千代田区は6月29日、第1回目の「民泊サービスのあり方検討会」を開催。今後、実態を調査して課題を整理したうえで、秋以降に条例の制定を目指すという。
新宿・世田谷に続き、「検討会」の開催は3区目。
- 千代田区が「民泊サービスのあり方検討会」を開催
- 目的は、区民の安全・安心の確保に留意したルール作り
- 千代田区内のAirbnbの登録件数、23区では下から6番目
- 各区の「検討会」設置状況
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千代田区が「民泊サービスのあり方検討会」を開催
千代田区は6月29日、第1回目の「民泊サービスのあり方検討会」を開催。今後、実態を調査して課題を整理したうえで、秋以降に条例の制定を目指すという。
東京・千代田区 民泊運営に独自ルール 条例制定目指す
(前略)東京・千代田区でも騒音やゴミなどをめぐって苦情が相次いでいるということで、区では29日、不動産関係者や住民、警察などおよそ20人が出席して独自に民泊運営のルールを設けるための会合を開きました。(中略)
区は「政府も違法な民泊に対しては罰則を強化する方針で、区としてはまず適切な運営のルールを設けていきたい」と説明し、今後、実態を調査して課題を整理したうえで、ことし秋以降に条例の制定を目指すことを確認しました。
(NHKニュース 6月29日)
目的は、区民の安全・安心の確保に留意したルール作り
千代田区のホームページみると、「千代田区民泊サービスのあり方検討会」の設置目的が、「区民の安全・安心の確保に留意したルール作りを検討すること」であることが分かる。
設置目的
この検討会は、千代田区における民泊サービスの適正な実施を図るために、民泊サービスに関する課題を抽出し、その解決に向けて区民の安全・安心の確保に留意したルール作りを検討することを目的に設置しました。
今回の会議を含め秋までに計3回の会議が予定されている。
- 第1回(6月29日)千代田区の現状について情報の共有化
- 第2回(8月下旬)実態調査を踏まえた課題の確認
- 第3回(9月下旬)条例の骨子検討
検討会の構成員は、学識経験者、町会・自治会関係者、宿泊業・不動産関連・マンション管理会社、警察・消防関係者と区役所幹部を含む17名。
千代田区内のAirbnbの登録件数、23区では下から6番目
念のため、千代田区内のAirbnbの登録状況を確認しておこう。
千代田区内のAirbnbの登録件数(283件)は、23区では下から6番目、どちらかといえば少ないほうだ(6月1日現在)。
千代田区内のAirbnbの登録件数は、この1年で236件から283件と漸増。率にして20%の増加。
(AirbDatabankデータを元に作成)
違法民泊が多くないうちに実態を把握し、対策を講じようとする千代田区の検討会の今後の展開に期待したい。
各区の「検討会」設置状況
新宿区・世田谷区:検討会設置済み
ちなみに、23区で現在同様の検討会を設立し検討が進められているのは、新宿区と世田谷区の2区。
台東区:「民泊待った!条例」施行済み
あと、台東区は検討会は設置していないが、民泊に待ったをかける条例が16年4月1日付で施行されている。
渋谷区:検討会準備中
23区で新宿区の次にAirbnbの登録件数が多い渋谷区は、会議体の設置準備をしているところ。
検討会についてですが、今後は厳正な指導に基づく安全・安心なまちづくりと、おもてなしを通じた地域の活性化と国際交流の推進の両面から検討を進めてまいります。検討の場では警察、消防等の関係機関の方や、まちづくり、観光産業に関する有識者の御意見等を賜りたいと考えております。既に関連する所管部署が集まり、検討会設置に向けた連絡会議を行ったところです。
(渋谷区長答弁 渋谷区定例会 17年3月2日)
目黒区:動きなし
また、6月に入って、民泊を悪用した違法薬物事件や、民泊の無断営業停止提訴事案が報道された目黒区はどうするのか?
渋谷区の筆頭部長(?)の現状認識不足が懸念される。
区にとってどういう影響があるのか、それに対して区はどう対応すべきなのか、そうしたところも調査研究はきちんとしていきたいというふうに考えてございます。
(企画経営部長答弁 目黒区定例会17年3月10日)
杉並区:慎重に検討
そういえば、杉並区は15年12月に「来年度中(16年度中)に、マンションなどの空き部屋を宿泊施設として活用する「民泊」を認める条例制定を目指す方針を固めた」と報道されていたのだが(杉並区も「民泊条例」の検討を開始)、最近になって「慎重に検討してまいりたい」とペースダウンしている。
民泊に関しましては、今回、新法の制定等もございますので、引き続き慎重に検討してまいりたいというふうに思います。
(産業振興センター次長答弁 予算特別委員会17年3月8日)