元大阪市職員が違法民泊で書類送検された。
市長が「特に悪質と判断した」ので告発されている。
市内の多くの違法民泊はどうするのか……。
元大阪市職員を違法民泊で書類送検(日経)
約220の物件を運営し、今年2月までの約2年間で約3億5千万円を売り上げたという。
元大阪市職員を書類送検 民泊、無許可営業の疑い
住宅の空き家などに観光客を有料で宿泊させる「民泊」を無許可で運営したとして、大阪府警生活経済課は26日、コンサルタント会社「HYAKKA(ヒャッカ)」(大阪市中央区、破産手続き中)共同代表の39歳と35歳の男性2人と、法人としての同社を旅館業法違反の疑いで書類送検した。
2人は大阪市の元非常勤嘱託職員。同課によると、退職後の2015年3月ごろに民泊営業を始め、「約220の物件を運営し、今年2月までの約2年間で約3億5千万円を売り上げた」と話しているという。
(中略)
市が今年3月、無許可営業を確認して営業を中止するよう指導したが、同社が従わなかったため、5月に吉村洋文市長が府警に刑事告発していた。(以下略)
(日経新聞 9月26日)
大阪市長のツイートから半年
この事件が発覚したのは、半年前の3月14日(何を今さら!?大阪市元職員2人が無許可民泊を経営)。
当時、吉村洋文大阪市長は、「これは悪質だ。刑事告発する」と憤慨されていた(次図)。
吉村洋文市長ツイッター(17:33 - 2017年3月15日)
あれから半年、遂に違法民泊の運用容疑で書類送検された。
市長が「特に悪質と判断した」ので告発
大阪市のホームページには9月26日付で、「旅館業法に違反した事業者が検察へ書類送致されました」と掲載されている。
本市の告発内容
- (1)告発人
大阪市長 吉村 洋文- (2)被告発人
法人名称:合同会社
法人所在地:大阪市中央区
上記法人の会社役員2名- (3)告発に至った経過
被告発人らが、旅館業法に基づく許可を得ず平成29年3月時点で宿泊料を受けて宿泊させていたことを確認したので、保健所において指導を重ねましたが、被告発人らの対応状況から自発的な反省が期待できない等行政指導の範疇を超え、特に悪質と判断したため、告発に至ったものです。
雑感
大阪市内でAirbnbに登録されている物件は1万2千件を超えている(全国Airbnb登録件数 5万件を突破!)。
その多くが無届民泊(=違法民泊)なのだが、今回の元大阪市職員が運営していた違法民泊だけを摘発するのはなぜか?
市のホーム―ページからは「保健所において指導を重ねましたが、被告発人らの対応状況から自発的な反省が期待できない等行政指導の範疇を超え、特に悪質と判断した」のが告発理由とされている。
告発人である大阪市長が「特に悪質と判断」したから告発された。
大阪市で最も民泊が集中しているのは、中央区の島之内二丁目。Airbnb登録物件数は5百件を超える(17年4月23日現在)。また、中国系民泊仲介サイトの登録物件数は約60件(同日現在)。
これらのエリアに悪質な民泊はないと判断しているのか……。