会があるので、そちらで資料を使って細かい説明をします」との一点張りです。(略)
国土交通省は、説明や答えを録音することも禁止しました。国の機関が区民等に説明するのに録音もだめとは、一体どういうことでしょうか。マスコミの取材も、説明会開催日の3営業日前に申し込まないとできません。(略)

新宿区議会:試験飛行は困難と国から

環境建設委員会(17年3月14日)

騒音確認のための試験飛行は困難(区)。

近藤なつ子(共産党)

(略)例えば騒音予測って、もうちょっときちんとリアルにデシベルがいいのか、Ldenがいいのか、そういうのはありましょうが、きちんとした一定の幅でどのぐらいの騒音がどういうふうに出るのかという数字としては、ざっくりとしたものにしかなっていないわけですけれども、もうちょっとリアルに、せめて出すべきではないのかとか、そういうことが話し合われた経過はあるんですかね。


環境対策課長

(略)一番いいのは試験飛行させればいいんでしょうけれども、それはちょっとなかなか難しいという回答が国から来ております。あとは予測でどう出してくるかということで、国のほうも大分当初よりは数字出してきましたけれども、これももっと今、委員言われたように、もう少し詳しく出すと。(略)

 

予算特別委員会(17年3月6日)

教室型説明会を国に要望(区)。

佐藤佳一(共産党)

(略)僕はそういう教室型の説明会をぜひやってほしいというふうに、環境対策課でもそういう声は聞いていると思うんですが、その点は国土交通省の受けとめというのはどんな感じだったんでしょうか。

 

環境対策課長

新宿区あるいは羽田機能強化で上空を飛ぶほかの13区がございますが、みんな教室型の説明会という要望はしております。ただ、国土交通省といたしましては、国で専門家の会議も開きまして、疑問のある方に直接国土交通省の職員が個別に対応したほうがいいんではないかという形でオープンハウス型を行ったと聞いております。(略)

 

第1回定例会(16年2月25日)

根本的解決のため、横田空域返還をアメリカ政府に要求することを国に求めるべき(区議)。

川村のりあき(共産党)

(略)こうしたルートを飛ばざるを得ない背景には横田空域の問題があります。(略)横田空域が過密化解消の障害になっていることは明らかです。根本的解決のため、横田空域返還をアメリカ政府に要求することを国に求めるべきと考えますが、御所見を伺います。

 

環境清掃部長

(略)横田空域の返還につきましては、国の航空行政全般にかかわる問題になりますので、今後の国の動向を見守ってまいります。

文京区議会:教室型説明会を要請しない

建設委員会(16年12月5日)

教室型説明会を新たに要請していく考えはない(区)。

金子輝慶(共産党)

(略)文京区においても教室型の説明会を開くよう求めてほしいというふうに思っているわけです。パネル展示型の説明がこれから更に、年末年始かけてやられるというのは聞いていますけれども、港区では教室型の説明会が既に開かれております。そういった対応を是非、文京区からも要請、相談してほしいというふうに思います。

 

環境政策課長

説明会の要望につきましては、昨年6月に国土交通省の航空局航空ネットワーク部に要請しております。そこで、新たな経路上で3,000フィート以下での説明会実施という基準は変えないということですので、説明会については新たに要請していく考えは現時点ではございません
 しかしながら、今もう既に報道はされていますが、来年1月からまたオープン形式で説明会を開催するということがホームページ上で周知されております。

台東区議会:騒音は大きな影響ない

予算特別委員会(16年3月8日)

騒音問題については大きな影響はない(区)。

秋間洋(共産党)

恐らく23区全部が、これにかかわらないところないと思うんですね。心配されるのは騒音とか落下物、あるいは墜落……落下物というかね、そういう……

(略)区がどういうふうに、先ほど協議会にね、参加されているというんですけれども、どのような情報があって、どのように対応をし、どのようにこれからしていこうと思っているのか。

 

環境課長

(略)本区の上空を航空機が通過することはありませんので、騒音問題については台東区一つについては大きな影響はないのかなと考えております。(略)

墨田区議会:70デシベル程度との認識

産業都市委員会(16年9月26日)

「最も大きな飛行機が飛んだとしても70デシベル程度」との認識(区)。

大瀬康介(墨田オンブズマン)

(略)羽田空港からの飛行経路。資料で見ると墨田区上空の6,500フィートを飛行するとあります。6,500フィートだとほとんど影響はないですよね。別に影響はないと思いますが、頻度はどのくらいなのでしょうか。

