2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する「羽田新飛行ルート問題」。
昨日のブログ記事で、落下物・墜落事故、騒音問題、不動産価値への影響などが気になる人のために、羽田新飛行ルート直下の地域かどうか、簡単に調べられる地図(グーグルマップ)を紹介した。
羽田新飛行ルート直下の新築マンションは何件?
マンション選びをしている人にとって、この羽田新飛行ルート直下はできれば避けたいところだろう。
東京23区の新築マンションの件数は次のように、サイトによって幅がある(6月26日現在)。
このうち何件の新築マンションが、羽田新飛行ルート直下周辺で販売されているのか?
これらのサイトに掲載されている物件の位置情報(住所)は、いちいち「物件概要」のページまでひも解いていかないと分からない(分析作業に手間がかかる)。
そこで、物件数は少なくなるが、最初のページに番地まで表示されている「メジャーセブン」サイトのデータを利用することにした。
「メジャーセブン」は、大手不動産会社7社(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)が共同で運営している新築マンション情報サイト。
羽田新飛行ルートマップに、メジャーセブンに登録されている23区内の新築マンション72件(6月26日現在)を落とし込んでみた(次図)。
(※本図は非公開)
たとえば、上図の広尾周辺を拡大したのが次図。
A滑走路到着ルート直下、C滑走路到着ルート直下、それぞれ1件ずつ販売中の物件が確認できる。また、両ルートに挟まれたエリアにも5つの物件が確認できる。
メジャーセブン72件のうち、羽田新飛行ルート直下周辺は9件
メジャーセブンに東京23区で登録されている72件のうち、何件が羽田新飛行ルート直下周辺で販売されているのか?
羽田新飛行ルート直下から500m以内のエリアで販売されている新築マンションの件数を数えてみた。
結果は、次のようにA・Cルート合わせて9件。
- A滑走路到着ルート:5件
ルート直下にあるのは1件(しかも総戸数56戸、9階建ての億ション!)。
ルート直下より450mほど離れたところにタワーマンションが1件(総戸数635戸、29階建て)。 - C滑走路到着ルート:4件
ルート直下はゼロ。
ルート直下より400mほど離れたところにタワーマンションが1件(総戸数172戸、27階建て)。
メジャーセブン72件のうち、羽田新飛行ルート直下周辺で販売されているのは9件であることが確認できた。
SUUMOに登録されている23区の新築マンションは573件だから、かなりの数の物件が羽田新飛行ルート直下周辺で販売されていることが予想される。
マンション選びに必須! 羽田新飛行ルートマップでチェック
ところで、これらのマンションの重要事項説明の際に、羽田新飛行ルートに近いことはキチンと説明されているのだろうか?
品川区議会で都市環境部長は、航空機騒音防止法は重要事項説明の対象とはなってはいないが、「判例などを踏まえると、一般的に生活に支障を来す場合には、義務ではないが、説明する必要があるとされております」と答弁している。
※詳しくは、「羽田新飛行ルート|不動産取引時の重要事項説明に含まれるのか?」ご参照。
ただ、羽田新飛行ルートの件が重説で行われたというような話は聞かない。
また、羽田新飛行ルート直下の新築マンションを紹介している物件のホーム―ページをみても、その旨が表示されているケースをみたことはない。
これからマンション選びを始める人は、「【保存版】羽田新飛行ルート直下の地域かどうか、簡単に知る方法」でチェックすることが必須になる……。