民泊仲介サイトのAirbnbは6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に合わせ、届出番号の表示を始めた。
Airbnbに登録されている物件数と自治体への届出件数にギャップがあるのはなぜか、という話。
Airbnbが届出番号の表示を開始したのだが…
民泊仲介サイトのAirbnbは6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に合わせ、届出番号(免許番号/登録番号)の表示を始めた(次図)。
全ての物件に届出番号が表示されているのかといえば、そうではない。
たとえば、Airbnbサイトで「渋谷区」検索すると306件超(6月16日現在)表示される(18件×17を超えると「検索結果300+」と表示される)。
一方、渋谷区がHPで公開している「渋谷区内の住宅宿泊事業の届出住宅の一覧」をみると、「住宅宿泊事業届出住宅(事前届出状況) 」(6月5日現在)として、50件が掲載されている(次表)。
Airbnbに登録されている物件は306件超(6月16日現在)。渋谷区に届出があった物件は50件(6月5日現在)。タイムラグがあるとはいえ、このギャップは何なのか?
Airbnb登録件数と自治体届出件数とのギャップを解明!
渋谷区でAirbnbに表示されている306件の届出番号(免許番号/登録番号)をすべて調べてみた。
表示内容は、以下に説明するように、「M13*******」、「Exempt」、「M13*******」以外の番号、の3つに区分されていることが分かった。
1.「M13*******」
届出番号9ケタのうち、頭の「13」は東京都のコード番号を意味している。「M」は民泊(Minpaku)の頭文字なのであろうか。
建物もホストも違うのに届出番号が同じという物件(入力ミス?)も含まれている。
Airbnbに表示された306件のうち、79件(26%)がこれに該当する。
2.「Exempt」
「Exempt」の和訳は「免除」を意味するのだが、Airbnbサイト上の取り扱い上は「法的根拠」に相当する情報を入力すると表示されるようだ(←本ブログ読者からの情報などを参考に、下線部を修文した。6/22)。
なぜ、届出番号の欄に「Exempt」が表示されているのか?
考えられるのは、民泊の手続き中である物件や、ホテル・旅館、簡易宿所など旅館業法に則った合法民泊の場合のほか、「法的根拠」を偽装した物件(6/22下線部を追記)など。
306件のうち、161件(53%)がこれに該当する。
3.「M13*******」以外の番号
「M24*******」や「M63*******」、「M000000***」や「S000****」など、「M13*******」以外の番号が表示されている。
これらの番号は少なくとも、住宅事業法上の民泊の届出番号には該当していない(都内の民泊の届出番号はM13で始まるからだ)。
「M13*******」以外の番号が何を意味しているのかは不明だ(どなたかご存じないだろうか?)。
ただ、「M123456789」というような明らかな虚偽登録(5人、9物件)や、建物もホストも違うのに届出番号が同じという物件(入力ミス?)も含まれている。
306件のうち、66件(22%)がこれに該当する。
以上の3区分の割合を可視化したのが次図。
「Exempt」(法的根拠)が半数あまりを占めている。
自治体担当者はAirbnbに掲載された届出番号を要チェック!
Airbnbサイトに届出番号(免許番号/登録番号)が表示されるようになったとはいえ、今回の筆者の調査で、虚偽情報を登録しても、入力ミスであっても、Airbnbサイトに機械的に表示されていることが確認できた。
やはりAirbnbはノーチェックだったのだ。自治体の民泊担当者は逐一チェックする必要があろう。
Q. 故意に虚偽の情報を登録した場合どのようなことがおこりうるか、教えて下さい。
A. かかる行為は禁止されています。重要なこととして、住宅宿泊事業法は、ホストに対して自らの届出番号を記入して通知することを求めています。
Airbnbでは、メールアドレス、届出に使用された氏名、届出に使用されたリスティングの住所の記入を求めます。ご提供いただいた届出番号その他の許認可等は機械的にリスティングページに表示され、表示された情報は(ページを閲覧する)国や自治体の行政機関が正当なものか視認することを助けます。(以下略)