 

環境保全課長

(略)墨田区は一番低いところでも5,000から6,000フィートの間でして、最も大きな飛行機が飛んだとしても70デシベル程度とのことでございます。便数は1時間に概ね22から23と聞いています。

江東区議会:教室型説明会の実施を要請

区民環境委員会(17年3月10日)

オープンハウス型の説明会は、説明になっていない。教室型の説明会を開催してほしい(区議)。

そえや良夫(共産党)

(略)オープンハウス型の説明会は、説明になっていないのです。若い説明員が来て、いろいろ聞かれると説明していました。でも、答えられない質問があると、「少し待ってください」と言って、どこかに聞きに行くのです。その間、5分なり10分なりは待ちぼうけなのです。そして、ほかの説明員が来ていても、聞くことができません。これがオープンハウス型、パネル展示型の説明会の重大な欠陥です。

ですから、自治会や町会の求めに応じてということではなく、次の説明会については、一堂に会してきちんと答弁してもらい、みんなが一回で聞けるような教室型の説明会を開催してほしいと思います。教室型の説明会を国土交通省に自治会等からの要請があろうがなかろうが、開催してほしいということをぜひ求めてほしいと思うのです。(略)

 

環境保全課長

説明会については御要望として受けとめましたので、国土交通省に速やかにお伝えしたいと考えているところでございます。(略)

 

予算審査特別委員会(17年3月2日)

来場した住民の方々には共有化させないという点で、国土交通省がこのオープンハウス型にこだわる(区議)。

菅谷俊一(共産党)

(略)騒音や落下物などのさまざまな問題に対する認識を、来場した住民の方々には共有化させないという点で、国土交通省にとっては大変都合がいいものであり、国土交通省がこのオープンハウス型にこだわる意図がよくあらわれている説明会だったと私は思っています。(略)

 

環境保全課長

(略)本区といたしましては、機会があるごとに、教室型説明会の開催を引き続き要請してまいります。

区民環境委員会(16年12月6日)

(70デシベル程度は)国土交通省が大したことないからといっても、それをうのみにするのでは困る(区議)。

環境保全課長

(略)国の説明によりますと70デシベル程度で、日常生活に支障がないという説明を受けてございます。(略)

 

そえや良夫(共産党)

(略)70デシベルといったら、電話の音なんか聞こえません。(略)国土交通省が大したことないからといっても、それをうのみにするのでは困るのです。区民の環境を守ってもらわなければならないのです。そこのところを区としても調査をし、区民の立場でぜひお願いしたいと私は思うのです。

品川区議会:教室型説明会の実施を要望

行財政改革特別委員会(17年4月25日)

羽田空港で増やすというのは212万人なので、それを引くと、1,388万人分をほかの全ての空港で増やさなくてはいけないということになる(区議)。

安藤たい作(共産党)

(略)こういう着々と、区民の合意を得ず、既成事実だけ重ねていくような国のやり方というのは、私は間違いだと厳しく抗議をしたいと思います。
(略)
今の国の目標ですと、2,400万人を4,000万人にするということなので、1,600万人増やそうということなのです。1,600万人のうち、羽田空港で増やすというのは212万人なので、それを引くと、1,388万人分をほかの全ての空港で増やさなくてはいけないということになるのですけれども、そういう計画なのでしょうか。(略)

 

都市計画課長

国のほうからの説明の資料がホームページなどで掲載されているものでは、2020年オリンピック・パラリンピック開催以降の方策というのが、考え方として1つ示されております。その中には、滑走路の増設ですとか、あとはこの増設をした上での飛行経路の見直しですとか、いろいろと書いてございます。そういった新たな方策をまた考えていくことになるのではないかと。(略)

 

教室型説明会の開催要望を国に伝えている(区)。

のだて稔史(共産党)

約2,600名が参加したと。延べ人数でいっても、その中で参加したというところで、区民は38万人いるわけですから、そのほんの一部であると。(略)区民に知らせていくためにも、やはりこの請願にもあるように、説明会を行うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

都市計画課長

(略)教室型の説明会を開いてほしい、こういった意見もくまなく国のほうへは伝えているところでございます。

目黒区議会:教室型説明会を国に要求

予算特別委員会(17年3月8日)

教室型説明会を国に要求している(区)。

岩崎ふみひろ(共産党)

