ベストセラー『未来の年表』シリーズ著者・河合雅司氏の新著『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』小学館 (2024/8/1) を読了。
100年もすれば日本人は8割近くも減るという不都合な真実。
※朱書きは、私のメモ。
「マンションの空き家」がより深刻な理由
マンションの空き家は、一戸建てと比べて近隣住民に影響を及ぼしやすいという。
「マンションの空き家」がより深刻な理由
(前略)マンションの空き家は、一戸建てと比べて近隣住民に影響を及ぼしやすい。高齢者が孤独死し、相続した所有者が不明となるケースは少なくないが、積立金などを実質的に徴収できなくなると、住み続けている人にさらなる負担増という「しわ寄せ」が行く。
しかも、空き家率が20%になると管理組合の日常的な対応が困難になるとの試算がある。役員を引き受けない理由のトップは「高齢のため」(36%)であり。高齢居住者が多いマンションでは管理組合の運営そのものが難しくなってきている。
こうして管理費や修繕積立金の支払いが滞ることになれば資金計画に大きな狂いが生じる。予定通りのメンテナンスができなくなれば、資産価値も下がる。
設備の維持管理に支障をきたすとマンションの劣化は想定以上に進む。外壁の剥離などによって思わぬ事故やトラブルが発生することも懸念される。このような状態になった物件では引っ越す人も増えるだろう。さらなる空き家の増加を招き、自力での再生が困難になる負のスパイラルへと陥っていく。(以下略)
(P135/第2部 見えてきた日本崩壊の予兆)
※マンション等の空き家約19万戸は、戸建て約6万戸の約3倍。
買い物難民、5人に1人は東京圏に集中
今後の買い物難民は「東京圈の難題」になっていくという著者の見立て。
5人に1人は東京圏に集中
(前略)三大都市圈と地方圈を比較すると、買い物難民の人数は414万1000人と490万2000人と、大差がついているわけではない。買い物難民の45.8%は三大都市圈なのだ。
中でも東京圈に集中しており、買い物難民の5人に1人以上にあたる203万7000人である。店舗が多く便利な東京圈において買い物難民が多いことは不思議に思えるが、東京圈に高齢者が集中しているためだ。高齢者の絶対数が多ければ、買い物難民となる人も多くなるということである。
社人研によれば、東京圈の2020年の高齢者数は927万3000人で全国の高齢者の25.7%を占めるが、2050年は1160万人を超え3割ほどとなる。2020年から2050年の間に増える高齢者の6割以上は東京圈での増加である。今後の買い物難民は「東京圈の難題」になっていくことだろう。
(P149-150/第2部 見えてきた日本崩壊の予兆)
本書の構成
3部構成。全237頁。
- 第1部 100年で日本人8割減
- 第2部 見えてきた日本崩壊の予兆
- 第3部 人口減少を逆手に取る
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