来年6月15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)に向けて、東京23区内では、次の11つの区で民泊条例の骨子案などが示されたことが観測されている。
23区でAirbnbの登録件数が下から7番目の足立区(約320件、12月1日現在)では、民泊条例の検討はどの程度進んでいるのか?
ヒントは、足立区議会の答弁にある。
平成29年第4回定例会(12月4日)で、鈴木あきら議員(民進党)の民泊関連質問に衛生部長が答弁しているので、インターネット議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化しておいた。
結論を先に言えば、平成30年3月までに条例化を目指すようだ。
※質疑応答の詳細を読む時間のない方は、最後の「まとめ」をお読みください。
鈴木議員(民進)の質問
質問1:民泊の実態把握状況
住宅宿泊事業法、民泊新法が来年6月15日に施行されますが、当区の準備が遅いように感じます。世界大手のAirbnbが国内登録室数を大きく拡げ、楽天も新たに参入するなど、今後の各自治体のチェック体制が急務となります。
区内の民泊の件数や位置、苦情などの実態状況を区はどこまで認識してるのでしょうか。
質問2:民泊への対策
住民生活環境に悪影響を与える可能性や、区のチェック体制のスキル・人員両面の確保など、どのように認識し、また対策をしているのでしょうか。
質問3:民泊条例の制定について
新宿区と大田区では今定例会で条例制定を目指し、世田谷、文京、中野区も来年第一回定例会で条例制定を目指しています。
内容は各区で違いはありますが、当区でも当区に合った民泊に対する条例制定を早急に進めるべきですが、答弁を求めます。
衛生部長の回答
回答1:区内の民泊約200件、位置は把握していない
区内の民泊の件数は大手民泊サイト上では約200件とされており、位置については住所などが当サイトには表示されていないため把握しておりません。
区に寄せられた苦情件数は平成27年度は4件、平成28年度は23件、平成29年度は11件です。回答2:平成30年度に専管組織を設置
次に、住民生活環境に影響を与える可能性や区の対策についてお答えいたします。
民泊は地域の活性化や経済効果が期待される一方で、利用者による騒音やゴミ出しのルールが守られないなど、区民の生活環境への影響が懸念されます。
区の対策としては平成30年度に衛生部に専管組織を設置し、行政による適正なルール作りとともに、関係部署による役割分担の明確化と連携体制を構築して参ります。回答3:平成30年度(?)第1回定例会での条例制定を目指す
次に、条例につきましては、国や周辺区の動向を注視しつつ、平成30年度(?)第1回定例会での制定を目指して取り組んで参ります。
まとめ
議員の「当区に合った民泊に対する条例制定を早急に進めるべき」という提案に対して、衛生部長は下記のように、平成30年度第1回定例会での制定を目指すと答えている。
「平成30年度第1回定例会」が「平成30年第1回定例会」の誤読だとすると、平成30年3月までに条例化されることになる。
- 国や周辺区の動向を注視しつつ、平成30年度(?)第1回定例会での制定を目指して取り組んで参ります。
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