(略)オープンハウス式のこの羽田空港増便問題の説明会が開かれました。私も顔を出したときには、ちょうど参加者からスタッフにパネルで国の方針を一方的に提示されてもわからないといったような声とか、スタッフに疑問点や意見を言っても、上に伝えるというだけで責任ある回答がないというような声も上がっていました。(略)

 

青木区長

(略)今のようなオープンハウス方式でなく、教室方式でということを文書で国のほうに要求をしているところでございます。(略)

 

第1回定例会(17年2月20日)

横田管制空域を一部でも返還させるという根本的な解決が必要(区議)。教室型説明会を国に要望(区)。

坂本史子(未来倶楽部)

(略)現状、羽田空港の管制空域西側に横田空域が隣接していて、多くの旅客機が迂回を強いられています。羽田の機能を最大限活用するというなら、首都圏の空に広大に広がる横田管制空域を一部でも返還させるという根本的な解決が必要なはずです。 (略)
国は見切り発車するというのでしょうか。国は住民に説明責任を果たしているとは到底言いがたい。目黒区として単独で、または飛行経路に当たる関係区で共同して、羽田増便計画について、教室型住民説明会を国が必ず実行することについて、区は責任を持って交渉に臨めについて聞きます。

 

青木英二区長

(略)区といたしましては、教室型住民参加の開催等について国に強く要望し、また飛行ルートに当たる港区、品川区、大田区、渋谷区などの近隣区と連携を図って協議を進めるともに、今後も区民への丁寧な説明について、国に対して適時適切に実施するよう要望してまいりたいと存じます。

大田区議会:法律や基準にのっとって職務を遂行

羽田空港を抱えている大田区は他区とは異なり、「羽田空港対策特別委員会」が設置され、数多くの質疑が飛び交っている。

羽田空港対策特別委員会(17年4月18日)

清水菊美(共産党)

データや法律や基準で判断するのではなくて、区民がどう思っているかと、どう感じているかということも図っていただきたいのですが、その辺についてはいかがですか。

環境対策課長

行政機関の役割としまして、国の定めた法律や基準にのっとって、職務を遂行しているということでご理解をいただきたく存じます。


羽田空港対策特別委員会(17年3月7日)

区と国との間に、「海から入って海に出るという至宝のルール」は存在していない(区)。

奈須利江(フェアな民主主義)

(略)国が提案する新飛行ルート案は、大田区民、区議会、大田区行政が、長きにわたり一体となって働きかけて勝ちとった、海から入って海に出るという至宝のルールを手放してしまう重大な方針転換ですとあることに、事実に反しているという理事者見解があったのですけれども、これは、事実に反していると大田区が言う理由は何なのでしょうか。

 

空港まちづくり課長

私は、事実に反しているとは、そういう言葉は、使ってございません。区と国との間に、原則として、このルールが存在していないということで、そこの上に立って勝ちとったとか、至宝のルールという表現は、端的に言って、事実に即さないのではないかということを申し上げました。(略)

世田谷区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

渋谷区議会:オープンハウス型の開催状況を見ていきたい

第1回定例会(17年3月3日)

オープンハウス型の説明会の開催状況を見ていきたい(区)。

牛尾真己(共産党)

(略)住民の強い要望で、品川区や港区では住民が一堂に会して説明を聞き、意見を述べる教室型の説明会を開催させました。当区でも3月11日には地域交流センター恵比寿で国交省による説明会が開催される予定ですが、渋谷区でも教室型の説明会を地域ごとにきめ細かく開催するよう求めるべきです。

 

区長(長谷部健)

(略)国は、継続してオープンハウス型の説明会を開催するとのことですので、まずはその説明会の開催状況を見ていきたいと考えます。今後も、説明会等での国の対応を見ながら、引き続き区長会等の場で、国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策について取り組むように要望していきたいと考えています。(略)

中野区議会:騒音は問題なし

第4回定例会(16年11月25日)

騒音の程度は区民の良好な生活環境を脅かすものではないという認識(区)。

ひやま隆(民進党)

(略)この騒音問題についての区の認識と対策について見解をお示しください。(略)

 

環境部長

(略)騒音の程度はおおむね区民の良好な生活環境を脅かすものではないというふうに認識しているところでございます。(略)

杉並区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

豊島区議会:安全・騒音対策の徹底を国に求める

予算特別委員会(17年3月9日)

安全対策の徹底と、騒音対策に万全を期すことを国にもとめていく(区)。

村上典子(民主ネット)

