観光庁の6月1日付の「違法物件に係る予約の取扱いについて通知」を受け、届出番号が入力されていない民泊は6月2日、Airbnbサイトから一斉に非掲載となった。
全国でAirbnbサイトに登録されている(表示されている)物件数につき、緊急調査を実施した。
- 【全国】Airbnb登録件数の概況
- 【東京23区】1万6千件から2千件に(▲88%減)
- 【大阪市】1万1千件から2千500件に(▲78%減)
- 【京都市】5千件から2千300件へ(▲53%減)
- 雑感
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【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数5万2千件から1万3千件へ、1日で4万件近く減少
全国でAirbnbに登録されていた物件数52,421件(集計日6月2日)が、12,789件(集計日6月3日)に。1日で4万件(▲76%)近く減少した(次図)。
(Airbnb登録件数データは、AirbDatabankデータを筆者集計。以下同様)
1位大阪2,494件、2位京都2,338件、3位東京2,004件
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングも大きく変わった(次図)。
これまで1位だった東京3位に後退。
Airbnb登録件数の都道府県別シェアは、これまで東京が3割あまりを占めていたが、16%に減少。
【東京23区】1万6千件から2千件に(▲88%減)
東京23区のAirbnb登録件数は16,596件(集計日6月2日)から2,004件(集計日6月3日)へ大幅に減少(▲87.9%%)した(次図)。
東京23区では、Airbnbの登録件数が新宿・渋谷で激減。新宿が辛うじて1位(303件)をキープしたが、2位の台東区(293件)とは僅差(次図)。
【大阪市】1万1千件から2千500件に(▲78%減)
大阪市のAirbnb登録件数は11,375件(集計日6月2日)から2,494件(集計日6月3日)へ大幅に減少(▲78.1%)した(次図)。
大阪市内のAirbnb登録件数も激減したが、中央区(781件)と浪速区(494件)が相変わらずツートップ(次図)。
【京都市】5千件から2千300件へ(▲53%減)
京都市内のAirbnb登録件数も5,019件(集計日6月2日)から2,338件(集計日6月3日)へ大幅に減少(▲53.4%)した(次図)。
大幅に減少したとはいえ、京都市内でAirbnbの登録件数が最も多いのは下京区(576件)であるとこに変わりはない(次図)。
雑感
Airbnbの違法民泊は7割超!
全国Airbnb登録件数が1日で約4万件(▲76%)も減少した。ということはこれまでAirbnbサイトには76%もの違法民泊物件が表示されていたことを意味する。
東京は88%(16,596⇒2,004件)、大阪は78%(11,375⇒2,494件)、京都は53%(5,019⇒2,338件)の違法民泊が表示されていたのだ。
東京・大阪と比べて京都の違法民泊の割合が少ないのは、門川大作市長のリーダーシップのもと違法民泊対策が功を奏して、違法民泊が簡易宿泊所(=合法民泊)にシフトしたこと(次図)などの影響が大きいのではないか。
現在Airbnbに表示されている物件はすべて合法民泊なのか?
今回の調査で6月2日以降、届出番号が入力されていない物件はAirbnbサイトで表示されなくなったことは確認できた。
では、現在表示されている12,789件はすべて合法民泊なのか?
じつは、虚偽情報を登録してもAirbnbサイトに機械的に表示される(Airbnbはノーチェック)。行政機関が逐一チェックしなければ、違法民泊が放置される可能性があるのだ。
Q. 故意に虚偽の情報を登録した場合どのようなことがおこりうるか、教えて下さい。
A. かかる行為は禁止されています。重要なこととして、住宅宿泊事業法は、ホストに対して自らの届出番号を記入して通知することを求めています。
Airbnbでは、メールアドレス、届出に使用された氏名、届出に使用されたリスティングの住所の記入を求めます。ご提供いただいた届出番号その他の許認可等は機械的にリスティングページに表示され、表示された情報は(ページを閲覧する)国や自治体の行政機関が正当なものか視認することを助けます。(以下略)