16年度中に全国で営業した「簡易宿所」が前年度から2390施設増え、過去最多の2万9559施設だったことが10月26日、厚生労働省の集計で分かったという。
「簡易宿所」最多に、民泊影響か(共同通信)
16年度中に全国で営業した「簡易宿所」が前年度から2390施設増え、過去最多の2万9559施設だったことが10月26日、厚生労働省の集計で分かったという。
「簡易宿所」最多に、民泊影響か
2016年度中に全国で営業した「簡易宿所」が前年度から2390施設増え、過去最多の2万9559施設だったことが26日、厚生労働省の集計で分かった。国は16年4月、簡易宿所の許可を取る形で、一般住宅に観光客らを有料で泊める「民泊」を解禁しており、同省は「施設数の増加につながったのではないか」としている。(以下略)
(共同通信 10月26日)
簡易宿所の施設数は長野県がダントツ
厚労省が毎年公表している『衛生行政報告例』のなかに、都道府県別の簡易宿所の施設数データが掲載されている。
簡易宿所の施設数が400件以上ある自治体を次図に示す。
長野県(3,514件)がダントツ。2位沖縄件(2,898件)、3位京都府(1,945件)、4位北海道(1,847件)と続く。
京都では、この2年で簡易宿所が急増
03年度以降の『衛生行政報告例』公表データまで遡って、簡易宿所の施設数の推移を可視化してみた(次図)。
なお、対象とした都道府県は、「全国Airbnb登録件数 5.3万件(前月比0.5%増)」より、Airbnb登録件数の多い、北海道、東京、大阪、京都、沖縄とした。
Airbnb登録件数の推移を勘案すると、上図から次のことがいえるのではないか。
- 沖縄では、7年前から簡易宿所が増加し続けている。15年度から更に増加の勢いが増しているのは民泊の影響ではないか。
- 京都では、この2年で簡易宿所が急増している。京都市の民泊規制強化策のもと、違法民泊の一部が簡易宿所(=合法民泊)に生まれ変わっているのであろう。
- 北海道では、10年以上前から簡易宿所が漸増し続けている。倶知安や岩見沢など、ウィンタースポーツを楽しむ人々を受け入れるための小規模な簡易宿所が増えているのではないか。
- 東京・大阪では、この2年間で簡易宿所が微増。京都市と違って、行政が積極的には簡易宿所を奨励していないためなのかもしれない。