(略)羽田空港を持っている大田区や、あと成田空港などは、そこに住む住民の方たちが自分たちの生活の安全性を求めるために、長く粘り強い姿勢で国土交通省等と交渉を続けてまいっています。先ほどのNHKのニュースでは、成田空港周辺では車輪をいつ出したかという定期的な観測も、国土交通省や県の自治体が行っているということを確認いたしました。豊島区としても、区民の安全・安心を守る立場ということを引き続き保っていただきたいというふうに思いますが、その辺いかがでしょうか。

 

環境保全課長

(略)何といいましても安全対策の徹底と、一番質問も多かった騒音対策についても万全を期していただく。この2点について継続して求めていきたい

 

第2回定例会(16年6月28日)

議事録をとるのであれば説明には行かないと国交省にいわれた(区議)。

森 とおる(共産党)

(略)国交省が豊島区民に対してとった態度が問題です。議会に対しては、説明に行くが議事録はとらないように。とるのであれば説明には行かないというものでした。5月の議員協議会を中断するという普通では考えられない形で説明がありましたが、私が行った質問に対して、まともに答えようという態度ではなく、説明はしましたよという事務的なものでした。(略)


区長(高野之夫)

(略)区といたしましては、引き続き区民の皆さんに対するしっかりとした情報提供と丁寧な説明を、今後も国に対して強く求めてまいりたいと考えております。 (略)

北区議会:形式(オープンハウス型、教室型)にとらわれず

第2回定例会(17年2月23日)

形式(オープンハウス型、教室型)にとらわれず、わかりやすい説明を求めていく(区)。

のの山 けん(共産党)

(略)国交省には住民の理解をより深めるために、オープンハウス型ではなく教室型の説明会開催を求めるべきと考えますが、いかがですか。


生活環境部長

(略)説明会は、形式にとらわれず丁寧に説明し、区民の皆様に正しく理解していただくことが何より大切と考えており、引き続き区民の皆様へのわかりやすい説明を求めてまいります。 (略)

 

別の方法(米軍横田基地の横田空域の全面返還)機能強化を求めることは考えていない(区)。

福田光一(新社会党)

(略)国土交通省にオープンハウス型でなく、教室型の説明会を開くよう求めてください。こうした危険な新ルートをとるのではなく、別の方法で、例えば今回一部返還などが議論されていますが、米軍横田基地の横田空域の全面返還などを行うことなどでの機能強化を模索するよう国に求めてください。(略)


生活環境部長

(略)説明会は、形式にとらわれず丁寧に説明し、区民の皆様に正しく理解していただくことが何より大切と考えております。(略)
(略)区といたしましては、別の方法で機能強化を求めることは考えておりませんが、今後も万全の安全対策や最新技術の導入による環境影響の抑制など、3年後の運用開始に向け、適切な対応を求めるとともに、引き続き区民の皆様への正確で丁寧な情報提供を国土交通省に求めてまいります。

荒川区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

板橋区議会:国がオープンハウス型に拘る理由

区民環境委員会(17年1月24日)

中には大きく反対していらっしゃる方、そういう方も大勢参加されて、正常な運営ができなかったようなところも聞き及んでいる(区)。

しば佳代子(公明党)

今、区としても説明会の方法として教室型を要望していくということなんですけれども、国は教室型ではない方法で行っている。これはなぜそのようになっているのか。区としては教室型としての要望を、何を求めているのかを教えていただけますか。


環境課長

大田区とか港区、それから新宿区等でも開かれたように聞き及んではおるところでございますが、やはり冷静にいろんなことを聞きたいという方もいらっしゃるんですが、中には大きく反対していらっしゃる方、そういう方も大勢参加されて、正常な運営ができなかったようなところも聞き及んでいるところでございます。ですから、そういったところを総合的に国は勘案して、きちんといろんな質問をしたい方にマンツーマンでお答えができるような体制、こちらがいわゆるオープンハウス型での説明会が有効な理由として挙げられているところでございますので、そういう判断をされた結果ではないかと考えております。

練馬区議会:教室型説明会の開催を国に求めていく

第1回定例会(17年2月13日)

教室型説明会の開催を国に求めていく(区)。

やくし辰哉(共産党)

(略)オープンハウス型だけでなく、区民が一堂に会する教室型での説明会の開催も併せて求めていただきたいと思います(略)
(略)そもそも羽田空港は、航空機は内陸に航路をとらない、6,000フィート以下の高度で飛ばないルールが確立された歴史的な経緯があります。また、そのもとで住民の安全で安心な生活が確保されてきたことを重視し、羽田空港増便計画による新低空ルートの再検討、撤回を国、国交省に求めるべきです。(略)

