全国でAirbnbサイトで表示されていた物件のうち、少なく見積もっても76%以上が違法民泊(無届民泊)であった。
京都市や大田区・台東区の違法民泊率が低いのはなぜか……。
民泊新法施行前、全国Airbnb 76%以上が違法民泊
観光庁の6月1日付の「違法物件に係る予約の取扱いについて通知」を受け、届出番号が入力されていない民泊は6月2日、Airbnbサイトから一斉に非掲載となった。
その結果、全国でAirbnbに表示されていた物件数52,421件(集計日6月2日)が、12,789件(集計日6月3日)に。1日で4万件(▲76%)近く減少した(全国Airbnb表示件数、1日で4万件(▲76%)減少)。
民泊新法が施行された6月15日以降、Airbnbに表示された物件のなかには、虚偽届出物件も含まれていることが明らかになった(Airbnbが届出番号の表示を開始したのだが…)。
これらのことから、全国でAirbnbサイトで表示されていた物件のうち、少なく見積もっても76%以上が違法民泊(無届民泊)であったといえる。
それでは、都道府県別ではどうだったのか?
民泊新法施行前、23区Airbnb 88%以上が違法民泊
6月2日現在でAirbnb表示件数が多い上位10都道府県の合法民泊・違法民泊の件数、違法民泊率(全民泊件数に占める違法民泊件数の割合)を可視化したのが次図。
東京23区の違法民泊率88%は全国平均の76%よりも高い。
特徴的なのは、京都府(京都市)と長野県の違法民泊率が低いこと。
なぜか?
京都市は、門川大作市長のリーダーシップのもと違法民泊対策が功を奏して、違法民泊が簡易宿泊所(=合法民泊)にシフトしていたこと(次図)などの影響が大きい。
「全国Airbnb登録件数、1日で4万件(▲76%)減少」より
また、長野県のほうは、2年前に軽井沢町が民泊認めない方針を打ち出したり(軽井沢町でも”民泊NO!” )、もともと白馬村や野沢温泉村に民泊物件が集中していて(長野内Airbnb登録物件、白馬村と野沢温泉村に多い)、その多くは簡易宿所(合法民泊)だったからではないのだろうか。
大田区・台東区の違法民泊率が低い理由…
東京23区の合法民泊・違法民泊についても確認しておこう(次図)。
23区の平均違法民泊率は87.2%。
特徴的なのは台東区と大田区の違法民泊率が低いこと。
大田区の違法民泊率が低いのは、全国に先駆けて2年前に特区民泊制度を導入し、合法民泊の受け入れを進めてきた影響であろう。
ではなぜ、台東区の違法民泊率も低いのか?
外国人の人気スポット浅草を抱える台東区では、2年も前にワンルームや一軒家の貸し出しなどの民泊を排除する条例(東京都台東区旅館業法施行条例の一部を改正する条例)を施行したことの影響が大きそうだ(台東区で「民泊待った!条例」可決)。