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価値が出るエリア、半額になる物件『激震! コロナと不動産』扶桑社新書

住宅ジャーナリスト・榊淳司著『激震! コロナと不動産 価値が出るエリア、半額になる物件』扶桑社新書(2020/12/25)を読了。

タワマンに対するネガティブな論調は相変わらずであるが、コロナが今後の不動産に与える影響については多角的に整理されている。

朱書きは、私のコメント。


もくじ

激震! コロナと不動産 価値が出るエリア、半額になる物件

「神居秒算」サイ卜での成約率は10%

楽天などに在籍していた在日中国人が立ち上げた、中国人向けの日本の不動産物件売買プラットフォーム「神居秒算」サイ卜での成約率は10%だという。

虎視眈々と値下がり物件を狙う中国人投資家

(前略)コロナ以降、中国人たちが日本の不動産を買っているという動きは確認できていない。海外から日本の不動産を購入するためのファンドマネーが入ってきている、という話は聞くが、それに裸官マネーが含まれているのかどうかまではわからない。


一方で、中国人向けの日本の不動産物件売買プラットフォーム「神居秒算」のサイ卜を見てみると、日本のタワマンをはじめ多くの物件が並んでいる。

同プラットフォームは楽天などに在籍していた在日中国人が立ち上げたもので、中国人富裕層は実際に物件を見ることなく、中国から日本の物件を購入することができる(現在は日本企業のGAテクノロジーズが所有)。成約率は10%(日本の不動産全体の成約率は0.3%)を超えるとアナウンスしており、爆買いを支えている。

(中略)

日中間の人の往来はまだ厳しく制限されているが、現地からネットで購人できるのだから、まったく影響はないようだ。


米中対立が今後も激化すれば、中国人富裕層や裸官が日本の物件を再び爆買いする可能性は少なくないだろう。

(P46-48/第1章 湾岸タワマン崩壊とマンション市場リスク)

裸官とは、中華人民共和国の海外亡命する腐敗官僚のこと。

「神居秒算」掲載件数は東京・大阪に集中している(次図)。23区のマンションは新宿・港・豊島区の順に多い(次々図)。

「神居秒算」主要都市の「不動産」掲載件数

「神居秒算」23区の「マンション」掲載件数

「リモートワークのんびり暮らし」に適した街

「リモートワークのんびり暮らし」に適した街として、23区内では、北区の赤羽、葛飾区の亀有と金町、江戸川区の小岩、(略)といった街が候補に挙がってくるという。

「リモートワークのんびり暮らし」に適した街

(前略)サーフィンをしたい人なら湘南や千葉の外房、山歩きが好きな人なら高尾、束京ディズニーリゾートの年間パスポートを買って浦安あたりに住む、という選択肢も現実的になってくる。


そして、そういった具体的な目的はないけれども、ただのんびりと過ごしたいという人も多いはずだ。むしろ、何かの趣昧や嗜好に偏らない生き方を選ぶ人が多数派ではないだろうか。

そういうごく普通の「のんびり派」におすすめの街をいくつかご紹介しよう。

つまり、家賃やマンションの価格はそんなに高くないが、買い物や食事などのお店が多く、便利で選択肢が豊富な街だ。ぶらぶらするのに肩ひじ張らずに楽しめるところがいいだろう。


まず、東京23区内にこだわる場合。候補に挙がってくるのは北区の赤羽、葛飾区の亀有と金町、江戸川区の小岩、大田区の蒲田、世田谷区の千歳烏山、練馬区の大泉学園、板橋区の大山や成増といった街だ。(以下略)

(P105-106/第2章 郊外&ベッドタウン「住みたい街」激変!)

※社リクルート住まいカンパニーが20年3月3日発表した「2020年の穴場だと思う街(駅)ランキング関東版」では、3年連続で、1位「北千住」、2位「赤羽」。1位の北千住(103点)は2位の赤羽(89点)を大きく引き離している。

大学のオンライン授業が賃貸市場に与える影響

大学でのリモートワーク講義のシステムが進むにつれ、周辺エリアの賃貸ワンルームマンションの需要は激減という予想。

大学のオンライン授業が賃貸市場に与える影響

(前略)今後、大学でのリモートワーク講義のシステムが進むにつれ、周辺エリアの賃貸ワンルームマンションの需要は激減し、ワンルームマンションを運用しているオーナーにとっては頭痛の種になるだろう。


すでに客観的なデータも存在する。不動産評価サービスータスは「賃貸住宅市場レポート(2020年8月)」で、東京・神奈川・埼玉で計1万1100戸の単身者向け賃貸住宅の需要が消失したと発表している。1万室以上の需要が一気になくなったことのインパクトは計り知れない。


ワンルームマンションのオーナーはいわゆるサラリーマン大家が多い。価格が高くないので不動産投資の初心者には入門編になっているのだ。しかし、学生の需要を当てにしていた物件については、今後のオンライン講義によるリスクを考えたほうがいいかもしれない。われわれはもはやコロナ以前の社会には戻れないのだ。

(P162/第3章 沈みゆく商用不動産市場と投資物件の行方)

※タスのレポートをひも解くと、都内の単身賃貸需要の消失が著しいことが分かる(次図)。

コロナ禍による単身向け賃貸住宅需要の消失(推計) 19年上半期(1月~6月)に対する20年上半期の減少戸数

本書の構成

4章構成。全206頁。

第1章 湾岸タワマン崩壊とマンション市場リスク
第2章 郊外&ベッドタウン「住みたい街」激変!
第3章 沈みゆく商用不動産市場と投資物件の行方
第4章 コロナ禍の「買い方」と生き残る物件

激震! コロナと不動産

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