 

環境部長

(略)教室型説明会の開催については、これまでも国に対して求めてまいりました。今後は、騒音などの影響や対策についての周知活動を更に強化するよう要請していきます。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、羽田空港の機能強化は、東京の国際競争力を高め、都民が航空機を利用する場合の利便性を向上するうえで必要なことであり、協力していく考えです。(略)

足立区議会:質疑は低調

羽田新飛行ルートに係る質疑はほとんどない。

建設委員会(16年10月18日)

数少ない質疑は、自民党区議から。

鹿浜昭(自民党)

これの飛行機の羽田空港、何点かちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、今、何ですか、新たに変わったかと思うんですけれども、以前とどんな変わりようなんでしょうか


企画調整課長

(略)南風時ということで、あるシチュエーションを限定してルートを検討して発着数を増やすというような形になってございます。(略)

葛飾区議会:特になし

※特記すべき質疑はなし

江戸川区議会:コミュニティミーティング型を国に求めていく

生活振興環境委員会(17年5月8日)

コミュニティミーティング型(対話を通じて意見交換を行う手法)説明会の開催を国に求めていく(区)。

伊藤ひとみ(生活者ネットワーク)

羽田空港協会についての第3フェーズの説明会を5月中に地域が終了するということでしたが、ミーティング型の説明会の開催については、何か進展はあられたんでしょうか。

 

環境推進課長

(略)国が今オープンハウス型の説明会を進めております。それが終わり次第、コミュニティミーティング型という方向へ我々も要望していくところでございます。(略)

雑感

国交省は羽田新飛行ルート計画を広く市民に伝えたくない!?

各区議の質疑を拾っていくと、国交省が羽田新飛行ルート計画を広く市民に伝えようとしていないように感じられる。

そう感じた理由のひとつは、専門家会議のお墨付きを得た形となっているオープンハウス型の説明会の開催に拘っていること(羽田新飛行ルート説明会|今年度も「オープンハウス型」だけ)。

オープンハウス型は、「来場した住民の方々には共有化させないという点で、国土交通省にとっては大変都合がいい」(江東区区議)

オープン型説明会ではなく、教室型説明会を国に要望しているのは、少なくとも8つの区(港区、新宿区、江東区、品川区、目黒区、北区、板橋区、練馬区)。
ただ、なかには、教室型説明会を新たに要請していく考えはない(文京区)、オープンハウス型の説明会の開催状況を見ていきたい(渋谷区)といった区もある。

国交省が羽田新飛行ルート計画を広く市民に伝えようとしていないように感じられる二つ目の理由は、区外の住民が受付で6人ほど追い返されたり、録音・録画が禁止されたりしていることや、マスコミの取材は説明会開催日の3営業日前に申込みが必要である(港区区議)としていること。

70デシベル程度は問題ない!?

新飛行ルートが通っていない台東区が「騒音問題については・・・大きな影響はない(環境課長)」というのは理解できる。

でも、新飛行ルートが横切ることになっている区で、「最も大きな飛行機が飛んだとしても70デシベル程度(墨田区環境保全課長)」とか、「騒音の程度はおおむね区民の良好な生活環境を脅かすものではない(中野区環境部長)」とか言っていていいのだろうか。

横田空域返還で問題解決!?

羽田新ルート問題を解決するために、米軍横田基地の空域返還を訴えている区議が複数いる。

  • 根本的解決のため、横田空域返還をアメリカ政府に要求することを国に求めるべき(新宿区 川村のりあき(共産党))
  • 首都圏の空に広大に広がる横田管制空域を一部でも返還させるという根本的な解決が必要(目黒区 坂本史子(未来倶楽部))
  • 米軍横田基地の横田空域の全面返還などを行うことなどでの機能強化を模索するよう国に求める(北区 福田光一(新社会党))

かつて石原都知事が横田基地の「全面返還」や「軍民共用化」を掲げていたことがあったが、小池都知事には難しそうだ。

共産党区議からの質疑が最多

今回、各区議会の議事録に「羽田」で検索をかけて、主な議論を拾った。特に会派を指定したわけではない。

でも、結果的に共産党が17件で最も多かった。自民、公明、民進は各1件、その他会派は6件。共産党区議以外は、この問題に関心がないのか・・・・・・。 

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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